スキージャンプに貢献する2
父の影響
いつからか忘れましたが、私の父は大学からジャンプを始めた学生に対して指導をするようになりました。
スキージャンプという競技は、ジャンプ台の使用や大会に出場するのに選手と「もう1人」必要とします。この「もう1人」は便宜的にコーチという呼ばれ方をします。
もちろん、多くの場合が「コーチ」なのですが基本的に資格を必要としないので、悪い言い方をすれば誰でもいいのです。
兄が学生の頃は兄の「コーチ」として常にジャンプ台にいました。それに付随する形で見るようになったのかもしれませんが
今は兄も引退し、彼らのためだけにジャンプ台で「コーチ」に行くこともしばしばです。
私自身も、茨城の選手になってからこの6年、白馬や妙高の練習では父にこの「コーチ」の役をお願いしています。父が撮ってくれたビデオを毎回確認し、自分自身で修正をするので実際の「コーチ」とは若干異なりますが。。。
完全ボランティア、交通費持ち出しで彼らのために「コーチ」をしに行く。父自身が楽しそうで、60を超えた今でも元気なのはそのおかげだと思っています。
教員として一生懸命頑張る学生を放って置けないのでしょう 笑
そんな私も、都合が合えばいつからか父を手伝うようになりました。
大人になってからスキーを始める
私自身も学生から始めた選手を尊敬しています。多くが国公立大学の選手で、学業をきちんと収め、バイトをしてそのお金で練習しにくる。
一見当たり前のことのようですが、学生時代スキー活動に関して全て親からお金を出してもらっていた私にとっては、本来あるべき「学生」の姿でした。
基本的に競技スキーをできる家庭は裕福です。「裕福」というと少し語弊があるかもしれませんが、遠征費や道具代を出すのは、平均年収以上の世帯年収が必要になるのは間違いありません。
少子化とともにスキージャンプの人口は減る一方です。そうした中でスキージャンプに興味を持って始めてくれる学生は貴重です。
また「スキージャンプの魅力」に取り憑かれ、そうした学生の一握りは大学を卒業した後も趣味に近い形でジャンプを続けてくれます。
「スキージャンプの魅力」はフワッと浮いて、遠くに飛ぶこと。1人でも多くの人間に少しでも遠くに飛んでほしい。そんな思いを持って始めた活動があります。
スキーージャンプを指導する
年に一度くらい父の手伝いで学生のジャンプにアドバイスを送っていましたが、大きな問題に直面しました。
大学から始めた選手にアドバイスを送る上で最初に直面する問題は、スキージャンプの常識が浸透していないということ。
専門用語が通用しないなどは、当たり前ですが。私がジャンプを始めた時に「絶対に膝を曲げちゃダメ」というのをとことん叩き込まれました。
そういうアドバイスを送ったら「いつまで膝を伸ばしていたらいいですか?」と質問が返ってきて「ずっと」と私が答えたら。「それでは着地できません」という答えが返ってきました。
優秀な指導者であれば、納得できる回答ができたのかもしれませんが、私にはどうすることもできませんでした。
そういう出来事があり、指導やアドバイスというものに私自身限界を感じていました。
また、ジャンプ台でどうこうできる問題ではなく、柔軟性や筋力的な問題を抱えている選手も多くそこに対して、どう指導して良いか全くわからなかったです。
また、彼らをサポートするのは私や私の父だけではありません。学生スキー連盟や地域のコーチ達も彼らを指導してくれます。
#みんな優しい #みんな飛べるようになってほしい
しかし、ジャンプの見え方は十人十色。各々が考えたことを指導するので、全部集めると矛盾することが多々あります。
限定グループを立ち上げる
昨年の夏。親交のあった学生が、とても上手になったのでその機会にfacebookで限定グループを立ち上げました。
最初は3人。そこに動画をアップロードしたら、私がコメント欄にアドバイスを送るという簡易的なものでした。
しかし文字だけで彼らがどういう意識で飛び、何をしようとしているのかを聞き出し、それに対してアドバイスをするというのは文字では中々難しいものがありました。
また、彼ら自身で色々考えながらトレーニングに励んでいたり
上記しましたが、ジャンプチームのコーチや父兄がボランティアでジャンプを教えてくれていたりもするので、その指導の邪魔をしないようにアドバイスを送るというのが難しい作業でした。
グループを進化させる
コロナ禍。リモートでのやりとりのハードルが大きく下がりました。
Zoomなどで直接指導なども考えましたが「教わる方の気まずさ」みたいなものを考慮して
スキージャンプについて勝手に私が解説し、その動画をグループにアップロードしてディスカッションさせる仕組みにしました。
ディスカッションから、今までどんな指導を受けて現在の取り組みを想像し
他のボランティアで教えてくださっている方々との矛盾を少なくしようと考えました。
利用者の声↓
それでも「私に動画を送る気まずさ」があると思うので、中々送られてくる動画は少ないです。
「私だけがやっている感」が少しあり、グループの有効性がないのではないかと葛藤するときもあります。
1本あたり7分から10分くらいかけてジャンプを解説し、そこから行われるディスカッション(コメント欄)は私自身も学びが多く、とても面白いです。
限定グループにする理由はほとんどないですが、なんとなく参加したい人だけが入れば良いという感じです。
それでも、最近は選手自身が自分で自分のジャンプを説明する動画をあげてくれたりして
「私だけがやっている」感が少し減りました 笑
私の思いは一つ「1人でも多くの人が、少しでも遠くに飛んでいって欲しい」「あわよくばジャンプを続けてほしい」それだけです。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?