みじんこ立志伝

我はみじんこである 彼はみじんこである そして君は彼について聞きたいのであろう、よかろう彼について話そうではないか心して聞くが良い ある身震いをするほどさむい日のことである ここに彼の生家がある彼は長い冬眠をしているようだ彼の家族も彼と同じように過ごしているようだ 彼は冬の間は寝て過ごすようだそれからしばらくして心地よい小鳥の鳴き声と満開の桜が彼の生家の近くを彩るほんのりあたたかいような少し肌寒いような季節になった頃つまり春である、彼はむくりとその固い卵を破りさり長い永い永久にも続くような極寒の日々から気まま自由の身になるのである

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