傾向をアップデート!斎藤誠厩舎【厩舎topic 2021年10月-2】

【一口馬主向け】調教師(厩舎)分析のご愛顧、誠にありがとうございます。おかげさまで多くのみなさまに読んでいただいております。有料記事も続々購入いただき読んでいただいています。ありがとうございます。(無料記事を読んでいただくだけでも記事作成した甲斐を感じるので嬉しいです。ありがとうございます。)

「厩舎topic」と題して週末のJRA開催を厩舎にフォーカスして振り返りをしていきたいと思います。よろしくお願いします。

では、いつも通りで注目したレースから見ていきます。

10/16(土)
東京 府中牝馬ステークス(G2、芝千八)優勝シャドウディーヴァ(斎藤誠厩舎)
(優勝馬の関係者のみなさま、今回の優勝おめでとうございます!)

斎藤誠厩舎が2017年阪急杯以来のJRA重賞優勝を飾りました。今回の府中牝馬S優勝のシャドウディーヴァは強いレースでしたし、G1(エリザベス女王杯?)でのパフォーマンスも楽しみです。

この斎藤誠厩舎、クラブ馬募集もある厩舎ですし今回で改めて傾向確認をしていきたいと思います。題して「傾向をアップデート!斎藤誠厩舎」です。


今回の府中牝馬S優勝は、斎藤誠厩舎のこれまでの傾向を踏襲している部分と、変化している部分があると筆者は感じています。
では早速、具体的な中身に入っていきましょう!


【これまでを踏襲】非根幹距離で注目!

斎藤誠厩舎は芝非根幹距離での実績が豊富です。

サンプル数多い特別戦実績を事例で出してみます。
特別戦(重賞を除く、2017~2020年の4年分)で芝特別戦35勝です。なかでも芝特別戦勝ちの距離で注目したいのが、芝千四(7勝)・芝千八(9勝)・芝二二(2勝)といわゆる非根幹距離で勝数が多いことです。
芝重賞もここまで計9勝(今回の府中牝馬Sを含む)で、うち3勝が芝千八(非根幹距離)です。

「斎藤誠厩舎は芝非根幹距離に注目」、
府中牝馬S優勝もこれまでの傾向を踏襲しています。


【傾向変化①】米国血統なしで初重賞制覇!

今回のシャドウディーヴァより前の斎藤誠厩舎JRA重賞優勝馬の血統傾向をまとめたものが以下です。

・サンツェッペリン…母父オジジアンが米国産
・ゴスホークケン…自身が米国産
・クリスマス…2代母ターミナルフラワーが米国産
・ヌーヴォレコルト…母父スピニングワールド&2代母ファーガーズプロスペクトが米国産
・フラアンジェリコ…母父ジャッジアンジェルーチが米国産
・トーキングドラム…2代母アンスチュアートが米国産

これまでの斎藤誠厩舎のJRA重賞優勝馬はもれなく米国血統を保持している共通点があり、筆者は米国血脈保持馬が斎藤誠厩舎募集馬であれば出資検討時に加点材料にしたいと考えていました。

この血統傾向を今回のシャドウディーヴァは覆してきました。

シャドウディーヴァ
父ハーツクライ(日本産)
母ダイヤモンドディーバ(英国産)
母父Dansili(英国産)
2代母Vivianna(生産地不明ですがフランスで1勝)
https://db.netkeiba.com/horse/ped/2016104791/

上記のようにシャドウディーヴァは「日本産×英国産」の構成でして、米国カラーはかなり薄いです。
シャドウディーヴァの重賞優勝は斎藤誠厩舎の進化を感じますし、私たち一口馬主側も見方を更新していく必要があるのだと感じます。
※ハーツクライの父サンデーサイレンスが米国産ですが、サンデーサイレンスを米国血統に含めてしまうと多くの馬が米国血統保持になってしまうためサンデーサイレンスは除いて考えています。


【傾向変化②】全体成績と重賞優勝の相関が崩れる!

直近10年で斎藤誠厩舎が重賞を勝った年に共通している点がありまして、それは年間の芝勝数とダート勝数を比較して「芝勝数>ダート勝数」となっている点です。簡単に言いますと、厩舎全体として芝勝数が多い時期に重賞も突き抜けているという傾向です。
そして今回の府中牝馬S優勝でこの傾向も覆してきました。

2013年 芝11勝:ダ9勝(芝>ダート)…函館2歳S優勝
2014年 芝15勝:ダ6勝(芝>ダート)…オークス・ローズS優勝
2015年 芝22勝:ダ12勝(芝>ダート)…中山記念・京成杯AH優勝
2017年 芝30勝:ダ9勝(芝>ダート)…阪急杯優勝
2018年 芝11勝:ダ13勝(ダート>芝)…重賞勝ちなし
2019年 芝18勝:ダ20勝(ダート>芝)…重賞勝ちなし
2020年 芝10勝:ダ17勝(ダート>芝)…重賞勝ちなし
2021年 芝8勝:ダ16勝(ダート>芝)…府中牝馬S優勝(※2021年は10/17終了時点まで)

2021年は12月末まで残り期間がありますので最終的に芝ダートの勝数傾向がどう着地するかはわかりませんが、今のペースでいけば「ダート>芝」でいく可能性が高そうです。

今回の府中牝馬S優勝はこのあたりの相関も覆してきていることがわかります。

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今回はあえて変化している部分を強調して書いてきました。実は、僅か2か月前の8月(今年2021年)にアップした以下記事に書いた内容からの更新内容もあります。

このように、短期間であっても変化するのが競馬であり、厩舎であると筆者も実感しています。
競馬は絶え間なく(少しずつ)変化しており、厩舎もそれに合わせて変化やアジャストしているのだと思いますし、私たちも変化・アジャストしていくことが求められるのだと思います。こういうことに気づきを与えてくれたシャドウディーヴァの素晴らしいパフォーマンスに感謝です♪


今回はここまでです。最後まで読んでくださりありがとうございました!
良い調教師(厩舎)とのご縁、みなさまの愛馬の成績向上、次世代産駒での良縁があることを願っています!

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