マルチプレックスという技術について(基礎編)

はじめに 

 深夜に酔っ払った勢いのまま、マルチプレックスをテーマに記事を書いてやろうと決意したので、忘れないようにスマホの待受に「マルチの技術文書」とリマインドを表示するようにしたところ、完全にヤバい商法をやっている人になってしまいました。どうもこんにちは、うずです。

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 この記事の最終目標は、一人でも多くのジャグラーにマルチプレックスという技術の魅力を知ってもらい、その人が周りのジャグラーにマルチプレックスを勧めて、さらにその勧められた人が……を繰り返してもらうことです。おや?このリマインド、ひょっとして正しい?

 早速本題に入りたいのですがその前に注意事項(?)。この記事では、ボールがメイン道具ではない人でもマルチプレックスに親しめるよう、なるべく初歩の段階から解説していきます。また、煩雑なサイトスワップ表記をこねくり回すということはしません(というか僕ができません)ので、そんなこと知っとるわいという上級者の方は適宜読み飛ばしてください。

 さて、ボールジャグリングの文脈におけるマルチプレックスという技術とは、「一つの手から一度に複数個のボールを投げること」です。ジャグリングをやっている人ならば無意識レベルで取り入れている技術なのではないでしょうか。極論を言えば3ボールカスケードの投げはじめもマルチプレックスといえばマルチプレックスなので、全ジャグラーが使っているともいえるほどに普遍的な技術です。そんなマルチプレックスですが、単純なようで実は非常に有用で面白い技術だと僕は思っています。本記事ではマルチプレックスの良さを分かってもらうために、
①マルチプレックスの種類
②ボールの持ち方
③ボールの投げ方 
の3項目でマルチプレックスを解説していこうと思います。

1. マルチプレックスの種類

 マルチプレックスは大きく2種類に分類できます。一つ目は同時に投げたボールを左右別の手でキャッチする「セパレート」。二つ目は同時に投げたボールを全て左右どちらかの片手でキャッチする「スタック」です。(呼び方は僕が勝手につけたやつです。)

・セパレートを使った技

・スタックを使った技

 お判りいただけたでしょうか?上記の例はボール2個のマルチプレックスですが、3個以上になっても全てのマルチプレックスはセパレートとスタックに分けることができます。(ただしセパレートの場合、左右それぞれ何個ずつキャッチするかという違いは出てきます。)
 それでは、このマルチプレックスの2種類の投げ方を念頭に置いて、ボールの持ち方から説明していきます。

2. ボールの持ち方

 マルチプレックスを使いこなすために最も重要だといっても過言ではないのが、ボールの持ち方です。この節ではボール2,3個の時のボールの持ち方について解説します。

・ボール2個の場合
 2個で基本となる持ち方は「縦持ち」と「横持ち」の2種類です。これは写真を使って解説しよう思います。

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 これがボール2個の縦持ちです。一個目のボールは小指と薬指、手のひらで挟んでいます(写真A)。これを素直に投げると、1のボールが上、2のボールが下の位置関係で縦に並びます。

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 こちらがボール2個の横持ちです。各指の位置をしっかり意識して見てください。特に重要なのが、2個のボールの間に挟まれた位置にある人差し指です(写真C赤矢印)。

・ボール3個の場合
 3個の場合、基本の持ち方は1種類のみです。

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 1個目のボールは小指と手のひらで挟んでいます(写真A)。この持ち方は、ボール2個での縦持ちと横持ちの両方の性質を持っています。1、2のボールが縦持ち、2,3のボールが横持ちと似た挙動を示します(写真C)。

 以上がボール2,3個の場合の基本的な持ち方になります。もちろん上記の持ち方以外にも面白く、汎用性が高いボールの持ち方はたくさんありますが、それはまたいつかの機会に。

3. ボールの投げ方 

 ボール2個のマルチプレックスにおいて、縦持ち、横持ちそれぞれに何種類かのセパレートとスタックの投げ方があります。これは文章で書いてもなかなか伝わりづらいと思うので、解説動画を見てください。

 縦持ちの場合は、上下にボールを分けることができます。この時、手首を固定したまま投げるとボール間の距離はあまり広がらず、逆に手首のスナップを利かせて投げるとボール間の距離は広がります。個人的には、スタックの時は前者、セパレートの時は後者の投げ方を意識して投げると上手くいく&綺麗に見えるんじゃないかと思います。

 それでは次は横持ちマルチプレックスの投げ方です。こちらも解説動画をどうぞ。

 個人的には、この横持ちマルチプレックス(特にセパレート)を使いこなせると、かなりジャグリングの幅が広がるのではないかと思っています。前節で示した写真のように、2個のボールの間に置かれた人差し指がポイントです。この人差し指にボールをひっかけることで、ボールを左右に鋭く飛ばすことができます。飛ばさない方のボールはなるべくその場から動かないようにすると綺麗に見えると思います。また、横持ちのスタックというのも存在しています。2個のボールを同じ高さで投げて片手で同時にキャッチする、いわゆるニコイチという技術です。
 以上がボール2個のマルチプレックスにおける投げ方のバリエーションです。

 次にボール3個の投げ方についても軽く紹介しておこうと思います。前節でも軽く述べたように、ボール3個の基本的な持ち方は、2個の場合の縦持ち・横持ち両方の性質を持っています。
 まずは2個の縦持ちスタックのように、上下にボールを一直線に並べたい場合の投げ方です。

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 上の写真は3×3のスタック9マルチカスケードをやっている僕の写真(お気に入りのやつ)と、次に投げ出すボールの拡大写真です。この写真のように、投げ出す瞬間に親指で真ん中のボールを他のボール間に押し込むようにして移動させ、手の中でなるべくまっすぐになるようにしてから投げます。更に、投げ出す瞬間に再度軽く親指で真ん中のボールを押し、3個のボールの空中での形を調節すると綺麗にボールが上がってくれます。次に、2個の横持ちのように、ボールを左右に鋭く飛ばす投げ方についてです。最も重要なことは2個の場合と同様で、人差し指で飛ばしたいボールをひっかけることです。これも解説動画を参照ください。

 以上、簡単ですがマルチプレックスの投げ方の解説でした。

おわりに

 自分自身がボールジャグリングを練習してきた中で得た、マルチプレックスという技術に関することをつらつらと書かせていただきました。お世辞にも完璧に体系立てて組み立てられた文章とは呼べませんが、この記事を読んだ人が少しでもマルチプレックスという技術への理解を深めることができたなら、ひとまずの目標は達成です。
 今回はマルチプレックスの基礎的な部分を解説しましたが、もちろんマルチプレックスの奥深さはこんなものではありません。ボディスロー・ボディキャッチ、ストールといったその他の技術との親和性が高いことも、マルチプレックスの良いところです。(そのあたりについても今後文章にして残したいですね。)僕のInstagramのアカウントでは、そのようなマルチプレックスの特徴を活かした技を中心に、きまぐれに動画を投稿しています。興味を持った人は是非チェックしてください。


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