"聖なる鹿殺し"

映画『聖なる鹿殺し』を観ました。

ファンタスティックビーストにも出ていたコリン・ファレルが主演をつとめていて、終始不穏な空気の漂う映画でした。

何となく、バーン！ドーン！な人死にの出るシーンもあるのかなと思っていたのですがそういうのではなく終始静かに、じわじわと、不気味に、嫌〜な感じに進んでいく映画でした。

主人公一家に復讐する少年マーティン役のバリー・コーガンの演技がもう、物凄く気味が悪くて！今後の活躍が気になる俳優だなぁと思いました。

ギリシャ神話、ギリシャ悲劇の『アウリスのイピネゲイア』を元にしている映画らしく、そっちを知っていたら更に楽しめたのかなぁと思ったり。

宗教が絡むタイプの映画は知識が無いと暗喩などに気付けないのが辛いですね。

個人的に、この映画はロバート・エガース監督作品『ウィッチ』に似た雰囲気の映画かもと思いました。薄暗い雰囲気、宗教モチーフ、家族間の愛憎…。

『ウィッチ』も凄い面白い映画です。かなりオススメ。『ウィッチ』はオチというか、だいたいこういう事なんだな〜と分かるように…現実的に作られているのですが、『聖なる鹿殺し』はちょっとふわっとしたとこがあるというか、不思議は不思議のままみたいな所があり…ん〜私の理解力不足なのだろうか。それともそこは大して重要ではないのだろうか。

観終わってからいくつか解説サイトを見て、なるほどなぁと思える部分があったりもして…神話どうこうはそこまで関係無い、と細かく解説してくれているこちらのサイト（ネタバレあり）がとても納得できる解釈でした。

【ネタバレあり】『聖なる鹿殺し』解説・考察：マーティンが突きつける革命と正義のフェアトレードとは？

これから観る方は観終わってから一読してみるといいかも！

サラッと見てワーッと楽しい！みたいな映画ではないので、考察したり考察読んだりするのが好きな人にオススメします。私も自分で見てチンプンカンプンでも後から考察読んでなるほどねぇ〜！！となるのが好きな人間なのでなかなか良かったです。俳優さんの演技や音楽、演出も良かった！

同じ監督の作品『ロブスター』も面白いとの事で、今度観てみたいなと思います。あと『ウィッチ』『聖なる鹿殺し』と並んで褒められてる『へレディタリー　継承』も！最近流行りのこの“嫌〜な感じ”なホラー系映画はまだ数見られてないので…あと品田さんも褒めてたし。

今日返却予定なので私はこれからデッドプール2とオーシャンズ8を観ます。

間に合うかなぁ……

※間に合いました。どちらも面白かったです。