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竜とそばかすの姫、Belleすずの歌が良すぎて涙が止まらない。

前略 久武忍さま

しのぶくん、あなたが見せる周りに流されることなく、
すずに寄り添い、見守り続けている姿勢に心奪われました。

学校ではスポーツ万能で、クールな二枚目。
同性からするといけ好かないイヤなヤツだけど、
カッコ良過ぎんだよ、しのぶくん。

君たちの年ごろと言えば、
いっぱい遊びたいし、異性とも仲良くしたい。
君くらいのビジュアルと雰囲気があれば、
絶対にモテる。
モテ捲る、はず。

そんな君が、お母さんを失ったすずのことを、
6歳のころからずっと見守り続けている。
「続けている」ことに、すごく胸を打たれた。

知らない子どもを助けるために、
大好きなお母さんは川に飛び込み、
自分の目の前で命を失った。

そんな辛すぎる現実を背負った鈴のことを、
ずーーーっと見守り続けているしのぶくんは、
最高にいい奴だ。

幼なじみを想う、
一人の女性として思う、
鈴に対するあなたの真っ直ぐな姿勢が大好きです。
ラストのしのぶくんの告白、最高すぎです。

「ひとりじゃない」という強さを知る

もうひとつの現実。もうひとりの自分。
もう、ひとりじゃない。

この映画で細田監督が伝えたかったであろうメッセージ。

「U」という仮想現実と現実の世界を行き来する映画。
現実では、地味でイケてない高校生のすずが、
仮想の世界でスターになる、
そんな単純なストーリであるはずない。

すずが抱えたバックグランドや
幼いことから背負い続けているすずに
寄り添い、優しく見守り続ける合唱団のおばちゃんたち。
そして、幼なじみのしのぶくんや親友のヒロちゃん…

登場するみんなが、温かくて、優しくて、
自分の人生を生きようともがくすずを、
ただただ、応援し、見守り続ける。

「ひとりじゃない」という強さを、
それを何度も何度も感じられて、
スクリーンに向かって、声援を送り続けていた。

そこは、仮想でも、現実の世界も関係のない、
「個」の存在を認め、尊重する「心の世界」のような
気がする。

「U」でBelle(すず)が竜に向けて歌い、
Belleを観に集まったアズたちもいっしょに歌う。
竜を救うために歌声を響かせたあのシーンでは、
感情が崩壊して、涙ぐっしょりになってしまった。

https://twitter.com/studio_chizu/status/1427874204225925123?s=20


もうすぐそこの「未来」を観ている気分

映画を観てしばらくして、改めて考えてみた。
「U」という仮想現実では、自分と同期されたアズが存在する。
そして、隠れた能力を引っ張り出して、新しいキャラとして、
「U」で存在し続ける。

【参考】
<U>ユー
この世の知性を司る5人の賢者「Voices」によって創造された究極の仮想世界。
全世界で登録アカウント50億人を突破してなお拡大を続ける史上最大のインターネット空間。ボディシェアリング機能を有しており、<U>の世界ではその人の隠された能力を無理やり引っ張り出すことができる。
<As>アズ
“もうひとりの自分”と呼ばれる、<U>における自分の分身。スキャンした生体情報から自動生成が行われ、デバイスが常時本人の生体情報と連動している。
Asを2つ所持することは不可能。


映画の世界のようで、
いや、これってもう来てるんじゃないか?
とリアルを感じさせられる。
細田監督の頭の中って、どうなってんだろう。

現実と離れたとんでもない世界の話しなんかではなくて、
「優しさ」と「応援」、「守る」ということが、
何回も何回も繰り返し、感じさせられた。

ネットの世界が拡大し続けたとしても、
この現実世界に存在しているのは、私。
多様な人や生きものが存在する世界の中で
お互いに存在を認め、「優しさ」と「応援」、「守る」、
その心を持って、生きてきたい。

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