ビクターザウィナーについて

高松宮記念には香港からただ1頭、ビクターザウィナー(騙馬・6歳)が参戦します。
海外馬ということもありデータが少ない為、こちらに情報を書き溜めていきます。

まず、当馬が主戦場としている沙田競馬場について触れておきます。
ここでは、洋芝が使われています。
日本でいう札幌競馬場または函館競馬場の芝に非常に近い感じです。

それでは、当馬の考察に入っていきます。
近走を見る限り、脚質は逃げ・先行型だと考えられます。
当馬の魅力として、ゲートセンスが非常に高いことが挙げられます。
また、デビューからレース間隔を詰めても堅実に走っていることも魅力なのではないでしょうか。

前走のGⅠセンテナリースプリントカップは、差し有利の展開ではありましたが、当馬は逃げ切り勝ちを収めています。
しかし、600m通過タイムが35秒4とかなり遅く、香港短距離界の強豪であるラッキースワイネス、ウェリントンらに先着してはいますが、実際は当馬に展開が向いていたことが分かります。
この35秒4というタイム、2023年函館スプリントステークスの33秒0、キーンランドカップの34秒3と比較してもかなり遅いです。(前者は開幕週で時計が出やすく、後者は重馬場開催だったこともあり、条件は完全には一致しないがそれでも遅い。ちなみに2022年キーンランドカップは良馬場開催で34秒5だったが、センテナリーズSCはそれと比較しても遅いのである。)

2走前のGⅡバウヒニアスプリントトロフィー(芝直1000m)は、内ラチ沿いを進んでハナを奪いましたが7着に敗戦しています。
500m通過が28秒9でゴールタイムが56秒8でした。前半と後半でそこまでペースは変わらず、2番手外目で構えたウィズキッド(騙馬・5歳)がそのまま抜け出しゴールをしていることから、当馬にも荒れた内を通ったとはいえ展開の利はあったはずでしょう。3走前の香港スプリントと間隔が空いていなかったとはいえ、先ほども説明したとおり、間隔を詰めてもしっかり走るのが当馬の強みですから、力負けだと考えられます。

3走前の香港スプリントでは、完璧にスタートを決めましたが、川田将雅騎手騎乗のジャスパークローネがハナを主張したこともあり2番手に控えています。その後、少し掛かっているような様子も見受けられます。
600m通過が33秒79、800m通過が45秒27、ゴールタイムが1分9秒75でした。
非常に前傾ラップとなっています。
勝ったラッキースワイネス(騙馬・当時5歳)は直線で進路が見当たらない中、非常に強い競馬をしましたが、先行馬が崩れる展開の中4着に粘った当馬も非常に強い内容であったと考えます。

4走前のGⅡジョッキークラブスプリントでは、ハナを主張し、ラッキースワイネスに差されはしましたが、そのまま2着に粘りました。
600m通過が34秒59、800m通過が45秒68、ゴールタイムが1分8秒42でした。
こちらも当馬に展開は向いており、評価できる内容ではないでしょう。

5走前のGⅡプレミアボウルでも抜群のスタートを決め、ハナに立ちましたが、最下位の5着に敗れてしまいました。
6走前までは好調だったのですが、このレースで崩れてしまいましたね。
600m通過が34秒40、800m通過が45秒27、ゴールタイムが1分8秒27でした。
4コーナーで一気に馬群が縮まってペースが速くなり、直線で使える脚が残っていなかったのが敗因だと考えられます。

上記5レースで共通して言えることは「当馬にはハイペースが向かない」ことでしょう。
雨予報となり、高松宮記念当日は重馬場での開催が想定されます。
テイエムスパーダなどハナに立ちたい馬はいくつか見受けられますが、もし当馬が内枠を引き、ハナに立ちやすくなるのであれば、買い目に入れておくといいのかもしれませんね。

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