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大航海時代到来…(小倉編)
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前回のStyleを出すようになる数年前…
黒崎がまだヤングでイケイケの頃…東京を出て旅打ちをしてた時代があります。そう、東京という井戸の中から飛び出して世の中の麻雀とはどんなもんなのか…いや、めっちゃ上からやけどね、当時は蔵馬の天狗もびっくりするくらいに自信満々でした 笑
麻雀はたまに負けるけど、ほぼ負けることなく…(今とは大違い…)
学歴は早稲田大学(中退ですが…)
モデル事務所に所属して、あの「パールハーバー」という映画に出ないかと言われたくらい(もちろんエキストラだし、ほぼ名前だけの所属)
それはもう飛ぶ鳥を落とす勢いでした(1羽も落とせてない)
まぁくだらん自虐ネタはともかく、東京を出ようと思ったわけです。基本的に向う見ずな性格で思い立ったら即行動な黒崎は誰にも何も言わず、手ぶらでそのまま新幹線に乗り込みます。まぁアホですね 笑
目指したのは九州です。博多くらいのビッグシティなら雀荘なんていくらでもありそうだし、適当に女の子と知り合って寝泊まりするところも確保できるだろう…と、考えてました。
新幹線の中で長旅になるのでのんびりしながら、富士山すげーとか思いながら眠りにつきましたわ
終点が博多なのに、何を勘違いしたか電車のベルに焦って間違えて飛び起きて慌てて降りたんですよ…
「小倉」でした…自由席の切符やったし、まぁ次の新幹線を待っても良かったのですがついでだし!と思った黒崎は何の情報もないのに小倉で降りることにしたんですわな…
当時、小倉には「さかえ」「さん」がありました。どちらもとても流行っていたんですが、小倉の在来線沿いに「リーチくん」(名前はうる覚えであいまいですが…)という看板を見つけた黒崎は
「こういう場末の方が人情味あっていいかも!」
と、「名前もかわいいし優しそう」と、そう思ってその扉を開けてしまいます。
開けてびっくり玉手箱…とはこのことかと思いました…
店内は3卓くらい立ってましたが…どう見てもヤクザ屋さんしかいません、そんなかわいいもんではない…まさに「極道」の溜まり場のようでした…
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滅多に新規は来ないのでしょうな…みんな一斉にこちらを見るではないですか…その時、黒崎はいつも黒のスーツを着ていて、黒のTシャツを着ていました。
ヘアスタイルも氷室京介みたいでした…見るからにヤンチャな兄ちゃんです…
そのせいか、皆さんは見ると言うより、睨む感じでしたね…
いやぁ、さすがにビビりまくりですよ…小倉の方々は当時から武闘派集団でしたからね、東京でヤンチャして、怖いお兄さんにもかなり耐性があるとはいえ、それくらいでは軽く爪楊枝一本でやられてしまいます。
サッと身をひるがえして、そのまま扉を閉めて出ようと思った時…
「兄さん、せっかく来たんだから遊んで行きなよ」(めちゃくちゃ笑顔)
で、卓内の紳士風の男が言いました
「マスター、ルール説明しあげて」と…
めちゃくちゃイカついマスターにこちらにどうぞ、と促されマチ席へ…いや、断れます?無理でしょ…
そしてルール説明が始まるんですが…
聞いてびっくり玉手箱…はい、2つ目の玉手箱が開きました…なんと、3人打ちだったんですね 泣
東天紅しかしたことない黒崎は驚きました、どの卓も4人座っていたんでね、3人打ちの4人回しってのを知らなかったんですよね
「いや、四人打ちしかしたことなくて…」
「大丈夫だ、そんなに変わらんから」
のやり取りがありましたが、もう打たずに帰れません…仕方なく打つことに…
レート?それは聞いてはいけませんよ、ノーレートで打つような方々なわけないでしょ…謎にカード精算でしたが預りは5万だったような記憶があります。それで察してください…
案内されたのはラッキーなことに先程の紳士がいる卓でした…地獄に仏とはこのことか!と思ったその矢先…
紳士が優しい笑顔で話しかけてくれます…
「お客人は関東のひとかい?」
え?「お客人」?そんな単語…漫画でしか聞いたことないんですけど…黒崎は慌ててその人の両手の指を確認します(もちろん視認)、いや、全部あるんですよ…その人はね…その人はですが…
緊張なのか恐怖なのか、まさに死にものぐるいで打ちながらも、持ち前の接客スキルを発揮することで卓内を笑いを取りまくります…麻雀の方も、なんていうか皆さんがあまり達者でなかった…いや、ツイてなかったので勝ちました…そろそろ潮時かと思っていたら…
紳士の元にスーツの、これまたイカつい男が近づいてきて耳元で
「カシラ、そろそろ…」
か、かしら?それってあの偉いひと?ほんとにそう呼ぶんだと驚きながらも平静を装います。
すると紳士はこう言います(うる覚えですが)
「いやぁ、今日は楽しかったよ」
「兄さん、また明日の昼過ぎに来てな」
え、いや、あの…もう来ないつもりなんですが…
「はい、分かりました」
笑顔で返事しました…断れません、怖くて…マジで怖いと思ったのは人生で2人です、そのうちのひとりになりました。
まぁでもこのまま博多に行ってしまえばいいかと思ってはいたんですよね
ところが、マスター(マジでデカイ)が…
「あんなに気に入られるなんて珍しい、飯いこうや」
って言われます…断れません…
そのまま、黒崎は飯に連れてかれ…小倉の夜の街(主にスナック)に連れ回され…お酒もたくさん飲まされ…気づけばホテルの部屋も用意されて…いや、して頂いて…
こうして、小倉の日々は過ぎていくのでした……
今回も最後まで読んで頂きありがとうございます😊
これ、実話です(当たり前やけど)
ただ、記憶があいまいなところもあるし、小倉弁というか、方言の方は覚えてないので標準語にしてあります。
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