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ピンク髪① 〜hide ピンクの理由。作品「ピンクスパイダー」〜

最近ピンク髪の人多くないか?(スイスでもけっこう見る)

ピンク髪の人と言われて一番に浮かぶのが、hide。
元Xジャパンのギタリスト。
亡くなったのがもう20年以上も前か。
光陰矢の如し。スきゅーん

2020年。コロナ。
世のピンク髪の多さ。
雑多な映像情報。
なぜかは分からない。
学生時代、あれほど勧められたのにXにハマることがなかったのだが、ここへきて、何だか気になってhideのピンの喋りを初めて聞いた。
だいぶ感動して、繰り返し見聞している今日この頃。

彼なりの好みや嗜好を持ちつつ、様々な音楽に精通していて、宝探しのように色んな音楽を聴いているのだな、ということが分かる。埋もれている楽しい音楽を、美しい才能を。
「世に出るべき素敵な音楽、もっとあるだろ?」
って肩の力入れすぎずに探してた人。常に創作のアイディアに溢れている人なんだと分かった。

そして、当時は今以上に奇想天外だったピンクヘア、(髪が茶色いのを、「チャパツ」とわざわざ言う時代だった、、)
当時ロック野郎以外のピンク髪なんて、俺は見たことがなかった。

hideは自らのピンクの髪について、あるインタビューでこう語っていた。

hide: 自分が思っていた、子どもの頃に思っていた、例えば自分の見てたロックの人が、
ずっと、、ずっとなんかこう 髪の毛真っ赤だったのが、黒になった時っていうのは、その音楽が比例して、なんか、、、あーのー、、すごくソフィストケイト(一般ウケ化)されていったりとか、すごく なんか まろやかになったりとかする時期だったりするのね。
僕、(見た目の変化で音楽性が変わるとかって)関係ないのはわかってるんだけど、なんかそういう風に、、自分が自分・・にそういう風になってく(一般ウケに傾倒する)のが嫌でこれを(赤とかピンクの髪色)ずーーっとやってるんですけどね。
で、割とだから・・なんだっけ? あーのーー 30、40になってもこんな頭してんの?って(自分でも)思ってるけど、割とその、、そんなことを考えてる自分が、こうやって赤い髪の毛が出たとたん、「本当は(見た目と音楽性が比例してるとかしてないとか)かんけーねーじゃん!」とかって思えるーーように、っていうのもあるんですよね。
だから、すごい、だから、、タイミングがね、あるんですよね。
刺青とかと結構似てて、この道から逃げられない。っていうような、この初期衝動からは逃げられないっていうような、自分を拘束してる部分は、ちょっとありますよね。
、、そこまで深いもんでもないんだけどね。。
だって、これ、あれだもん。帽子被ってないと、コンビニもどこにもいけないもん。(笑)

(インタビュアー:「ここまできたら最後までずっとピンクで行ってほしいですね」)

hide: 最後までね、最後の一本までね。(笑)

また、彼はオールナイトニッポンのラジオ音源中で、自分で作詞作曲している、
作品「ピンクスパイダー」について、以下のように語っている。
(前情報として:インターネットはまだ世に出たてで電話回線で繋いでた時代)

『ピンクスパイダーっていうのは、ピンクっていうのはですね、あのー世界中どこに行ってもそうなんですけど、妄想のモチーフにされる色なんです。
ピンクの象が見える、とかよく言うじゃないですか?

その妄想を抱えた蜘蛛、って意味なんですけど、
スパイダー、蜘蛛が吐く糸っていうのは(英語で)webって言うんですけども。
Webっていうのは僕たちの情報収集の一番のツールでもあり、象徴でもあるインターネットっていうのがあるんですけれども、
情報を収集するためにWebを張った蜘蛛っていうのは、自分の張ったWebの中でしか生きていけなかったり、それ以外は知らないんだけど、
他のWebを張ったのを、すごい情報を持っているような妄想がすごく凝り固まって
外の世界を知らない男の話なんですね。

で、このピンクスパーダーは最後空を飛ぶんですけども、別の世界に行くんですけども、
雲に憧れて、あの雲になりたいと思って空を飛んで雲になるんですけども、
実は雲ってのも空っていう大きなものの構成要員の一つでしかなくて、その歯車になったに過ぎなかった。っていう話なんです。

このシングルの中ではそこまでは語らずに、続く、になっております。
その続きは3番目に入れようかな、と思っているのです』

それを聞いて、俄然興味出ちゃって「ピンクスパイダー」の詞を見に行った。
どう考えても、5年10年先のことをこの人は、あの時言ってんだと思った。
歌は聞いたことあったけど、こんな詞だとは気づかなかった。
hideが云う、「サイボーグロック」という曲調に、
ピンクのクモの
残酷さと切なさと夢が紡がれていたんだ。

”蝶の羽いただいて こっち来いよ”
”向こうでは思い通りさ”

ピンクスパイダー ” 行きたいなぁ”
ピンクスパイダー ” 翼が欲しい ”

捕らえた蝶の命乞い聞かず
君は空を睨む
傷つけたのは憎いからじゃない
僕には羽がなく
あの空が 高すぎたから

引用元:「ピンクスパイダー」hide with Spread Beaver 一部のみ抜粋


傷つけたのは憎いからじゃない 僕には羽がなく あの空が高すぎたから

………

この歌の中では、
ピンクの蜘蛛は奪った翼をつけて空を飛んだけど、
失敗して空を見上げるところでお話が終わっている。
続く「Ever Free」(hideの言っている「三番目」の曲)で、お話は完結する?
いや、俺はしてないと思う。この唄の中でも主人公には疑心暗鬼が残っている。まだ迷ってる。ストーリーは続いてると思う。
(ぜひ!EVER free も聴いてください!)

それを最後に遺して、hideは亡くなってしまったんだ。
ピンクの髪のままで。

なんて悲しいんだろう。

今頃なんなんだろうなー。
今わかったんだよ。
彼が死んだ時、なぜあんなに築地本願寺が慟哭の塊になったのか。

なんて酷いんだよ。

日本帰ったら、墓参り行くよ。
俺の縁の地とも近いんだ。

R.I.P hide

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