見出し画像

やはり初勝利 〜北京五輪 スキージャンプ女子〜

ジャンプの日程がつまり、大事件もあり

おざなりになってしまった女子個人戦のお話です

______________________

Althausの勝利、スロベニアの表彰台独占、沙羅が悲願の金

どの結果になってもおかしくなかった、不安定な風。

勝利の女神が微笑んだのはBogatajでした。

予想通り

Kramerを欠いた試合。

この試合に出場したトップ5は、特筆する強さを見せてきました。

BOGATAJ Ursa

スロベニア人らしからぬ上方向への強い踏切

高さを出し、ややスキーを立てながらゆっくりと落ちていく。

全員統一したジャンプ教育を施し、同じジャンプをしてくるスロベニアにおいて異質な存在でした。

成績で特別目立つわけでもなく、2年前に前十字靭帯を断裂していましたが

正直なところ、あまり印象に残っていません。

そうした中で、昨シーズン

異質なジャンプ台Ljubnoで、表彰台を射止めたのはよく覚えています。

ワールドカップで中位にはくるものの

前述したジャンプの特徴ゆえ、空中での抵抗が大きく、ラージヒルでは苦戦していました。

しかし今夏、開幕戦のラージヒルで連勝。

今まで、夏は高梨沙羅が完璧に支配していましたが、それを簡単に上回る飛距離。

しかも、沙羅は得意、Bogatajは苦手としていたラージヒル。

連勝を聞いたときに耳を疑いました。。。

___________________

元々持っていた強い踏切に加えて、スロベニア仕様の空中姿勢にマイナーチェンジ

そうなってしまえば、怖いものはなく。

高梨沙羅の夏の総合9連覇の阻止に成功しました。

____________________

この冬は、ワールドカップで幾度となく表彰台に登り

勝利こそないものの、総合3位。

Kramerを欠いた五輪においては、優勝候補の筆頭に名を連ねました。

そうした中で迎えた五輪。

圧巻だったのは2本目。

不安定な風の中、強い踏切で上部の悪条件を抜けると

下でわずかに吹いていた有利な風を捕まえて

トップの得点を叩き出しました。

元々持っていた技術、今季の進化。

その両方の長所を遺憾なく発揮したジャンプは

凄まじい、の一言に尽きます。。。

ALTHAUS Katharina

1番巧さを見せたのはこの選手。

こちらも、2本目。

多くの選手なら80m付近に落ちるような悪条件の中

粘りに粘って、銀メダルを掴み取りました。

1本目は強かにトップを取り

絶望的な条件でも、力を見せてきました。

ドイツ人の底力、集中力は生半可なものではありません。。。

平昌以降、鋭い踏切は鳴りを潜め

もう終わった選手なんていう考えがよぎっていました。

しかし、昨年の世界選手権で復調のきっかけを作ると

今季はワールドカップで勝利を挙げて、復活の狼煙を上げました。

なんか、沙羅が見せたかった成長、やりたかったパフォーマンスを彼女にされてしまった感があります。。。

Nika KRIZNAR

今季は、昨年のような圧倒的パフォーマンスを見せきれていなかったKriznar。

レベルの高いジャンプで、確実にメダルを射止めてきた

という印象を受けました。

大きなミス、隙がなく、高梨沙羅に付け入る隙を与えませんでした。

混合団体でしっかり金メダルを獲得したので

充実の五輪と言って良いでしょう

試合展開

ほぼプレビュー通りだったと言えるでしょう。

荒れる風の中でもトップ5の力が抜けており

そこでの表彰台争いとなりました。

1本は風に恵まれて良いジャンプを見せても

2本は揃わず、サプライズな順位はありませんでした。。。

日本チーム

メダルを逃した高梨沙羅。

前回の平昌の時のような、良いジャンプが出せませんでした。

1本目は、上方向を意識しすぎてスムーズさに欠け

2本目はタイミングが早く、後半の伸びに欠けました。

ぱっと見でわかってしまうミスは、避けたかったところですが

メンタルコントロールが前回よりもうまく行っていませんでした。

そのためKriznarにも7点差で離されてしまい、かなり悔しかったと思います。。。

この試合で、精神的ダメージは既に大きかったはず。

そうした中で、会心のジャンプを決めた混合団体の1本目。

からの地獄へ叩き落とされた様は、直視できるものではありませんでした。

まずは、穏やかな気持ち、前を向けるだけの精神状態に戻ることを祈っています。。。

_________________

伊藤有希は13位。

まずまずな風を掴んで、今季の中ではかなり良いジャンプを見せ

トップ10で折り返しました。

しかし、2本目は不利な風に全く対応できずに順位を落としました。

シーズン中は混合団体メンバーから外れそうな順位でしたが

ここにきて、調子を上げメンバー入りを果たしました。

______________

勢藤優花は14位。

最後の五輪で1本目はかなり良いジャンプをしてきました。

出場も危ぶまれるような序盤戦から調子を上げ

1本目は会心のジャンプと言っても良いでしょう。

2本目はやや硬さがみれ、厳しい条件に飲み込まれてしまいました。

混合団体のメンバー入りができる調整だったので

少なからず残念ではあったでしょう

_______________

こちらも1本目に会心のジャンプを決め

雄叫び?を上げながら、ブレーキングトラックを滑ってきた岩淵香里。

#気持ちはわかる

テレマークが入らないので得点は伸びませんが、11位で1本目を折り返しました。

2本目は、わずかなミスと悪条件が重なり飲み込まれ18位となりました。

テレマークさえ入れば、展開も変わり混合団体もあったと思うので

最後まで決めきれず、残念ではありましたが

大舞台で会心のジャンプを決めれて、やや満足そうではありました。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?