うらぶれた廃車たち。彼らが生きていた時の息吹を感じたい。
わたしは瀬戸内で単身生活をしていた。
年に数回家族が滞在する。そんな時は数週間前からメニューを考え、食材を準備する。デザート作りもする。
妻は自分で作ると美味しくない、人が作った料理は美味しく感じるという。
どちらかというと食が細い。そんな家族にうでをふるいたいのだ。
時間があるので、単身期間中の毎日のご飯を撮影した。スーパーのレシートも保管している。なぜって、一食の単価が出るから。
そして毎週図書館に行っていた。すべての新聞と雑誌を読むためだ。もちろん本も読む。雑誌は大好きで、書店の女性誌コーナーで読んでいると、妻から「それもセクハラだよ」と一言。確かに男性が女性誌コーナーに立っていて、良い気持ちになれない。それから図書館で読んでいる。
そんな私は、この単身期間4年でカメラという趣味を持った、カメラを首からぶら下げ瀬戸内の島から島へ、時には自転車、ときには車で出かける。
一日で700~800枚撮影した。デジカメの力は大きい。フィルムカメラの時代には考えられないことだ。
ふとある日の散歩に出会った、スバル360。懐かしい、良くこれが箱根の峠を走ったものだと感じる。そして撮影して家に帰った。
撮影写真を見ていて、ふと訴えかける何かを感じた。
廃車が、このスバル360が訴えているのだ。
それから、わたしの廃車の旅が始まった。
これまでに何枚くらい撮影しただろう。彼ら、彼女らから発せられる言葉と共にお届けしたい。そんな廃車撮影沼にのめり込んだ懐かしい思い出。
すべてはこの出会いと、この一枚から始まった。
みんな元気にしているかな。ここを離れて、早6年。また会いたいね。
この場で一部だけご紹介出来ました。少しホッとしました。
今のわたしの夢、いつか、いつか、彼らの、彼女らのアルバムを作りたい。
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