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おしっこ

おしっこを、し終わる寸前の身震い選手権という企画があった。勝負の判定基準の第一は、その震えが、心から気持ちよさそうかどうか。第二に、演技なしで、どこまで大きく身震いするか。第三に、終わったあと、自然なためいきが出るかどうか。また、予想外の動きも評価の対象にした。一人目は、ぷるっぷるっと残りの尿を絞り出すように身震いしている。二人目は、尿意をかなり我慢してきたのであろう、安心しきったように、ふぁぁぁぁ、という声を吐いた。それは、見ているものをも安心させた。三人目の、ぶるっと肩を震わせる動きには、その人の個性が表れていた。極めつけは、べろんべろんに酔って、小便をしながら、うしろに倒れた男だ。仰向けになった男の陰茎の先から、ちょぼちょぼと尿が出続けていた。その尿道口には、どこか投げやりな哀感が漂っていた。

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