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2月16日(2020年) ぬか喜びのスタンド

この日、ある決意を抱いて埼スタのスタンドにいた。決意とは「今年こそ、シーチケ対象全試合参戦する」というものである。小売業時代には試合の日を休日にする事に苦しみ、転職したビル管理会社でも水曜日に定時上がりが出来ずに断念した試合があった。2019年末で会社務めを辞めた私は、やっと日程面の不安から解消された(収入面での不安が新たに生じていたが)。

気がかりは、報道等で見ていた日増しに迫り来るコロナ禍の足音だった。この初戦の頃はシーズンの中断までは意識していなかったが、応援の制限(人数や声出し等)、アウェーへの移動の制限が行なわれるかもしれない、という面での懸念は感じていた。その懸念は、続くアウェー湘南戦に参戦した後「試合開催中断」という最悪の型で実現してしまう。5-0、3-2と連勝スタートしただけに「憎っくきコロナ」の気持ちだった。

中断後、無観客や5000人制限で試合が行われることになった。シーズン初戦のスタンドで抱いた決意は、あっけなく崩れ去った。その決意の成就は、結果的に2年後まで持ち越されることになる。チームの成績も、ACLこそ決勝戦まで進んだものの、国内の成績は振るわなかった。決意を抱き、5-0で快勝した初戦のスタンドは、結果的に「ぬか喜びのスタンド」となってしまった。


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