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模試の費用対効果(コスパ)をよくするために何をしたらいいのか?元SAPIX講師/室長がズバリ解説する 模試のトリセツ 第14弾!後編


 結局、模試の費用対効果(コスパ)をよくするために何をしたらいいのか?
 
点数も偏差値も志望校判定もすべて悪い。
でも、それってホントの実力の結果なの?
本当に、ホントに、ほんと?
もう一度やってみた?
自分の実力を超えた見たこともない、どう転んでも出来ない問題ってどれくらい出たの?そんなにたくさん出た?
そんな難問だらけの模試なんて駿台模試かサピックスオープンか開成とか東大とかのタイトル模試くらいで、全国統一テストや首都圏模試センターやW模擬やV模擬レベルじゃそんな難問出ないよ。そのレベルの模試で躓くのは基本がまだしっかりしていないからだよ。まずそこからだね。
ほとんどの模試は受験生が自滅(ケアレスミスや基礎問題の練習不足)して点を落としてるんだよ。

そんな自滅した問題が何点分あった?どうあがいても出来ない問題、何点分あった?
 で、どうあがいても出来ない問題は仕方ないよ。今回は諦めるとして、今後の自分への課題とすればいい。
 
問題はそれ以外の自滅した問題が何点分あったか?だね。
 そう、出来てても良かった問題。
 
ケアレスミス。覚えてた。知ってた。理解してた。解けてた。うろ覚え、試験中、頭から出て来なかった。ハプニング。度忘れ。勘違い。間違って覚えてた。誤解してた。途中式で間違えてた。写し間違え。部分点だけ。みんなが出来る正答率の高い基礎問題。
 
これって、実力?
 
ケアレスミスも、度忘れも、それを含めて実力のうちって言う人もいる。
 
僕はそうは思はない。
 
バツになった問題は2つの種類がある。僕はそれを分けて考えることにしてる。一つは、まったく歯が立たない問題(難易度が高過ぎる)や予想外の問題(習ってない、見たことがない)だ。もう一つは、出来てていい問題だ。結果はどちらもバツだけど、この二つを一緒にしたくない。でも結局、点が悪けりゃ同じじゃん。実力がないのと同じこと!とは言いたくない。だって性質が全く違うから。これは模試。結果がすべてじゃない。次がある。だったら現実にはバツになった問題でも、マルになる可能性がある問題はその人がこれまで積み上げてきた努力の証。実力を1回の模試でバツになったからって実力がないとは言いたくない。だってその人の勉強、全否定でしょ。受験本番はそんな甘いことは言ってられないのは当然。でもこれは模試。実力がないのなら問題見て数秒で降参のはず。惜しいと思う問題は実力ゼロではないんだよ。足りないものがあることは確かだけど。出来るようになる可能性はあるよ。
 
 
現実点と実力点
ホントに出来ない問題だけを満点から引いた点数を出して、それを実力点とするのはどうだろう。実際に取った点を現実点としてさ。実力点と現実点。現実点は現実点として反省して、そのあと、ケアレスミスとか出来ててよかった問題とかの点を現実点に足して実力点を出してみてごらん。
 
A満点-現時点で無理な問題=実力点
B現実点+取れていい問題=実力点

 
実力点を出す計算はAでもBでもどっちでもOK
 
さあ、最近の模試を引っ張り出してきて~
 
実力点、出してみて。
 
どー?
現実点よりはるかにいい点になったでしょ。
 
点が上がれば、偏差値も上がるし、志望校判定も一気に変わる。偏差値だって50が60になり、志望校判定だってE判定からB判定にだって変わる。その結果こそが、キミの近未来の実力だと思う。ミスさえ抑えればそのくらいの結果が得られるんだ。不可能なことじゃない。夢物語じゃないんだ。次の模試でこれが現実になることは可能だ。すぐ実現する。実力がない人は実力点が現実点とあまり変わらないからすぐ実現出来ない。でも現実点より実力点がアップした人は次回チャンス大だよ。だからこの実力点はキミの実力なんだ。
 
 
模試のあと、僕は自分の時もだけど、生徒の可能性がどれくらいあるのか実力点を出して、今の自分の実力(本当は出来ていい問題)と不足してる力(どうやったって今の自分じゃ出来ない問題)を点数化(視覚化)するんだ。それを出すことで、僕はそこまでバカじゃないんだ(笑)。結構イケるかも。それどころか、相当出来るんじゃ?自分に期待していい?と根拠のある自信が湧いてくる(根拠のない自信はNG)。だって、実力点なら偏差値や志望校判定が爆上がりして、合格圏内に入るんだから。
 
問題は、難問題より、基礎問題やミスだ。超難関校を目指す人で常に偏差値60以上を取ってる人は別として、そのほとんどの受験生は基礎問題の理解と演習、ミスを減らすことが最優先作業、そして意識の変革(難問ばかりに目が行きがちなのを基礎に向ける)。この作業と意識の変革で得点、偏差値は格段に上がるんだ。これらを教えてくれるのが、模擬試験なんだ。
 
 
 
まとめると、
 
模試を申し込む→試験会場に行く→模試を受ける→結果が届く→送られてきたテストデータや答案、解説を見る→解き直す、問題を分析する→次回の目標を立てる
 
この一般的な模試の流れに、
 
実力点を出す作業をプラスすると、
 
費用対効果(コスパ)⤴+自信⤴=次回の模試⤴
 
 
どー?元取れるでしょ(笑)。

模試の取り扱いを間違えると、模試代をドブに捨て、悪い結果によって自信を失い、受験までのモチベーションが保てないまま本番を迎えることになるよ。

努力してきた受験生へ
模試を受けたら、結果に関わらず、ポジティブになる作業(実力点を出す)をして次の自分に期待してほしい。
 
 
 
 
ここまで読んでいただいて、ありがとうございました。お疲れ様でした。

ということで、次回「正直アオイ塾(アオイnote)vol.15は、『模試のトリセツ』特別編」です。
 


では、次回も「正直アオイ塾(アオイnote)」をよろしくお願いします。
 
                                     
                                                                                                                                     アオイナオ
 

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