見出し画像

大学生のときセクシー女優のサイン会に4回も行った話...とシルクロードS

今から17年ほど前。大学2年生の頃だったと思います。XLサイズの服にNEW ERAのキャップ、靴はティンバーランドのブーツかエアフォース1。当時のぢゅけもんはいわゆるコテコテのB-boyでした。

当時、一番好きだったラッパーは般若。『根こそぎ』というアルバム(たぶん人生で一番聞いた)がリリースされた頃で、リード曲の『やっちゃった』はMVの面白さも相まって日本語ラップ界隈で話題になりました。

その『やっちゃった』のMVに出演されていたのが、セクシー女優の宝月(ほうづき)ひかるさんです。19歳のぢゅけもんは一目惚れしました。

調べたところ、彼女は桃太郎映像出版というレーベルに所属する専属女優で、毎週のように関東圏を中心にサイン会などのイベントでファンと交流していることが判りました。そして、好奇心旺盛なB-boyはその週末、さっそく会いに行ってみることにしたのです。

宝月ひかるさんとの記念すべき1回目の対面は秋葉原の電気屋でした。そこには50人ぐらいのファンが集まっていました。新作のDVDを1枚購入して列に並びます。

「はじめまして〜♡」

〈か、かわええ〜!こんなかわいい女性は人生で初めて見た!〉

般若のMVを見て一目惚れしたこと、着メロも『やっちゃった』にしていることを伝えると、「え?私も着メロにしてるよー!」(真偽は不明)などと返してくれて、会話は割と盛り上がりました。
DVDのパッケージへのサイン、それとは別に桃太郎レーベルの色紙へのサイン、最後に2ショットチェキを撮ってイベントはおしまいです。持ち時間は3分程度でしょうか。3,000円ぐらいのDVDをたった1枚買っただけでこの付帯特典です。盛り沢山すぎて感動しました。

「絶対また会いに来ます!」
「ほんとに〜?約束だよ〜♡」


そんなやりとりをしてから2ヶ月後、僕は早くも2回目のサイン会へと出向きました。場所は神田の書店だったかと思います。
列に並ぶ間、初回の時よりも緊張している自分がいることに気づきました。その理由は、果たして自分の顔を覚えてくれているだろうか、という一抹の不安。ドキドキしながら自分の順番を迎えたのを覚えています。

しかし、そんな不安もなんのその、顔を見るなり「久しぶりー!また来てくれたんだね!」の一言。全身の力が抜け、一気に気分が高揚しました。

「覚えてくれてたんですね...」
「あたりまえじゃーん♡」
「嬉しいです...」
「あ、でも名前忘れちゃった!ごめんね〜」

名前なんてサインを書くときに"〇〇さんへ"と入れてもらうだけなので、たかが1回来ただけの人など覚えてなくても仕方がないし、謝るようなことではないはず。それでも彼女は「よし!もう覚えた!次からは絶対忘れないから!」と気負ってくれます。そんなフラグ立てて大丈夫かな、とこちらが心配になるほどでした。


3回目はそこから2,3ヶ月後ぐらいだったと思います。場所は新宿のDVDショップでした。3回目ともなると事務所のスタッフの方とも顔見知りになり、列に並んでる間に世間話をするぐらいになっていました。

「やっほー!ありがと〜来てくれて♡」

最大の焦点は、ちゃんと僕の名前を覚えてくれているかどうかでした。正直、覚えてくれていない可能性の方が高いと考えていたのですが、サインペンを手にした彼女は一瞬も迷うことなくスラスラと僕の名前を色紙に書いてくれたのです。そのときの感動といったら...。

「本当に覚えてくれてたんですね!」
「当たり前じゃーん♡約束したでしょ?」

WBC2009イチローの言葉を借りるなら、このとき僕はほぼイキかけました。


4回目はそれから3か月後、場所は千葉県の鎌ヶ谷にある書店でした。ここで問題が起きます。
初めて行く土地だったこともあり、所要時間の計算を誤った僕はイベント開始時間に間に合わなかったのです。ようやく辿り着いたのは開始から約1時間後。普通ならイベントは終わっている頃です。急いで店内に入ると、ちょうど撤収作業が行われているところでした。

「やっちゃった...」

奇しくもあの曲のタイトルと同じセリフをつぶやいた僕に背後から声がかかります。

「あれ?ぢゅけもんさんじゃないですか!」

桃太郎映像出版のスタッフAさんでした。僕が時間配分を見誤って遅刻したことを話すと、奇跡が起きます。

「いま本人呼んでくるんで、待っててください!」

...えっ?まぎで??...

ほどなく、私服姿のひかるちゃんが現れ、急きょ僕一人だけのためのサイン会が開かれることになったのです!!

「遠いところまで来てくれてありがとね♡私服に着替えちゃったけど許してね!」

〈いや、むしろ逆にレアですやん。。かわええ...。〉

あまりに予想外の出来事に興奮していたこともあり、この日の会話はあまり覚えていません。スタッフさんと本人のホスピタリティにとにかく感動した僕は「すみません」「ありがとうございます」と何度も伝えていた気がします。

そして、結果的にはこれが僕とひかるちゃんの最後の交流となりました。


その後、ひかるちゃんは桃太郎映像出版から別のレーベルへと移籍しました。専属契約満了に伴う卒業だったのかもしれません。
当時の桃太郎映像出版はファンとの交流機会を積極的に作る方針・戦略だったのだと思います。別のレーベルに移籍してからのひかるちゃんは以前のようにファンの前に出てくることはなくなり、会ってお話しすることはできなくなってしまいました。

そして、数年後にはAV女優を引退。今どこで何をしているかは知りませんし、ネットを検索してもその後の情報は出てきません。

願わくば、どこかで幸せに暮らしてくれていたらいいな、と思います。

わずか1年足らずの出来事ではありましたが、あなたに夢中だったあの頃の思い出は僕にとって宝物です。

もしかしたらこのnoteが巡り巡って本人の元に届くかもしれない。。書いてるうちにそんな奇跡を少し信じてみたくなりました。笑


【余談】

シルクロードS、僕の本命はシャインガーネットです。

光る宝石。それすなわち、宝月ひかるですやん。
ガーネットは"一途な愛"を意味したりもするそうで。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?