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EOF2019の感想から今のマネジメントを振り返る

結論から入るタイプのブログです。ブログを書きながらそのへんの思想を再理解します。

状況の整理

理解のための整理です。エンジニアリングマネジメント道に入りまして1年半ほど経ち、下記のような状況の変化がありました。

当初 (チームの立ち上げ、チームリーダー
メンバー
- 業務委託1名(フロントエンド)
- 社員1名(フロントエンドかつフィリピンからの出向者で日本語話せない)
 → 今(副部長
メンバー
- 業務委託・派遣 8名(フロント・バックエンド)
- 社員9人(EM、フロント・バックエンド・アプリ・デザイナー)

いい人にも恵まれて、ありがたいことに2019年度から副部長という立場を担わせてもらっています。まだまだ新米ですしいつも周りに助けてもらってばかりですが、この1年半いろいろ考えたことを整理していこうと思います。

今やっていることの整理

・予算管理 5%
・採用 5%
・組織運営 20%
・技術検証と意思決定 20%
・目標設定・評価・1on1等 20%
・雑用と調整といろんなことの検討 50%

かなりざっくりですが上記のような比率で仕事をしているように思います。全部足すと120%になります、まだまだ不器用ということです。

今はこの比率を状況に応じて変動させています、当初は「技術検証と意思決定」の比率が50%くらいあって「オッ!このままプレイングマネージャーやるぞ!ウオオオ!!」という気持ちだったんですが、半年前くらいから己がエンジニアでありたいという気持ちを満たそうとはしなくなっています。理由として自分の成果とチームの成果の垣根が限りなくなくなってきていることがあると思います。

上記にあるように選手兼監督というような状態になることを期待してマネージャーになりましたが、見る人が増えてやることが変わっていくにつれて、自分が個別最適化をするべき組織フェーズじゃないと思うことが増えたことがこの垣根を取り去る理由になったと思います。コードを書いて機能を作ることもある種の個別最適化という風に考えていて、現場で問題をバンバン解決していくのってめちゃくちゃ楽しいし承認欲もすごい満たされるし、キャリア的にも伸びている感じがするんですよね。でも今の自分に期待されていることはこれじゃないのかもなと仕事を進めていく上で考えることが増えました。

個別最適 → 全体最適に関心を向けるようになった

最初は自分がプレイヤーとして評価されてマネージャーになったと信じてたのに実態として全く違う業務(予算管理や育成など)の数々をやらないといけなくて、それが最初からできると何故か盲信しており、その結果できないことが多すぎる割にそれがうまく言語化と可視化されないことが多くてめちゃくちゃ辛いという状況に陥りました。マネジメントの仕事って何ができて当たり前で、なにがチャレンジングなのかわけるのが難しいんですよね。

採用も育成も効果の定義はできなくはないけど、飲み込めるかは別。いくら社員の評価が上げれて給料が上げれて満足してても自分の実績かは一生わからない気がしてしまっていました。これは私の勘違いが原因で、リーダーやマネージャーになるということはキャリア的にエンジニアリングをしていた人の上位や延長線上にあるように考えていましたが、実態として求められるのは別軸の全く異なるスキルであることを理解できていなかったことが原因だと考えています。

別軸だと解釈してからはチームで常に最適解を出せるようにしなければ組織はスケールしないのかもしれないと思うようになりました。時にはリーティングをして問題を一気に解決する必要もありますが、概ねチームで解決することを繰り返すほうが良さそうです。

今のボスに色々面倒を見てもらったり、色んな人に1on1やコーチングをお願いしてみたり、本を読んだり社外のEMコミュニティに参加させてもらう中でいろいろな金言や思想に触れて、上記のような勘違いに気づけたり徐々に思想が整理されていきました。またこの上半期は営業本部の部長が上司だったこともあり、エンジニアリングとはまた違ったフィードバックをもらえたことも今のスタイルを見直すいい機会となりました。

また、今はありがたいことに副業で色んな人やプロジェクトと関わることができていて、こっちはガッツリコードを書けていることも全体最適化に集中することを飲み込みつつも、それで失っていたものを補完できているのかもしれません。

よく考える言葉ができた

1.「人は会社から去るのではない、マネージャーの元から去るのだ」

これはレアジョブの英会話の先生から言われたこと、英語で「Employees don't leave Companies, they leave Managers.」と言われた。彼も飲食店でスタッフのマネジメントをしていた経験があり、スタッフの離職や雇用の難しさを話していて出た言葉だ。
どんなに福利厚生が良くても環境が良くてもビジネスへのマッチングを持っていてもいいマネージャーがいない組織は不幸だと思わせてくれる言葉で思い起こすたびにちゃんとしなきゃと背筋が伸びます。

2.「EMに向いているのは「逃げない」人」

EOF2019でも出たんですが、私にはあまりこの言葉はしっくり出てなくて、私の解釈は「向き合い続ける事のできる人」というのがEMに向いている、というかやらなきゃいけないことだと感じています。

同じじゃんと言われればそうなんですが、小心者の私には「逃げちゃダメ」という状況だけでお腹の内側がめっちゃ痛くなるんですよね・・・少しでもポジティブに色んな事解釈してないとなんでも辛いので「向き合う」という解釈をしています。

実際にマネージャーをやっていると、問題や障害にまず最初に向き合って最終的に責任も取る立場なので、その時に「にげる」コマンドがdeactiveな状態より「たたかう」コマンド押して作戦をみんなで考えるほうが全然楽しい。

あとはマネージャーだから逃げちゃいけないというのはそれだけで心理的に異常に負荷がかかる気がする、全然可逆性のあるキャリアなので合わなかったら辞めてまたエンジニアリングを楽しめばいいと考えています。

3. 「カウンセラーじゃない、意思決定者だ」

人の問題というのは多かれ少なかれ起きます。一緒に仕事をする人をリスペクトして業務を遂行をすることは当たり前ですが、感情と意思決定を切り離して考えないと辛いです。いろんなショックな事も起きますが、個人としてそれを受け止めないでマネージャーとしての自分が受け止めるようにします。

勘定の整理をすることも必要だしすることもありますが、やるべきことは事業における技術に関する意思決定なのでドライに考える練習も必要だなと思いました。

4.「マネジメントは結局は自己満足」

「どうやって自分がEMとして成長しているかを評価しますか?」という話をいろんなEMの人に聞いているんですが、結局難しいので自己満足ということにしているという話がよく出ました。

これはまぁそういえばそうだよなーと思うので、いろいろなお節介や施策の効果を言語化してみたりするんですが結局やりたいと思ったのでやったが増えてきている気がします。これはもう自己満足なんではないかと思っています。

再理解として、結局今の仕事の正体はなんなのか?

EOF2019で松本さんの話を聞いて「松本さん同い年か・・・人生何週目?異世界転生?頭良すぎ・・・」と思いつつも今まで自分が言語化できてなかったことや、言語化してみて間違ってたなと思うことが非常に多く得られる知見がとても多かったです。どのセッションも本当に参考になったんですが、このセッションを受けてメタ的にもう少し考えようと思いました。そこで再整理として今マネジメントという領域において私がやるべきだなーと具体的にやるべきことをメタに言語化してみると

組織と技術の問題と向き合い続けて、実行支援をしてやり切る責任者であること

という風に解釈しています。今これが100%実行できているとは思ってないんですが、自分の指針としてはそう思っています。

自分はインフラ→バックエンド→フロント→ネイティブアプリの開発まで一通り、薄いところもありますが実務でやってきているので、いろんな領域の技術課題に対してついつい戦ってみたくなっちゃうし、やれるんじゃないかと思っていました。でもいろんな領域があり今はデザインも見ているからこそ組織内のスキルマップをバランスよく保つには実行者じゃなく支援者として問題解決をやりきろうと思います。

また上記比率の通り自分はポジション的にメンバーより技術にかけれる絶対的な機会・時間が少ないので、この技術課題を解決して成功・成長をする経験はメンバーがしたほうが全体最適であると思うのでここはグッとこらえます。

EMが逃げちゃダメということは必ずしもないと思うんですが、問題を解決するために向き合い続けることが今一番大事にすべきことなんだと考えていこうと思います。

まとめ

EOF2019ではスタッフとして参加させていただいて、スタッフメンバーもEMや同様の組織課題を持っている人が多くてセッションだけでなく、スタッフの皆さんとの会話でもいろいろな学びを得ることができてとても良かったです。

逃げちゃダメということはないので楽しく向き合うための練習と努力を頑張っていこうと思います。

暗中模索することが多い中でコミュニティに参加して悩みを相談しあえるということはとてもありがたいです。半年くらいでEM辛くてやめると思ってたんですが、なんとかまだやれているのでもうちょっと頑張っていこうかなーと思っています。引き続きよろしくお願いいたします。

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