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「毎日同じものを 同じように作り 販売する」という 技術。

食料品コーナーやスーパーのお惣菜コーナーで、近年多く見かける「店内手づくり」の文字。購入される方も多いのではないでしょうか。

「マシンで自動生産」より、やっぱり美味しそうだし「優しさ」や「気持ち」が込められていそうで、つい手を伸ばしやすいです。

揚げ物や煮物、各種お弁当やサラダなど、頻繁に利用する「店内手づくり」の中でも、見た目が重要で作る工程の技術が高いのは『店内焼きたてパン』だと思うのです。

私自身、家でも頻繁に作ります。機械でねと1次発酵まで終了させる時もありますが、自ら最初の捏ねる作業から始めることもあります。
数えきれないほど作りましたが、食べられないほど失敗した訳ではないけれど、「よし!今日は完璧だ!」と思えたのは、両手で足りるくらいしか無いと思います。

とても繊細で、気を使う食べものだと思います。
膨らみ方やトッピングなどの見た目もとても大切。



そこで、「店内手づくりパン」です。

パンの最もスタンダードな工程をおさらいしますと

①材料の準備をします。
(パン作りの第一歩は、正確な計量から)
②材料を混ぜます。
牛乳や水を38度くらいに温めた中にドライイート、砂糖ひとつまみ…(省略)
③捏ねます
④捏ねのチェック  ◀︎コレ重要
⑤1次発酵
分割ぶんかつ
   →ベンチタイム(この工程は省くこともあります)
⑦成形(焼き上がりの形に整える)
⑧2次発酵(仕上げ発酵)
⑨オーブンで焼く
⑩チョコレートなどは冷めてからトッピングする
⑪袋詰め(省くこともあります)

簡単に項目だけ書き出しても⑪!
コレは凄い技術なのです!

お惣菜パンなどは、焼き上げる前に具材(ベーコンやハム、コーンやチーズ)を乗せることが多いです。更にそこにマヨネーズをかけて…。

「店内焼きたてパン」で仕事の経験がある方は、3〜5g以内の生地の分割の差や、成形時にくっつけたハズの生地が焼き上がったらピヨ〜ンと離れてしまって、ビックリした事があるのではないでしょうか。

チェーン店などの場合は、各店舗で「差」があってはならないので、通常、仕上がりの基準がとても厳しいものです。それをパートさんやバイトさんが毎日毎日作られているのです。
美味しく見えるように、お客様が手を伸ばして買ってくださる様に…。
勿論、社員さんも居られると思いますが、圧倒的に社員さん以外の人で作らなければ、あの値段では到底やっていかれないでしょう。


美味しそうに見えないものは売れない→全体の売り上げが落ちる→お客さんが減る→人員が減らされる→手の込んだ商品に手が回らなくなる→(最初に戻る)

こんなループに陥ったら、なかなか抜け出せないのです。

社員さんや管理職の方には、どうか職場環境を整えることを最重要課題にして欲しいと思います。
日々の膨大な仕事量を、女性特有の目に見えない優しさや思いやりに頼って こなすことの無いように…。


今後ますます需要が高まるであろう
「店内手づくり」の商品。
それを作っているパートさんやバイトさん。
毎日毎日、本当にありがとうございます。
今日も美味しくいただきます。