25歳、反抗期うっすら到来
反抗期が生まれて今までこなかったことを密かに誇りに思っている自分がいた。
親を大きく傷つけていないことは喜ばしいことなのだと思っていた。
ただ反抗期の到来が遅れただけとはつゆ知らず。
今日、親戚から一通のメールが届いた。
「おばあちゃんが犬の散歩をしていて骨折しました。今入院中です。」
サアッと体から血の気が引いたのを感じた。
おばあちゃんは最近目に見えて衰えを感じていたし、記憶力も低下していた。
身の回りのことを自分でできなくなっていて、施設に入ったほうが良いだろうと言っていた。
入院するほどの骨折をしてしまったと聞いて嫌でも悪いことが頭をよぎった。
おばあちゃんの携帯にかけてみると運よく電話に出てくれた。
「痛いよう。元気は無くなってしまったよう。でも心配しないでと家族に伝えておいてねえ。」
いつもよりずっと弱々しい声で伝えらた。
家族ラインにそのことを送ると
しばらく経って母から返信が来た。
「これで病院で介護をしてもらえる。」
よかったね、と聞こえてきた気がして流石に腹が立った。
違う意図なのかもしれない。
母が持っている20年間の被害者意識と祖母をその被害者に勘定して「こうなるべきだったのだ」と言わんばかりの態度に見えて腹が立った。
祖母の状態を知らないのに自分の憶測で正しさを判断していいんだろうか?
正しさ、正義感という幻想を追っているだけで現実に目を向けていないのではないか。
もしかしたらよっぽど現実を見ているかもしれない母に対して無性に腹が立った。
というか心配するだけとかいう最も意味のない偽善者を演じているのは自分なのだということもわかっている。
母は現実を見ていたからこそ本当の解決策が現れたことに安堵したのだと思う。
電話がかかってきても「ちょっと疲れているから」と早々に切った。
既知の情報を長い間聞かされることにもうんざりだ!!と思うと同時に
これが、、、反抗期、、、、?
と手で口元を覆った。