母性本能② 強く優しい強大な敵
こんにちは。
前回に続き「母性本能」について書かせてもらいます。
前回は一部母性本能の凄さを書かせていただきました。
母性本能により超人化した母親は、赤ちゃんに対するスピードと感度が格段に上がるという話です。
勿論赤ちゃんにとってはそれが一番安心できるでしょう。
ただ、私からするとよい面ばかりではありません。私から見て悪い面も沢山あるのです。
端的に言うと『うちの妻をいじめるな(怒)』という事です。
■ 母性本能 VS 夫
いきなりですが、私は妻の母性本能を敵視しています。
藪から棒にいきなり何を、と思うかと思いますが、私から見ると母性本能さんは妻をノイローゼに追い込むほど働かせるブラック上司みたいなものだからです。
勿論子供に対して必要なものではありますが、際限なくあふれ出た母性本能は妻の心身を確実に蝕んでいっています。
妻は私にとって一番大事な存在です。実の親よりも、実の子供よりもです。
親には互いにパートナーがいますし、子供(J君)はいつか結婚して旅立っていくでしょう。
でも私には妻しかいません。なので、妻の心身が一番大切です。
この母性本能なるものは、妻の体を限界まで動かし、ありとあらゆる方向から精神攻撃を仕掛けてきました。
母性本能をパワハラとして訴えたいのですが、実体が無いので自分たちで何とかするしかありません。
■ 不眠を美徳とする厄介な上司
働き方改革が進み、徐々に残業時間が短くなってきた昨今の日本社会。ブラックで有名だった会社も「残業は〇〇時間になる様に調整」という良いニュースが聞こえるようになってきました。
今のご時世、超高収入の場合を除いて、上司が「昼休みを削って働け」「寝ないで働け」なんて言葉を言おうものなら、たちまちSNSが大炎上しニュースとして取り上げられるかもしれません。
ただ、子育てにおいては世間も何も知らん顔。母親たちが自分の時間を削り、寝ないで赤ちゃんに奉仕し続けても誰も何も言いません。
深夜3時にオフィスの明かりがついていたら「あの会社はブラックだ」という噂が立つでしょうが、深夜3時に授乳していても「あの赤ちゃんはブラックだ」とはなりません。
■ 逃げが許されない育児
妻は営業会社の総務で働き、残業や付き合いの飲み会なども含めて結構ハードに働いておりましたが、その妻がげっそりするほど子育ては大変です。
以前寝ている時は私のいびきが気になって「眠れない!」なんて文句も言われましたが、今は私のいびきに気付かないらしいです。
にも拘わらず赤ちゃんのかすかな変化で目が覚める・・・寝ている間も脳は休まっていないんじゃないかと思います。
仕事と育児では「大変さのベクトルが違う」なんて事が言われますが、多くの場面において、大変さは育児が上回っていると思います。
何故なら仕事については辛かったら配置換えや転職をする、もしくは暫く休んでみるという逃げの一手があるものの、育児にそんな選択肢はありません。
特に赤ちゃんの時は、育児をお休みしたら育児放棄と言われますしね。
母性本能は「撤退スル者ハ、母親二非ズ」なんて言葉を発している訳です。昭和の団塊世代を突っ切って旧日本軍ばりの厳しさです。
実際妻も必要以上に「自分には母親としての自覚が足りない」だとか「やっていける自信が無い」だとか言い始めています。十二分によくやっているのに・・・
■ 育児スイッチを切り爆睡スイッチを押せ
どんなに眠くてもどんなに疲れていても、赤ちゃんに何か不安な面があるとすぐに飛び起きてお世話をし始める妻を見て、「これはまずい」と思いました。
私がおむつ替えをしている時でも、常に赤ちゃんの方を注視しているか、スマホで赤ちゃんの情報を調べているのです。
「仕事はスイッチのオンオフが大事だ」なんて言いますが、母親が育児スイッチをオフにする事は至難の技なのではないかと思います。
パートナーとして出来ることは、兎にも角にも妻と子供の距離を離す事です。
同じ空間にいる限り、育児スイッチがオフになる事は無いだろうと考えていますので。
考案したのは『部屋チェンジ&爆睡ルーティン』です。
まず赤ちゃんのいる部屋とは別の場所で寝てもらう、というのは大前提になると思います。
これは元々我が家でもやっていました。ただ、それだけでは不十分でした。
何せ部屋を隔てても、些細な赤ちゃんの声で妻は飛び起きてしまうのです。赤ちゃんの声には貫通力があるらしく、壁を突っ切って母性本能を呼び起こします。
これに対抗するには爆睡させる為のルーティンを生み出す必要がありました。
我が家で言うと
1.お風呂に入って体をほぐす
2.悲鳴を上げるまで足つぼを揉む
3.栄養の多い鍋物を食べてもらう
4.別室に移動して体を温めてもらう
5.LINE通話でつまらない本を朗読する
という5ステップを爆睡ルーティンにしています。つまらない本は本当にとどめで、『イタリアの政治は思いがけない方向に展開していく。キリスト教民主党による一党支配が崩れて云々かんぬん・・・』と読み上げれば5分程度で爆睡してもらえます。
赤ちゃんが夜中に泣き声を上げても、6時間以上は起きる事はありません。
妻も大好評です。足つぼだけは多少技術が必要ですが、代わりに肩もみとかでも大丈夫だと思います。
■ さいごに
敵を母性本能、守るべきを妻の心身の健康、手段は育児スイッチを切る事、としたことで対策方針が分かりやすくなり、今のところは上手く行っています。
この他にも一人で外出してもらったりはしています。この投稿を書いている今も少し離れたショッピングモールへ行って買い物中です。
最近は私への信用度も上がってきたのか、3時間4時間と外出の時間が長くなってきました。(最初は1時間もせずにすっ飛んで帰って来たものですが・・・)
出産前に心配だった育児ノイローゼを回避しつつ健康に子育てが出来ています。(それでも相当辛そうな場面は多々ありますが)
このやり方は今も実験&改良中ですが、上手く行けば後輩のパパママにも展開できるようになるんじゃないかと思います。
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