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株は心理戦(4月30日号)

株式市場は底打ち感台頭
160円台突入も一転して155円台へ



 お休み頂いた2週間で、株式市場は日米共に底打ち感が台頭し反騰に転じている。その中で、29日の外国為替市場の円相場は乱高下している。一時1ドル160円台を付け、1990年4月以来約34年ぶりの安値を付けた後、欧州勢の円買いとか為替介入といった思惑が働き、ドルを始め主要通貨は対円で失速した。

29日、19時30分(日本時間)の段階では155円後半で落ち着きを見せている。財務省の神田財務官は「(為替介入観測に対し)今はノーコメント」としたが、介入の可能性は否定しなかった。

 日銀が26日、金融政策の現状維持を決定したことで、低金利の状況が当面続くとの見方が広がった。これに対し米国経済の堅調さから、米連邦準備制度理事会(FRB)の利下げ観測は大きく後退しており、日米の金利差が広がった状況が長引くとの観測から、円を売って高金利のドルを買う取引が加速していた。まさに市場では、政府の円買い介入を催促するような展開になっていた。

 日経平均株価は、4月19日に一目均衡表の雲の下限を蹴って反騰し、29日の日経225先物は3万8千4百円(500円高)処を推移している。今週はGWの狭間ではあるが堅調に推移するものと見られる。中東情勢など懸念材料はあるが、当面の底値を確認した以上は押し目買い対処で買い向かうところと先読みします。更に、GW明けに本格化する主要企業の決算発表が控えており、増額・上方修正が期待される銘柄への押し目買いが顕著となることが予想され、底堅い展開が予想される。

 一方、米国株式市場はS&P500とナスダック指数が昨年11月上旬以来の大幅な上昇率を記録し4週間ぶりに反発。日米共に株式市場は反騰に転じていると見るべきだろう。米国株式先物市場では、S&P500とナスダック指数が堅調でNYダウ先物は110ドル高で3市場揃って高く、29日の米株式市場は買い先行となることが見込まれる。

出直り相場で好反応銘柄を狙う

 先週の末の出直り相場に反応したのは、海運株と造船株だった。先ず、7003三井E&S(1,692円)は132円高で値上がりランキング21位。7014名村造船所(1,972円)は145円高で同28位。他に、7018内海造船(4,100円)は70円高で反騰入りか。更に、海運株の9101日本郵船(4,205円)は96円高、9107川崎汽船(2,091.5円)は76円高、9104商船三井(4,713円)は98円高と軒並み堅調に推移している。

 9984ソフトバンク(7,782円)は、株価は9,386円から約2千円のつるべ落としの下げはきつい。先週末は192円高と反転の兆しが見える。加えて、車載用途が柱のコネクタ―大手の6908イリソ電子工業(3,060円)は、過去5年間で3千円割れは今回で3回目。過去2回は5千円台迄回復している。一株配当は90円で、PERは13倍と割安素地でPBRは0.98倍。



※投資行動は自己責任でお願いします

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