ラスエボ の感想

はじめまして、今回デジモンアドベンチャー LAST EVOLUTION 絆 (ラスエボ)を見直したので感想を残しておこうと思います。

ラスエボが公開されたのはコロナが流行り始めた頃のことでした。デジモン tri.が残していった凄惨な体験から最初は見に行くことに対して戦々恐々とした想いを抱いていたことを覚えています。

tri.の時は5章で見るのを断念しており(6章はU-NEXTの配信サービスで視聴)、ラスエボにも正直期待はしていませんでした。これはtri.のこともあってというよりもラスエボ公開前に更新に不穏な流れがあったからです。またラスエボはtri.からの地続きの作品であり、更には今作の展開向けに用意したとしか考えられない後付け設定も出てきたのですからそりゃあまあ不安にもなりますよねって話です。

結果的にはすごく面白い作品でした。全部が全部 許容できるか?と聞かれたら素直に首を縦に振ることはできませんが、一つの映画として完成されているという点においてラスエボは間違いなく良作と呼べるデジモン映画でした。

デジモンアドベンチャーの映画のオマージュ要素を盛り込みながら市街地でのパロットモン戦。自分は間違いなくパロットモン戦が一番好きです。進化バンクもテンポが良かったですね。映画という短い尺の中で進化バンクを絞るのはかなり良いなと思いました。ただこれは人によっては評価が分かれるのかな? とも少し考えましたが、tri. 4章?あたりの尺稼ぎ進化ラッシュを見た後だとどちらが良いのかは一目瞭然でした。いや、あれは本当に酷かった、、、

少しだけ今回のゲストキャラであるメノアさんについて書きたいと思います。

前作 tri. のゲストキャラが軒並み酷い扱いだったのを見てきた上でメノアさんを見ていくとそれだけで感動でした。キャラの背景がしっかりあるのってこんなにも物語に深みを与えるんですね…。

あまりネタバレもなあ…とは思いましたがまあ一年も前な上にデジモン映画は基本的にデジモンファンにしか見る機会が無いと思うので普通に書きます。とはいえあまり書くのは得意じゃないので思いつく限りですが。

メノアさんは最初 突如出現した未知のデジモン エオスモンを追う研究者として太一たちの前に姿を現しました。メノアさんが登場する直前、現実世界では選ばれし子供達が次々と昏睡状態に陥ってしまう事件が頻発していました。その事件はエオスモンが起こしていることだと太一達はメノアさんから聞かされます。

エオスモンが持ち去った子供達の意識データを取り戻すために太一達はエオスモンの元ににデジモン達を送り込みます。この時のちっちゃいエオスモン可愛いくていいですよね…大好きです。

太一達は一度エオスモンを追い込むことに成功しますが、トラブルが起きてエオスモンを逃してしまいます。そのトラブルというのがこの作品においての賛否両論分かれるポイントなのですが、ここは後述することとします。

あまり物語の流れを書くのも正直アレなので、メノアさん自身の方に話を戻しますが、結論を言えばメノアさんも昔はパートナーデジモンを持っていました。メノアさんにとってパートナーデジモンであるモルフォモンは一番の親友であり、人間関係があまり上手くいっていなかったメノアさんを支えてくれていた大事な存在だったのです。しかし、ある日を境にメノアさんの元からモルフォモンがいなくなってしまう事態が起こります。これこそがこの作品の肝である後付け設定です。

なんでも子供がデジモンのパートナーとして選ばれるのは子供が沢山の可能性を持っているかららしいです。デジモンが進化を行えるのも可能性というエネルギーを糧にしているからみたいなことも語られていました。そして、それは大人になるにつれて徐々に減っていき、やがてはデジモンとのパートナーシップの解消に繋がってしまう。メノアさんもパートナーシップの解消によってモルフォモンを失ってしまったんですね。

この事件はメノアさんは心に深い影を落とす要因となりました。メノアさんはこの映画における黒幕ではありますが「悪」ではありません。行動そのものは自分の考えに他人を巻き込んだエゴに満ちた行いですが、それでも自分と同じパートナーを失う悲しみを味わって欲しくないというメノアさんの気持ちは分からなくはないです。

正直、大人になると可能性が狭まるとか。そもそも本作における大人の定義って? 大人だと駄目なら02の及川さんはどうなるの? パートナーシップの解消って具体的にどうなるんですか? 解消したらデジモンはデジタルワールドからも消えちゃうんですか? とかはまあツッコミたい部分は沢山あるんですが、メノアさん中心のお話として考えるとまあこの設定も仕方がないかと理解はできるので良しとします。(納得ができたかといえば微妙ですが)

そういう意味ではラスエボにおいて最も自分が好きなところはメノアさんというキャラクターなのかもしれません。

というわけでラスエボすごく面白かったですというお話です。

メノアさんの他にもボロボロになりながらも戦うオメガモンの格好良さだったり(見返してて思いましたが、ラスエボのオメガモンのグレイソードの角部分には黒い線がちゃんと入ってるんですね。確認しきれなかったけど、文字の方も直ってたりするのかな?)、工夫の凝らした戦闘シーンだったり、tri. の時には壊れていた太一の性格がしっかり直っていたりと上げればきりがないぐらい良い部分が多かったです。

欲を言えば絆の姿は太一とヤマトがアグモン ガブモンと一体化する感じの進化でも良かったんじゃないかなと思いました。人と長く寄り添ったから人型になったっていうのは少し疑問符が浮かぶので…。

空の扱いとか色々 残念だなってところも少しありますが、それを踏まえてもラスエボ良い作品でした。

久々に良質なデジモン映画をありがとうございました。

今度Blu-ray買います。

終わり。

誤字脱字あったらごめんなさい。



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