見出し画像

あらためて、ACT-Xをご紹介します

図2

「さきがけ」よりも更に若手の研究者向けのファンディングプログラム「ACT-X」をご存じですか。

2019年に発足したACT-Xは、2022年3月にはじめての卒業生を輩出します。
2021年度時点で5つの研究領域が進行し、運営の形や成果が見えてきたこの事業を、あらためてご紹介します。


ACT-Xとは

ACT-Xは、戦略的創造研究推進事業の中でも、もっとも若手の研究者を発掘して育成することを目指したプログラムです。

いろいろな研究分野において高い見識と専門知識をもつ大先輩研究者の助言・指導のもと、大学院生を含む若手研究者たちが、自分の独創的・挑戦的なアイデアにもとづいた研究を進めます。そして、他の若手研究者とのネットワークも形成しながら、独立した研究者としての成長していくことを目指していきます。


応募要件と採択後の支援

ACT-Xは個人型研究で、研究領域ごとに3年間で3回、研究開始年の4月1日時点で博士の学位取得後8年未満の個人研究者を公募し、1回あたり最大30件程度の提案を採択します。研究期間は2.5年間で、研究費は1課題あたり数百万円程度(直接経費)です。さらなる飛躍が期待される課題については、加速フェーズとしてさらに1年間、数百万程度の追加支援があります。

図1

また、ACT-X研究者に出産のようなライフイベントが発生した場合に研究を中断、延長ができる仕組みや研究期間の途中でもさきがけ等に応募することもできる仕組みもあります。

ACT-Xは大学院生も応募可能です。選考や採択は他の提案と同じ枠組みで行いますが、採択された場合、在籍機関に必要な規定が整備されていること等を条件に、研究費に加えて自身のリサーチアシスタント(RA)経費を追加支援することができます。


綿密さと幅広さ

ACT-Xは、JSTが研究者に研究費を配分するだけではありません。
ACT-Xの特徴の一つは研究総括や領域アドバイザーによるきめ細やかなアドバイス・指導です。ACT-Xでは、その分野のトップ研究者である領域アドバイザーがメンターとして配置されます。ACT-X研究者は、研究総括・領域アドバイザーの研究室訪問(サイトビジット)の際などに様々なアドバイスが受けられます。

ACT-X研究者からは、自身のキャリアのことなど、研究以外のことについても相談されることがありますが、研究総括や領域アドバイザーは親身になって対応してくださっています。

画像2

研究者のネットワーク形成という点にも特徴があります。
CRESTやさきがけの研究領域は1つの戦略目標の下に設定されていますが、ACT-Xでは複数の戦略目標の下に設定されており、非常に幅広いものになっています。1つの研究領域に、研究者が普段参加する学会では出会えないような異分野の研究者がたくさんいます。

そういった研究者が年に1,2回集まる領域会議の場で、ACT-X研究者は研究進捗状況を発表し、議論します。このような交流を通して、研究者同士の強い横のネットワークが形成されます。


戦略的創造研究支援事業の中では、最も研究費の規模は小さく研究期間も短い制度ですが、ACT-Xで形成される研究者ネットワークは研究期間が終わった後もずっと続きます。

将来、ACT-Xを実施した研究者が、ACT-Xでの経験や形成された研究者ネットワークを生かして研究を発展させ、CREST等で大きな研究成果を創出してくれることを期待しています。



具体的にどのような研究領域が運営されているか、どのような研究者が採択されているか等は、ACT-Xのウェブサイトをご覧ください。
https://www.jst.go.jp/kisoken/act-x/index.html





この記事が参加している募集

自己紹介