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Alice 「You Are Mine」

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「You Are Mine」/ Alice (20.7.30)

1. POKERFACE feat. ID
2. MINGO feat. TOM CROZAKI
3. Y.Y.Y
4. Without you
5. Good Bitches
6. マグネット

 2020年7月にデビュー10周年を迎えた女性R&BシンガーAliceのNEW EP。ソニーミュージックレコードを離れ新たな道を歩みだした彼女の1作目となる今作は彼女のルーツであるR&Bからトロピカルハウス、HIPHOPライクなトラックなど彼女の多様性を堪能できる1枚となっている。

(全曲レビュー)


1. POKERFACE feat.ID
 テレビ朝日「フリースタイルダンジョン」3代目モンスターであったバイリンガルラッパーIDを迎えた楽曲。ゴージャスなトラックに感情をパワフルに開放したALICEの歌声、フロウを耳にしただけでリリックにおけるチャラい男性像を想像させるほどのIDの音に対する嗅覚が存分に発揮され、とにかく2人の相性の良さが際立っている。

2. MINGO feat.TOM CROZAKI
 昨年リリースされたトロピカルアンセム。客演にはこの手のトラックはお手の物のTOM CROZAKI。Tik Tokでもお馴染みのこの曲はライブでもたびたび披露されており客席を巻き込む定番チューン。

3. Y.Y.Y
  彼女がデビューした2000年台後半から2010年前半を彷彿とさせる竹本健一製トラックに官能的なリリックを艶っぽいウィスパーボイスで彩るR&Bミッド。
 The 歌姫的な見た目とは裏腹に奥床しい女性ストーリーにもハマってしまう歌声が存分に活かされている。

4. Without You
  R&Bフリーク的今作ハイライト。Naoki製SLOW JAM。序盤からフェイクこねくり回しまくり。迫力満点の仕上がり。歌上手すぎ。フェイクの引き出し多すぎ。シンプルなトラックでここまで演出できる歌唱力と共に彼女の持つ音楽性やルーツを伺うことができる。10周年という節目にリリースされたということもあり、新たな名刺代わりになる1曲と勝手ながら期待。

5.Good Bitches
 打って変わってこちらはアーティストAliceとしてのアティチュードや過去の恋愛などをリリックに盛り込んだ刺激的な1曲。歌詞を詰め込んだ譜割りやサウンド面ではYmagikの手癖丸出しなので彼のリスナーもチェックすべき。

6. マグネット
 本作を締めくくるのは友情を磁力に喩え歌うポップチューン。
 トラックはBCDMG MONBEE。攻めた楽曲群の中ではゆるーく聴けるもんでEPをうまく調和してくれる。


 前作「Fruits sundae」発表から2ヶ月という驚愕の製作スピードで発売された今作は彼女のデビューからの10周年を象徴する幅の取り方だったと感じた。メジャー時代での活動を捨て去ることなく糧にし、進化を続ける彼女。
 デビューシングルの「イチバンボシ」と聴き比べることで彼女の辿ってきた道や抱える葛藤が昇華され迎えた10周年であることが解釈できる。これまでよりもブラックミュージックの匂いが強く特にM3、M4はJ-R&B好きには垂涎ものなので是非。




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