どうでもいいこと

私の友人には、変わった人がいます。
どうでもいいことに、本気で怒るんです。
しかも、その怒りを警察官にぶつけるんです。
ある日、彼は、交番に行って、実直そのものの警察官に、こう言いました。
「なんで、脇毛とかちん毛は生えてるんですか！　何か、意味があるんですか！　おかしいでしょ、こんなもん、必要ないと思いませんか」
まじめを絵に描いたような警官は、うーん、と、うながりながら、まじめに考えていたそうです。
彼は、続けて、こう言いました。
「こんな無駄なもん、剃りますよ、ちょっと、トイレ貸してください、全部、剃りますから」
警官は、えっ、えっ、えっ、と戸惑いながら、ええ、と承諾したそうです。
彼は、脇毛とちん毛を剃り終えました。
縮れた毛はボリュームがあり、こんもりと手にのっています。
彼は、頬を染めながら、警官に言ました。
「でもね、つるつるだと、なんか恥ずかしい」