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5人(3)

 その後、五人は、体の一部で植物を栽培することに挑戦した。一人目は、鼻の穴に脱脂綿を詰め、その脱脂綿で朝顔の種を発芽させようとした。何日も芽が出てこないので、いつも鼻血を出しているように見える。ところがだ、発芽してみると、かわいい双葉がいい感じである。二人目は、陰茎と玉袋をガムテープで巻いて閉じ、その間で、やはり、朝顔を発芽させた。双葉から蔓になって陰茎と袋に巻き付いていく。三人目は、頭の毛をアフロヘアーにして、かいわれ大根の種を数百個蒔く。一斉に芽が出ると、頭が三倍くらい大きくなったように見える。ライオン丸とも言えるだろう。デブは、肛門で青首大根を育てた。しかし、ずっと入れておくことはできない。せっかくの大根が腐ってしまうし、脱糞もできない。うんこの太さ程度、肛門にちょうどいい大きさになるまで土中で育て、腐らない程度の時間、肛門に入れて肥やしをくれてやり、また土中に戻す。これを繰り返す。どこまで大きくなるかが見物だった。しかし、切れ痔がひどくなったので途中でやめてしまった。人参ならよかったかもしれない。ストリッパーは、膣で蓮根である。膣に収まる程度の大きさで、体温でも腐らない熱帯種が選ばれた。これも、水中と膣とを繰り返す。やがて、にょきにょきと茎が伸びていった。そのうち、蕾ができてきた。皆、わくわくしてきた。咲く瞬間を見るため、全員が三日間一睡もしなかった。そして、ついに、咲いた。その瞬間、ぽんという音がした。それから、その花は、水盆に移され、大切に育てられるようになったとさ。めでたしめでたし。
 とは、いかなかった。それまで、栽培してきた、かいわれ大根と青首大根は食され、蓮根も食べる予定になっていたからである。かいわれ大根は、マヨネーズやおよねーずをかけながら食べた。それから、しばらく、五人は、何かいいことがあると、おら、ほんどにはっぴぃ、と歌った。

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