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【ブラームスが大好き】#3~交響曲第1番~

音楽愛好家のブラームスファンが勝手気ままにブラームス愛を語る3回目です。

今回は「ブラ1」などと呼ばれる交響曲。名曲と呼ばれるこの曲について書くのに、勝手にハードルを上げて構えてしまい、なかなか書き出せませんでした。

でもね、そもそも私は専門家でないのだから、そんなに構えず、書けるものを書くしかないと小さな自問をした末にやっと投稿です。

♪♪♪

ティンパニが6/8拍子の8分音符を連打しながら始まるこの曲。なんとも厳かで重厚、真面目、暗い印象だが深みがあり、聞けば聞くほど続きが気になる展開。

この曲、最初に構想してから完成するまでになんと21年の月日が経ってます。どれだけ完璧主義なの?いいものをつくろうというこだわりが強かったのだよね、ヨハネスくん。

(もちろんこのあいだにたくさんの作曲はしていますが、交響曲への思い入れが特に強かったのだとうかがえます)

1853年シューマンとの出会いで音楽界に見いだされた2年後の1855年夏、シューマンのマンフレッド序曲を聞いて感激し、この交響曲を書く気になったというブラームス。

ハンブルグで着手し始め、その後、デュッセルドルフ、ハノーファー、ゲッティンゲンなどで手を加え、1862年(着手から7年後)、第一楽章はミュンスターで書き上げられた。

(いろんなところでかいてますね~ファンは聖地巡りしないとだ!)

クララ・シューマンはその楽譜を見て、共通の友人であるバイオリニストのヨアヒムに感想を伝えているが、

クララ・シューマン(左)と
バイオリニストのヨーゼフ・ヨアヒム(右)

14年後に全曲が書き上げられたとき、クララは演奏をきいて、第1楽章のアレグロの冒頭が以前のものと全く同じであると述べたという。

(この曲に限らず、ブラームスは完成する前にクララに楽譜を見せたというエピソードをよくききます。うらやましいぞ、クララ)

♪♪♪

着手から19年後の完成まであと2年という1874年頃から、ブラームスはこの交響曲に没頭し、スイスのチューリッヒ湖畔リュシュリコンで従事。

前年に『ハイドン変奏曲』を仕上げていたので、管弦楽の扱いに自信を持っていたとも言われています。

その翌年には(完成1年前)ケンブリッジ大学に名誉博士の称号をもらいに出かけるのを

「自分には出かけることよりも、しなければならない大切な仕事がある」といってやめて、

(そういう名より実をとる、みたいなところもスキ)

夏にハイデルベルク近くのツィーゲルハウゼンで作曲を急ぎ、さらに翌年夏バルト海のリューゲン島にある海岸町ザスニッツで筆を加える。

(ホントに移動しながら作曲する人!)

そして1876年9月クララの住居があるバーデン・バーデンの近くのリヒテンタールでついに完成。

♪♪♪

指揮者のハンス・フォン・ビューローは、のちにこの交響曲を「第10」と呼んだという。ベートーヴェンの9曲を受け継ぐすぐれた交響曲という意味で。

確かにこの曲はベートーヴェン的で保守的、古典的であるという評もある。

でも緻密に練り上げられた重厚な音楽。そのあと穏やかに柔らかく奏でられる平穏な美しい旋律や、暗から明へと変わる音楽には

世界には険しいことがあったとしても、こんなに美しいものもあるよと教えてもらっているような気がします。

♪♪♪

特に私が好きな部分について。

第4楽章、序奏はハ短調から始まるが、序奏の後半にはピウ・アンダンテ(もっと歩くような速さで)、ハ長調になる。

そこであらわれる朗々としたホルンの旋律。

まるでアルプスの山々に嵐が吹き荒れて、濃いグレーの雲の下で一寸先は闇の中にいるが、

嵐がやみ雲が流れ、澄み渡る空と緑色の山が姿を見せる。

そんな雨に洗われたあとの山々と空を照らす太陽の光。

ブラームスがクララの誕生日のプレゼントとして1868年(2人が知り合ってから15年後)に書いた歌の旋律。

アルプスのホルンの旋律に基づくものと言われているが、ブラームスがその旋律に歌詞をつけた。

山上高く、谷深く、私は千回もあなたにお祝いの言葉を述べます

ヨハネス・ブラームス


タイミング合ってお時間の合う方どうぞ。
30:58頃から嵐吹き荒れて、31:11頃にクララを祝福するホルンの音が奏でられます。

お誕生日にそんな歌詞をつけて、作曲。山の高さや谷の深さのような愛を贈るブラームスくん。

音楽は地味とか重厚と言われるけれど、これだけの愛の表現てあるんでしょうか。

そのあとの主要部はベートーヴェンの第九の合唱主題にも似てると言われるが、ブラームスくんの「喜びの歌」もステキな旋律です。

ドラマ「リバーサルオーケストラ」でも時折アレンジ版が流れていましたね。

この交響曲の好評を得て、のちの3つの交響曲はもっと短い時間で書き上げられています。ほかの曲についてはまた別のときに。

ブラームスくんを語れる場があることに感謝します。
お読みいただきありがとうございました。

参考文献:「作曲家別名曲解説ライブラリー7ブラームス/音楽之友社/門馬直美」「ブラームスの音符たち/音楽之友社/池辺晋一郎」 「CD解説者/門馬直美/ヨハネス・ブラームス交響曲全集/ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団/指揮:レナード・バーンスタイン」