一発選考〜五輪代表選考会、クロスカントリー〜
基本的には賞金がないアマチュアスポーツ。
優勝して得られるのは
周りからの祝福、栄誉、自己肯定感、自信。
どれも大事ではあるものの、競技人口や露出が少ないマイナースポーツであればあるほど
客観的な価値は薄れていきます。
『オリンピック代表選考会』
この肩書きがあるだけで、日本中の人が重要な試合だと認識することができます。
日本人にとってオリンピックは重いです。。。
五輪派遣基準
バンクーバー五輪の時から
日本代表は五輪や世界選手権の出場枠とは別に、独自の派遣基準記録を作り
国際大会でその記録に届かないと
出場枠を使わずに日本選手の派遣を見送っていました。
こうして、世界と戦うのが難しい競技は
五輪や世界選手権に派遣すらされない、 1人派遣するのが精一杯。
そういった状態に陥ってしまいました。
クロスカントリー競技もその一つ。
2017世界選手権で派遣されたのは男子2人、女子 1人。
前回の平昌五輪では、派遣されたのは男女 1名ずつ。
いよいよ、派遣0になるのではないか
というところで、方針が変更され
「全日本選手権の価値を上げる」という政策のもとで
全日本選手権の成績等で選手を派遣するようになりました。
そうして、北京五輪の今年。
派遣基準がこちら↓
細かいところは置いとくとして
北京五輪でも、全日本選手権パシュート種目の 1位と2位が派遣される運びとなりました。
前述したように、国際大会での派遣基準の突破が難しいクロスカントリー競技において
多くの選手にオリンピックに行けるチャンスが訪れることとなりました。
こうして 1月21〜23日の3日間。
音威子府で行われる全日本選手権パシュート種目が
事実上、オリンピック代表選考会と化しました。
変速パシュート
個人的に馴染みがあるクロカンのパシュートは
ワールドカップで行われるステージワールドカップ方式。
初日にスプリントを行い、2日目にインターバルスタート、
3日目に2日間行ったのタイム差で 1位の選手からスタートしていき
ゴールした順に順位を決めるという方式です。
一方で今回行われたのは
初日にスプリント、2日目にマススタート(一斉スタート)
最終日に2日間のタイム差で 1位の人からスタートしていき
ゴールした順番に 1位と2位の選手が五輪へ
という流れなのですが
スプリントの順位に応じてボーナスタイム
マススタートの1.8キロ地点と5キロ地点にチェックポイントを置き
チェックポイント通過順位にボーナスタイム
さらには2日目の上位選手にボーナスタイムを与えるというルールに設定しました。
色々と、意図があったと思います。
1日目と2日目に意義を持たせるための上位者へのボーナスタイム。
2日目の序盤にチェックポイントを置くことによって、牽制し合った上での低速レース、スプリント決着を避け
力の差を浮き彫りにできるようにする。
いずれも、3日目だけの勝負にしない。あくまでも3日間のトータルで強者を決める。
私はこのルールを見て、勝手にそう解釈しました。
女子はこの試合で当確した土屋正恵(弘果スキークラブ)と児玉美希(太平洋建設)
この2人の力が突き抜けていたので、よくわかりませんでしたが
男子に関しては、3日間での総合力、チェックポイントでのボーナス獲得等
かなり力を試される戦いとなりました。
そして、当確した宮沢大志さん(JR東日本スポーツ)と山下陽暉(自衛隊体育学校)
山下はツールドスキーの結果待ちで当確ではないらしいですが
前述した通り、国際大会での派遣基準は
日本人選手の実力ではかなり厳しいものなので、当確と言っていいでしょう。
この話は、明日に続くかもしれません。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?