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家族で受け継がれる命のバトン 母5日目夫0日目

私の朝はいつも5時に始まる。
起きてすぐに、カフェオレをいれる。
カフェオレを飲みながらしばしの自分タイムを楽しむ。
そして、ヨガをする。
それから朝ご飯をつくり子どもたちを学校に送り出す。

でも、コロナに罹患してからは、私の朝は5時になんか始まらない。
7時だ。パジャマ姿で、でていくランドセル姿の息子たちを見送り、布団へもどる。8時ころ家事を片付けた夫が出勤する。
「いってらっしゃーい」と布団から声をかけ、ニヤリと笑う。

イエーイ!
誰もいない!さて、何しよ??
「お米をといどいて」と夫に言われたので、お米だけとぎ、パソコン片手に再びベッドへ。
最高の休日だ。
コロナの症状は1日目38度前後の発熱、2日目微熱、3日目鼻水、4日目痰がからむ程度で終わり、今はもうほとんど元気だ。
体は健康なのに、家事もなし仕事もなし予定もなしで、自然と笑みがこぼれる。最高に幸せだ。こんなに最高な生活があと2日もある。笑いがとまらない。
本を読んだり、ドラマをみたり、ダラダラして最高の一日を過ごした。

午後3時。
夫から電話だ。
なぜか、嫌な予感がする。
おそるおそる電話にでると、
「寒気がする、なんか熱がある気がする」と。
「いやいやいやいや、そんなことないよ。大丈夫勘違いだよ!!!」
と激しく励ます。そんなわけない。
夫がコロナになるなんて、そんなわけない。
じゃないと、私の夢の国が終わってしまう!!!!

そんな私の励ましもむなしく、
しんどそうな夫が帰宅。
抗原検査キットで確かめてみる。
結果は、「陽性」。

ウィルスの命のバトンは確実につながっている。
長男から私、私から夫へと。第1波、第2波、そして只今第3波。
形勢は逆転した。
私の家庭内カーストは最下位におちた。
しんどそうな夫と生き生きしている(していた)私。
同じコロナでも、家事をどちらが担当するかは明白。私だ。

こんな、終わり方ってある?
シンデレラのようだ。1晩かぎりの恋(私は4晩あったけども)。
もしくは、楽しみにしていた沖縄旅行に台風が直撃するかんじ。
または、流行りなところで例えると、コスタリカ戦でゴールを決められた時の日本のようだ。

しんどそうに肩をまるめながら布団にはいる夫の表情に、ニヤリとした笑みがうかんだのを私は見逃さなかった。

このコロナウィルス罹患日記に終止符がうたれることを強くのぞむ。
どうか、次男だけはリレーに参加させないで…!

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