雨を見るのって難しい

今日はあめ?…か?

自転車置場の屋根の下、私は1人喜んでいた。


私はなんてひどいやつなんだ。なんて醜いんだ。そんな言葉が定期的に心に差しかかる。私なんかが、自分の主張を通してはダメだ。穏便にことを進めなくちゃ。でもこれって誰でもできるよね…‥



わっ、さっきより雨が強くなった。雨が私の心を表現してるかのようなタイミングだ。



友達のこともっと考えたら良かった。小さな締め切り守れなかった。他の人に迷惑かけた。私は…私は…‥あれ…私ってなんだろう。今、世界をみている?今、存在してる?




目の前が急に私に襲いかかってくるように見えた。2次元になったような平べったさを感じた。

風が…強く私の背中を押した。

なにもしてなくても前にどんどん進んでゆく。雨に、流されている。


穏やかな雨は一粒も感じられない。




なぜ,私は落ち込んでいる?いや、落ち込んでいないのか?…なぜ今に満足していない…頑張ってると言ってほしいの?

頑張ったねと言ってほしいの?




私に…追い風は似合わない、そう思い急ブレーキをかけ急カーブをする。…私にはずっと向かい風でいて…


ずっとずっと思ってた。私に難しいとかいつもと違うというハンディを課さなかったら、私は私を肯定できるか。私がなにかを成し遂げたとして、他の人に勝てるか。私がいなくても世の中はまわる…学校も家族も、友達も変わらずいつもの毎日がまわるだろう。私は誰かを助けたこと……ないから。震えるように吐き出した声には怒りが見えたが、そこに生気はなかった。



風が強く私に向かい風をふかせる。それで良い。それが良い。私が私を否定する私を肯定できるように。私を否定する私を、肯定してくれ。


雨が一段と強くなった。

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