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みんなもできるよ!真空成形のトリセツ

こんにちは!今回は真空成形についてみなさんにご紹介したいと思います。


真空成形ってなに?

そもそも真空成形という言葉、あまり馴染みのない人が多いかと思います。
真空成形とは熱して柔らかくさせたプラスチックの板を変形したい型に押し当て空気を抜き真空状態にすることで吸着し形が取れるいう仕組みになっています。
身近なものでは卵のパックやコンビニのお弁当ケースに使われています🥚

ここで、真空成形を行う上での利点・欠点をご紹介します。

⭕️真空成形のメリット

・対応できる型の素材が多く安価で作成できる
凹凸どちらでも成形できる
部分的な形状変更が容易

✖️真空成形のデメリット

寸法や精度にばらつきが生じることがある
後加工(不要な部分のトリミング)が必ず必要
材料のロスが多い

大まかですがこのような特徴があります。

真空成形ってどんな風にやるの?

それでは真空成形の方法について説明していきます。

◎材料について

主に必要な材料と道具は以下の通りです。
【原型】
・原型となる熱に強い材料(今回はバルサ材を使います)
・型紙
・画用紙(型紙に貼り付けて切ります)
・カッターマット
・カッター or ハサミ

【成形時】
・作成した原型
・PET板(樹脂素材などの板状)
・加熱するヒーター(熱源)
・掃除機(吸引するもの)
・穴をたくさん開けた箱など
・樹脂を挟むための木枠

真空成形で押し当てる板というのは、熱可塑性のある樹脂素材が多いです。
PET(ポリエチレンテレフタラート)
ABS(ABS樹脂)
PC(ポリカーボネート)
PP(ポリプロピレン)
PE(ポリエチレン)
PVC(ポリ塩化ビニル)   などがあります。

熱可塑性(ねつかそせい):熱で、柔らかく形を変えやすい冷やすと再び固くなる性質のこと。合成樹脂やガラス、金属などに見られます。

変形に使う型素材は反対に熱に強い素材が適しています。
具体的には
ケミカルウッド
金属
石粉ねんど
石こう
樹脂       などがあります。

今回はPET板とバルサ材を使っていきます。
PET板はやわらかく、燃やした時に有毒なガスが出ません。
バルサ材は非常に軽くやわらかい木材素材で扱いやすいのが特徴です。

📝ミニメモ
ポリ塩化ビニルは燃やすと有毒なガスが発生してしまいます…

◎真空成形に適した形

真空成形を行う上で原型の形には注意が必要です⚠️

横から見た場合に垂直または上端が短い形でなければ型を外すことができません。
具体的に取り出せる形と取り出せない形をご紹介します。

また、下の図のように凹んだ形を成形したい場合、そのまま真空成形してしまうと
凹みの部分に空気が通らず、窪みがつきません。
そのため、穴を開けることで凹みの部分からも吸引することができ、くぼんだ形に成形することができます。

◎手順

それでは真空成形の手順について説明していきます。

ヒーター ♨️

このヒーターで熱していきます。
木枠にPET板を挟み、指で押してへこむくらい温めます。

友情出演:Rさん🌲

⚠️温めすぎるとPET板が白く変色してしまうため注意が必要です。

十分に熱したら穴が空いた箱に原型をのせ、すぐに上から木枠ごと被せていきます。そして掃除機のスイッチを急いで押します。

吸引ができたら木枠を持ち上げ、木枠からPET板と原型を取り外します。
(まだ熱いので注意!!)
これでしっかりと冷めるまで待ちます。

ペット板と原型

これで真空成形をすることができました。

原型を外しても形がしっかりと付いていますね◎

改善点
今回は側面部分がストンと下に落ちずになだらかなカーブになってしまったので、次回はなるべく垂直に形をつけたいと思います。

◎その他の補足情報

紙やすりの裏面には#のついた番号が書かれています。
これは目の粗さを表していて、数字が小さいほど粗目になります。
バルサ材などで原型を作る際に最初に#120でやすりがけしたとすると、
#240、#400と数字を大きくすると綺麗にやすりがけすることができますよ。

・プラスチックを塗装する場合はプラスチック用塗料で塗装しましょう。
また、プライマーを下塗りすることで塗料が密着するようになります。

説明は以上です。
みなさんも安全に気をつけて真空成形しましょう!🪵

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