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甘えん坊の雄ヤギ ふくちゃんと吉田のハッピーヤギライフ

兵庫県吉川町に暮らす吉田さん。
急斜面の除草が大変なので、ヤギに食べてもらえたらとヤギ除草を開始。
しかし、自分で除草する方が早い、きれい、確実という結果に。。。
だけど、今や「ふくちゃん」はかけがえのないパートナー。
甘えん坊のふくちゃんと吉田さんの素敵なヤギライフを紹介します。

ふくちゃん オス 3歳  
2022年生まれ 三重県から譲渡

吉田さん溺愛のふくちゃん

ふくちゃんと暮らす里山と田んぼ

谷間を抜けると、おひさまが当たる緩やかな斜面と田んぼが広がる里山が現れます。
家の入口で吉田さんとふくちゃんが出迎えてくれました。
少し黄金色かかった長い毛が特徴的で、口ひげと体毛が日の光に透けて、まるでもののけ姫に出てくる「しし神さま」のような神々しさ。

ノーリード 信じられない自由な暮らし

ふくちゃんは、リードに繋がずに放し飼い。
環境を見るまでは、本当にリード無しでヤギを飼えるのか信じられなかったのですが、様子を見て納得。
食べるものは周りにいっぱいあり、大好きな吉田さんが側にいる満ち足りた飼育環境。
家の前は道路に面しているのですが、交通量がほとんどなく、ふくちゃんもおっとりしているので車に突進することもなく、車が避けていくそう。
家の前で1町の田んぼを耕作しているのですが、ふくちゃんが田んぼの中に入って踏み荒らすことも、穂を食べつくすこともない。畔から頭を伸ばして食べれる範囲の稲を少し食べることもあるけど、知れているそう。

吉田さんの健康の秘訣


吉田さんはヤギを飼うようになって、ふくちゃんたちと過ごすためにほぼ外に出っぱなし。
さらに、朝からふくちゃんと散歩、頭で押し合う相撲、ふくちゃんたちが食べやすいように除草、一日1万歩は歩き回るそう。
甘えん坊のふくちゃんは吉田さんの姿が見えないと不安で探し回るので、ずっと一緒にいます。

吉田さんの背中を追うふくちゃん

ハイテク飼育設備


72歳を超えた吉田さん。
最先端のハイテク飼育環境を整えています。
その一つが3台あるWi-Fi接続で、常時ヤギの様子を見ることができるカメラが設置されていることです。
外の小屋に一つ、屋外を見渡せる屋外に一つ、家の横の小屋に一つ。
屋外のカメラにはソーラーパネルがついており、電源独立型。
スマホからカメラの角度や撮影位置も変更できて、3台のカメラを駆使したら外出先からでも様子を見ることができます。

ソーラーパネル付き監視カメラ

工夫と愛にあふれた手作りの小屋

ヤギの飼育環境はすべて吉田さんの手作り。
壁と床や軽量パレットを利用。
屋根は残り物のアルミパネル。

夜も寂しくないように吉田さんが過ごす居間の窓に隣接する小屋。
さらに、糞が床下の溝から下落とし、まとめて捨てられる引き出し付き。

夜も寂しくないようにと居間の掃き出し窓にくっついてヤギ小屋があります。床の一部には溝が切ってあり、その下にある引き出しに糞が落ちるよう工夫されています。
さらに玄関に一つ、広場に一つ、とどんどん増えてきて、今や5つ。
小屋は5つ以上。
さらに通気性抜群の高床式の展望台も手作り。

通気性も眺めも最高 展望台

冬用の飼料も万全


冬場の食料にと、収穫したサツマイモの蔓を、4.5日干して乾燥させたものを農機具小屋の天井につって、保存してあります。
最近は近所の農家さんもヤギ用にサツマイモの蔓を持ってきてくれるそう。
乾燥した芋の蔓は切り干し大根のようにうまみが凝縮し、ヤギの冬場の貴重な食糧になっています。

乾燥したサツマイモの蔓

甘えん坊のふくちゃん


飼育当初は、ふくちゃんとだいちゃん。
2頭の雄ヤギがいたそうです。
でも、だいちゃんは先日、尿路結石で亡くなってしまいました。
病気になっただいちゃんをバンに載せて、鳥取大学病院まで受診しに行ったこともあるそう。
1匹残されたふくちゃんは、今まで以上に吉田さんにべったりくっついて離れなくなりました。私たちが見学に行くと、吉田さんに近寄らせまいと、遮断するように間に割り込んできます。

ふくちゃん相撲

ふくちゃんと遊ぶため、1日3回くらい、吉田さんはふくちゃんと相撲をとるそう。頭でぐいぐい押してくるふくちゃんとがちんこ勝負。じりじりと吉田さんが後退し、池のふちまで追い込まれました。
お互い、よい運動になっています。

相撲と取る吉田さんとふくちゃん


休憩中

さいごに

「除草には全く役に立たないし、反対に手間ばかりかかるわ。」と言いながらも幸せそうな吉田さん。
ふくちゃんと吉田さんの絆の強さに嫉妬していまいます。
でも、もう1頭飼ってやりたいなあ、でも自分の年だと責任もって面倒みきれるかどうか不安でと寂しそうな吉田さんの様子を見て、ネットワークで支え会いながら、地域のみんなで責任もってヤギを飼育できる体制ができたらいいなあと思いました。

2024.2.24 取材 守 宏美・池田 綾香

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