桜花賞への出走数が多い厩舎(2024年版)~国枝厩舎引退後の桜花賞出走厩舎を考える~

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今回は「桜花賞への出走数が多い厩舎(2024年版)~国枝厩舎引退後の桜花賞出走厩舎を考える~」です。

厩舎の最新の傾向を知るために、今年を含む直近5年での桜花賞への出走数が多い厩舎を調べるものです。最新の厩舎傾向(今回で言えば3歳牝馬路線に強い厩舎)を知り、次世代での出資戦略の参考になればという考え方です。
あえてですが、5年前より前データは思いきって入れないようにしています。厩舎にも浮き沈みや取引先変化(生産牧場やオーナーなど)もあるので、「今年を含む直近5年」で区切って最新の傾向を把握するという見方をしています。

仮の話ですが、牝馬の高素質募集馬への出資検討をする際に、今回の「桜花賞への出走数が多い厩舎」が預託予定であれば積極的に出資検討していくようなイメージで活用いただければ幸いです。

では本題に入っていきましょう。


桜花賞への出走数が多い厩舎

まずは今年を含む直近5年の出走厩舎一覧です。

続いて、上記一覧を纏め、直近5年で計3頭以上出走させている厩舎のみを抽出したものが以下です。

(当シリーズ記事で毎回のように書いていますが)上記で登場している厩舎はすべて注目すべき厩舎という認識で良いと思います。具体的に言えば、出資馬で桜花賞を目標にするのであれば上記厩舎からまずは検討していきたいという感じです。
もちろん、「目標=優勝」になると思いますが、そのためにもまずは出走枠に入ることが大切で、桜花賞出走枠に入れることに長けているのが上記厩舎という見方です。

国枝厩舎引退後の桜花賞出走厩舎を考える

ただし、注意したいのは国枝厩舎の存在です。
国枝厩舎は(みなさまもご存知のとおり)定年引退時期が近くなっていまして、桜花賞に出走できるのは来年(2025年)がラストとなります。(2022年産での桜花賞がラスト)
つまり、今年メイン募集世代となる2023年産世代の桜花賞(2026年)には、国枝厩舎からの出走馬はいないわけです。
別な見方をすれば、ここまで国枝厩舎が確保してきた桜花賞出走枠が他厩舎に開放されることになり、他の厩舎(特に関東厩舎)には桜花賞出走のチャンスが拡大することにつながると思います。

であれば、私たち一口馬主としては、このチャンスを掴むのがどの厩舎になりそうなのか?という視点を持ちつつ、2023年産のメス馬募集馬に向き合っていきたいところだと思います。

未来のことですので、このチャンスを掴む厩舎がどの厩舎になるのかは予想が難しいところではありますが、国枝厩舎と共に出走馬を送り出してきた生産牧場はヒントになるのではないかと思います。

(国枝厩舎 直近5年の桜花賞出走馬の生産牧場)
ノーザンF…3頭(サトノレイナス、アカイトリノムスメ、ステレンボッシュ)
社台F…1頭(マジックキャッスル)
千代田牧場…1頭(サークルオブライフ)

国枝厩舎は(残念ながら)定年引退となってしまいますが、上記で登場する生産牧場(ノーザンF・社台F・千代田牧場)は生産活動を継続しています。
そこで、今回の記事では、国枝厩舎と共に直近5年の桜花賞に出走させてきた生産牧場を起点にしつつ、今後の桜花賞出走枠を掴んでいきそうな厩舎を予想していきたいと思います。また、チャンスを掴む厩舎は順当に行けば(国枝厩舎と同じ)関東厩舎となると思いますので、今回は関東厩舎に絞って、桜花賞出走馬増加がありそうな厩舎をピックアップしたいと思います。

では、筆者の予想による(今後の)桜花賞出走馬増加がありそうな関東厩舎を一緒に見ていきましょう。

候補1(木村哲也厩舎)

木村厩舎はさきほどのランキングにも入っているように、直近5年で3頭を桜花賞に出走させている「桜花賞常連厩舎」の一角にすでに入っている厩舎です。
そして、直近5年の木村厩舎からの桜花賞出走馬の生産牧場を確認すると、国枝厩舎から開放される枠をさらに掴んでいく雰囲気も感じます。

(木村厩舎 直近5年の桜花賞出走馬)
2021年 ファインルージュ(生産ノーザンF
2022年 プレサージュリフト(生産ノーザンF
2024年 チェルヴィニア(生産ノーザンF

上記のとおりで、木村厩舎からの直近5年桜花賞への出走馬はすべてノーザンF生産馬です。
「ノーザンF×国枝厩舎」で占められていた桜花賞出走枠(の一部)が、今後は「ノーザンF×木村厩舎」に移行する可能性はかなり高そうで引き続き「ノーザンF×木村厩舎(のメス馬)」には注目だと思います。

木村厩舎の桜花賞出走馬について余談を入れると、桜花賞への道筋の多彩さも加点ポイントだと思います。

(木村厩舎 桜花賞出走馬のローテ)
ファインルージュ(フェアリーS優勝→桜花賞
プレサージュリフト(クイーンC優勝→桜花賞
チェルヴィニア(アルテミスS優勝→桜花賞

3頭がまったく異なる路線を経て桜花賞に出走していることがわかります。桜花賞出走までの引き出しが複数あるような実績でして、このような引き出しの豊富さは厩舎としても強みなのではないかと感じます。
あと、桜花賞出走の3頭が、桜花賞出走前に重賞を勝ち切っている点も重視したいです。一口馬主としては、重賞を勝つことも目標のひとつだと思いますし、桜花賞出走だけでなく重賞タイトルを獲得できる厩舎という意味でも加点材料だと思います。

候補2(高柳瑞樹厩舎)

2022年桜花賞優勝馬スターズオンアースを輩出した高柳瑞厩舎も候補の一角だと思います。その高柳瑞厩舎も直近5年の桜花賞出走馬の生産牧場を確認してみましょう。

(高柳瑞厩舎 直近5年の桜花賞出走馬)
2020年 ケープコッド(生産ダーレー・ジャパンF
2021年 ホウオウイクセル(生産レイクヴィラF
2022年 スターズオンアース(生産社台F

高柳瑞厩舎は異なる3つの生産牧場とのチームで桜花賞出走を成し得ています
このような実績があることから、多くの生産牧場でチャンスがありそうな雰囲気を感じますし、クラブ馬についても多くのクラブでチャンスがありそうで多くの一口馬主プレイヤーが注目したい厩舎に入ると思います。

(実は)高柳瑞厩舎は取引しているクラブ数が比較的多い厩舎だと思っています。
現3歳(2021年産)だけで見ても、東京HR・社台RH・広尾R・ロードHC・ノルマンディーTR・シルクR・サンデーR・グリーンF・キャロットFとの預託取引を確認できます。2022年産では、当記事作成時点で東京HR・社台RH・広尾R・ヒダカBU・シルクR・キャロットFからの預託予定を確認できます。これだけ取引しているクラブ数がありますので、かなり多くの一口馬主プレイヤーにとって関与する可能性の高い厩舎でもあると思います。ゆえに、継続的に定期的に目を離さずに見ていくとよい厩舎なのだと思います。

そして、当記事の本題の部分については、レイクヴィラF生産馬(大枠で見ればノーザンFのグループ)と社台F生産馬での桜花賞出走歴があり、国枝厩舎が担ってきた出走枠を引き継ぐ可能性を感じる厩舎だと思います。特に「社台F×高柳瑞厩舎(のメス馬)」はスターズオンアースという成功事例があるだけに2023年産でも注目だと思います。

候補3(黒岩陽一厩舎)

今年の桜花賞に有力馬アスコリピチェーノを送り出す黒岩厩舎も注目厩舎の一角だと思います。
その黒岩厩舎、さきほどの高柳瑞厩舎と似たような感じで社台F生産馬&ノーザンF生産馬での桜花賞出走歴を持っている点が強調材料です。

(黒岩厩舎 直近5年の桜花賞出走馬)
2022年 ラブリイユアアイズ(生産社台F
2024年 アスコリピチェーノ(生産ノーザンF

黒岩厩舎は(桜花賞だけでなく)足下での厩舎全体の勢いも目覚ましく、厩舎の収得賞金を確認すると、2020年(2.4億円)→2021年(3.4億円)→2022年(4.6億円)→2023年(5.5億円)という綺麗な右肩上がりの推移で、2021年(3.4億円)に記録したキャリアハイを3年連続で更新するブレイク期に突入しています。
また、4年単位での特別戦勝数比較が以下のとおりです。

(黒岩厩舎の特別戦勝数)
2016年~2019年の4年間:特別戦8勝(勝率.052)
2020年~2023年の4年間特別戦19勝(勝率.127)

上記のとおりで4年単位での比較をすると黒岩厩舎の足下での躍進を感じ取ることができます。
今の黒岩厩舎の躍進が続くなら、国枝厩舎から開放される桜花賞出走枠を掴む可能性も大いにありそうで、「社台F×黒岩厩舎(のメス馬)」「ノーザンF×黒岩厩舎(のメス馬)」には注目だと思います。

候補4(林徹厩舎)

最後に挙げたいのが、期待値込みの条件付きで林厩舎です。
林厩舎についても現段階では「ノーザンF生産牝馬限定」という感じにはなりますが、ノーザンF生産牝馬での桜花賞出走歴を実際に確認できますので引き続き勢力拡大なるか注目だと思います。

(林厩舎 直近5年の桜花賞出走馬)
2021年 ソングライン(生産ノーザンF
2022年 ラズベリームース(生産ノーザンF

上記のように「ノーザンF×林厩舎(のメス馬)」はすでに複数の桜花賞出走実績があります。また、現3歳世代のミアネーロ(生産ノーザンF)がフラワーCを優勝しているように、足下での「ノーザンF×林厩舎(のメス馬)」の勢いも感じ取ることができます。このような流れにあるので林厩舎が桜花賞出走常連厩舎の一角に食い込んでくる期待を持てると思います。

一方で林厩舎には以下のように、桜花賞開催競馬場である阪神での実績がないというデータも確認することができます。

(林厩舎 重賞勝ち・特別戦勝ちの競馬場分布)
重賞通算8勝…東京(4勝)・福島(3勝)・中山(1勝)
特別戦通算17勝…中山(6勝)・東京(5勝)・新潟(3勝)・中京(2勝)・福島(1勝)
※当記事作成時点までの重賞・特別戦成績

少し補足しますと、林厩舎は今年(2024年)がまだキャリア7年目でして、阪神競馬場の攻略はこれからというフェーズなのだと思います。このため、(逆に見れば)ノビシロがあると言うこともでき、期待値込みで「ノーザンF×林厩舎(のメス馬)」は見ていきたいです。


今回は、桜花賞での存在感がとても大きい国枝厩舎引退後を見据えたテーマで、桜花賞に関連する関東厩舎の未来予想図を考えてきました。

未来のことですので、この未来予想が当たるかどうかはわからないですし、的中確率は高いとは言えないと思います。
しかし、「計画(Plan)は役に立たないが、計画作り(Planning)は役に立つ(元アメリカ大統領アイゼンハワー氏)」という言葉もあります。

2023年産の牝馬募集馬、特に関東募集馬を検討するのであれば、国枝厩舎引退後を見据えた関東厩舎の勢力図を考えていく必要があると思います。その最初に一歩、議論の起点に当記事がなれば嬉しいです。

以上です!
みなさまにとっても楽しい桜花賞デーになることを願っています♪

今回はここまでです。最後まで読んでくださりありがとうございました!
良い調教師(厩舎)とのご縁、みなさまの愛馬の成績向上、次世代産駒での良縁があることを願っています!

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