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自己分析と生き様


先日フォロワーさんとお茶をしながらお互いの好きな芸人さんについて話す中で「自分はどういうタイプのお笑いに惹かれがちなのか」という話題になった。

そこで結構腑に落ちる良い結論を導き出せて嬉しかったので、久々にnoteを更新してつらつら書き連ねてみる。

私は恐らく「その人達が芸人になる前から共有してきた『面白い』の感性が色濃く見えるネタをする人達」がずっと好きなのだろうと気付いた。




私が特に好きになる芸人さんの多くは学生時代から付き合いがあって、クラスや部活といった大人からしたら小さなコミュニティで育んできた思い出を持っている人達。

その中で得た「あの頃一緒にあんなことで笑った」という共通の感性を長年持っているのって、共にお笑いをするにあたってその人達にしか持てない物凄い強みだと思う。
そしてその感性がただの青春の思い出に留まらず、プロとして技術を磨いたネタの中で輝いている……それに気付いた時、私はその芸人さんに対して「追いかけたい!」という気持ちを抱くのだろう。

お笑いに限らず、私は作者の生き様や考えの道のりが滲み出た作品が大好き。

まんじゅう大帝国は大学時代の(しかも他校の)先輩後輩という間柄。「学生時代からの付き合い」という枠組みの中では浅めの関係性ではあるけれど、落語や野球などコンビ間で共通の趣味が多いおかげで「面白い」の感性をかなり深いレベルで共有している気がする。これは実に勝手な考察だけど、そう感じるようになってから彼らのことをますます好きになった。

こういう考察をするにあたって、ラジオの存在はめちゃくちゃありがたい。

ネタ以外の普通のお喋りを聴くことで、その人達の人となりを1段階深く知ることが出来る。それに学生時代からの付き合いのコンビだと、大体どこかで昔話が盛り上がる時がある。

その昔話の中からその人達のネタに通じる「面白さの価値観」みたいなものが垣間見えた時が、私は何よりも宝物だと感じる。
振り返ればかつてオードリーも三四郎も、ネタで興味を持った後にラジオを聴いて本格的に好きになっていた。


ラジオの存在を偉大に感じすぎているあまり、最近は色んな芸人さんのラジオを気軽に聴きにくい性格になってしまった。
私の中でラジオを定期的に聴く=その人達にどっぷりハマる覚悟、みたいな図式になっていて、このお笑いラジオ群雄割拠の時代に我ながらとっても難儀な性格。


そんな私が最近、ぎょねこのラジオを聴き始めた。Podcast時代のアーカイブから遡りつつ、現在stand.fmで更新されている最近の回も追って聴いている。

思えば2022年8月のブレナイで見た夏のホラー風なネタ(あまりに衝撃的過ぎて具体的な内容を一切思い出せないのが悔しい、いつかもう一度出会いたい)と同じ月のトッパレで見た「体育倉庫」のネタがかなり好きで、以来ずっと私の中で「見れたら嬉しい人達」という存在ではあった。

それから2年経った今年、ABCのファイナリストが発表された時にぎょねこが選ばれたのが何となく一番嬉しかったし、フラットな目で楽しむつもりだったナルゲキNEXT最強決定戦は何となくぎょねこを応援したい気持ちで見に行った。どちらもやはりめちゃくちゃ面白かった。
ABC決勝進出後に更新されたオジマさんのInstagramで綴られていたひたむきな感想と、最強決定戦の結果発表時に垣間見えた3人の「本気で勝ちに行く姿勢」が何となくずっと忘れられなかった。


「アイドル」のネタをやってた事にかけてMCの田中さんが「ぎょねこが優勝したら、パネルは吊るす?」って言って3人が大笑いしてるの、今振り返ったらあまりにも宝物みたいな光景だった



「何となく」が立て続けに発生して、こういうときめきは無視してはいけないという直感も働いて、久々に「この人達のラジオを一から聴いてみよう!」と決意した。


ラジオを聴き始めるやいなや、今まで見てきた彼らのコントから感じた面白さの根っこみたいなのがビシバシと伝わってきた。
とことんくだらなくて創意工夫に溢れた、脳みそを引っ掻き回され続けるような遊びの数々。
あんなものを小学生の頃からずっと一緒にやり続けていたら、そりゃあんな奇想天外なコントが生まれるわ!!
合点がいった。

「ぎょねこにとってのコント」が「おもちゃ箱」であることを、少し時間差で今実感しまくっている。これがめちゃくちゃ楽しい。

まんじゅう大帝国にも同じような気持ちをよく抱く。ラジ五郎で2人がおふざけ交じりに話していたことが後にネタの中で垣間見えたりすると、彼らの生き生きとした感性が漫才を通して表現されたのを実感できてワクワクする。

そういえばこういう感覚って、これまでずっと漫才師でばかり味わってきたような気がする。

私の場合コントは好きなネタであればあるほど「登場人物」に注目してしまうことが多くて、それを演じている芸人さん自身のことをネタを通じて感じ取ることが(漫才と比べると)あまり無かった。

そんな中、ぎょねこのコントはかなりダイレクトに「彼ら自身の脳みそ」を感じられる気がする。
まだ上手く言語化出来ないけど、この感覚を深く知る為に彼らのことをもっと見に行きたい。



だいぶ長い話になってしまったが、自分の中での「好きなお笑い」の軸を改めて実感出来たのが嬉しかったし、それを友達(私は仲良くなったフォロワーさんのことを自分の中で"友達"とさせて頂いている)との語らいの中で気付けたのも嬉しかった。



私も私の生き様に胸を張れるように、今後も自分の琴線に触れたことは臆することなく言葉にしていきたい。

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