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銘柄探し:レーザーテック

注目した理由

最近、売買高上位にしょっちゅう表れる人気銘柄だから。

会社の立ち位置

産業のコメである半導体製造装置の製造。特に先端半導体向けマスク欠陥検査装置。半導体製造過程ごとに製造装置も多様だが、この会社は「検査」。世界的にはアメリカのKLAやテラダイン、日本でもアドバンストの方が売上高自体は圧倒的に上位。しかし、EUV露光対応フォトマスク検査装置で世界一強。

チャート

2019年中頃から米国株のような美しい右肩上がりで、2022年1月に36090円で上場来高値をつけたのち、最近は20000円台前半をうろうろ。

月足

業績

特に2019年からの伸びが著しい。10期連続増収であり、5年平均成長率は約50%という破格の成長ぶり。8割は海外向けで、米33%、韓26%、台湾21%で、国内向けは11%。特に、米国のデカップリングもあってか、米国の需要は3年連続上昇、台湾も高水準を維持。

売上高

株価指標

PER:40.1倍(高値平均100.3~安値平均38.6)

 PERは高い数値となっているが、過去3年で見るとむしろ最低水準。グローバルニッチトップの期待がわかる。

ROE:40.1%

 10年前は10%台だったが、2018年以降急激に伸ばし、最近3年は概ね40%以上を維持。この水準は、他の半導体製造装置メーカーと比較しても高水準(東京エレクトロンやアドバンテストでも約30%)。

自己資本比率:40.2%

 一方、自己資本比率は業界他企業に比して低め。60%を超えている会社が多い。ROEが高いのも、これが一因か。

売上高営業利益率:33.7%(予)

 極めて高水準だが、世界的な技術力を持つが故か。2014年以降、ずっと20%以上であり、2022年は40%を超えた。

配当利回り:0.81%(配当性向35%)

 典型的な成長企業の配当率の低さだが、地味に9期連続増配中。意外と配当性向高い。

その他気になること

 大株主に内山姓が2つ並ぶ。創業者が内山康氏(故)ということなので、創業家が影響力を持っているということか。創業家並みの3.1%を保有する前田せつ子氏とは、何者なのか…。外国人保有比率は31.4%。

感想

 半導体関連企業は、時代の要請で急成長している企業が多く魅力的だが、この分野は機関投資家の情報収集網に個人投資家が太刀打ちできないので、ギャンブル的要素が大きい。特にレーザーテックはβ値が2.0であり、値動きの激しい半導体企業の中でも特に大きい値動きをしている。また、半導体の製造工程の知識が無いと、本当には理解できないので、本当に投資しようと思ったら、結構ハードルは高いと思う。加えて、半導体製造に関する技術は国家レベルで投資が行われており、技術の趨勢が早いため、グローバルニッチトップが維持できるか、個人的には疑問を持っている。
 企業として極めて優良であり、財務上も問題ないと思われるが、手を出すには業界知識と趨勢がわからないとギャンブルになりそう。難しい。成長を信じるとしても、損切りは徹底する必要がある。

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