開業時戦力分析(嘉藤貴行厩舎)

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上記記事のつづきということで、ここからは2022年新規開業の各厩舎の戦力分析を個別に見ていきたいと思います。この記事では「嘉藤貴行厩舎」を取り上げます。(上記記事のつづきになっていますので、お手数ですが上記記事を一読よろしくお願いします。蛯名厩舎など他新規開業厩舎の記事のリンクも貼ります。)

新規開業厩舎を、「開業時戦力分析」「預託関係(馬主・生産牧場とのライン)」「当面の注目点」というテーマで一口馬主的視点も交えて深掘りしていきます。

では本編へ進めていきましょう。
最初に嘉藤貴行厩舎を含めた新規開業厩舎の戦力分布表を再掲します。

20220307‗カトウ厩舎


嘉藤貴行厩舎の開業時戦力分析
・戦力分析の前に馬房数「12馬房」であることを改めて覚えておきたいです。
何回か書いていますが、既存の一般的な厩舎は「20馬房」ですので、嘉藤貴行厩舎の12馬房は一般的な馬房数よりもかなり少ない設定であることがわかります。馬房数が少なければ厩舎リーディングなどに並ぶ成績(勝数や収得賞金)は低くなって当然ですので、馬房数を加味したうえで成績は見ていきたいところです。
・12馬房は厩舎リーディングでは不利だと思いますが、一方でミニマムスタートできるというメリットもあるのではないかと筆者は推測しています。規模が小さければ目が届きやすいですし、少人数である分チームづくりもやりやすい可能性もあると思います。70歳定年時期を考えても長期戦略で厩舎づくりをできるはずですし、ぜひミニマムスタートを利点にする厩舎運営に期待です。

・続いて戦力分析です。開業時から28頭、馬房数の2.3倍の登録数(預託数)となっています。馬房数は12馬房で小規模ですが、2.5倍上限枠を考えると上限数に近いところまで登録枠を活用していることがわかります。
・2.3倍の登録数は潤沢な頭数だと思いますし、外厩への放牧を織り交ぜながら常に馬房が埋まることが予想されます。預託料収入が安定しそうな登録数だと思いますし、厩舎経営的視点では良い材料だと思います。
・一方、登録上限枠(馬房数×2.5倍)を考えると、すでに比較的多い登録数という見方もできると思います。早速、馬房割り当てなどで調整が求められそうで馬房回転率などが直近の課題になってくる可能性もあると思います。

・厩舎生え抜き世代となる2歳馬(2020年産)世代についてです。2.5倍上限枠を考えると残り枠が多いとは言えない現状です。このため、2歳馬世代をどのように登録マネジメントをしていくのかにも注目でしょう。特に(後述しますが)2歳戦で攻勢をかける馬主からの預託馬も見られますし、2歳馬世代の登録進捗に筆者は興味を持っています。

嘉藤貴行厩舎の預託関係(馬主・生産牧場とのライン)
・続いては預託関係についてです。注目はやはりミルファーム(ミルF)でしょうか。

(馬主ミルF預託馬)
エシェロン(嘉藤師が騎手引退前に騎乗経験あり)
ナナコロビヤオキ
ハジメテノチュウ

師の騎手時代(嘉藤騎手時代)と言えばミルFの勝負服のイメージが強いので、その師が調教師となってミルFとどのような馬づくりに挑戦していくのかは(一口馬主とは関係ないですが)興味があるところです。

さらに、ミルFと言えば2歳夏の新潟開催で攻勢をかけてくるイメージがある馬主です。2歳馬世代でミルFからの預託予定があるのかわかりませんが、さきほど申し上げた2歳馬世代登録マネジメントにも関わってくる部分でどういう形で今年(2022年)夏の2歳戦を迎えるのか楽しみです。

・他では社台ファーム(社台F)からの預託に注目しています。社台F生産馬の預託は現時点で2頭なので目立つ頭数ではないのですが、少し気にしておきたい部分があります。

(社台F生産馬の預託馬)
ブルームスベリー(西村厩舎からの転厩)
ダイワセントライト(菊沢厩舎からの転厩)

2頭とも非引退厩舎からの転厩なので、生産者サイドなのか馬主サイドなのかはわかりませんが、何らかの意図を持った転厩と読み取ることもできそうです。(ブルームスベリーが社台TC所属ですが、筆者は社台TC非会員で経緯がわかりませんので推測で書いています。)
一口馬主的視点でもすぐにどうという話ではないですが、ちょっと気になるので覚えておきたいという感じです。

嘉藤貴行厩舎の当面の注目点
・嘉藤師の騎手時代に、騎手評価の記事で「嘉藤騎手は営業熱心」という内容を読んだことを覚えています。仕事をしていると感じますが、営業活動をマメにできるのは十分な優位性になると思いますし、社長業的側面もある調教師こそ営業力も活きると思います。

・今年(2022年)の新規開業厩舎で唯一、技術調教師期間がなかったのが嘉藤貴行師です。2021年12月に調教師試験合格発表→2022年3月開業と準備期間が短かったビハインドはあると思いますが、騎手時代の所属先田中清厩舎からの引き継ぎも多いようですしうまく厩舎を軌道に乗せてほしいと思います。
https://p.nikkansports.com/goku-uma/news/article.zpl?topic_id=1&year=2022&month=03&day=07&id=202203070000294

・1981年生まれの嘉藤師はかなり若い調教師です。美浦ですと武井師・和田勇師・宮田師(いずれも1980年生まれ)とほぼ同年代で、調教師の年齢別で見ると断然若い方のグルーピングです。再三申し上げていますが、70歳定年時期まで時間的猶予もたっぷりありますので、私たち一口馬主側も中長期的視点で見ていきたい厩舎です。一口馬主的にも今後の出資チャンスは多くある厩舎(募集がされればですが)ですし焦らずに嘉藤貴行厩舎の向かっていく方向を見ていきたいです。

今回はここまでです。最後まで読んでくださりありがとうございました!
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