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おばさんが恋庭で友だちを作る話6〜恋庭に友はいなかった…のか?

〈あらすじ〉
スイーツビュッフェ好きのおばさんがマッチングアプリで一緒に行ける友だちを作ろうと試行錯誤するリアルタイムの記録です。

恋庭で2人目にマッチングされた女性Lさん。
ゲームガチ勢というのは本当らしく、サクサク庭が作られてゆき、レベル上げのためのアイテムもどんどん手に入る。
しかし、庭づくりがかなり進んでもプライベートの会話はあいさつ程度。友達を探していることやスイーツビュッフェの話がどうにも切り出しにくい。

お互いのプロフィールを知るためのプライベート質問に「スイーツビュッフェに一緒に行く友達を探している」としっかり書いたが、何のリアクションもなくスルーされている。

恋庭を始めた目的が違うからと、マッチングを解消することも考えたが、貴重な女性とのマッチングを解消する勇気も出ない。他の女性へ「いいね」を毎日送りつつ、とりあえずフレンドを続ける。

友だちを探しているんだから、複数とマッチングしても何も悪くないのに、まるで恋人と別れる前から次の恋人を探すような、どうにも後ろめたい気持ちがしてよろしくない。

さて、どうしたものか。
と思っていたところに3人目の女性とのマッチングがくる。

チキさん、48才、既婚。
「はじめまして。
恋庭を始めたばかりなんですけど、男性から下ネタを言われて、男の人が嫌いになっちゃいました」

ん?
48才、既婚で、下ネタ言われて男性全般を嫌いになるって…乙女か!
スタートからツッコミどころがいっぱいある。

その後も恋庭にはどんな男性がいるか、男性とは会ったことがあるかなど、出会い関連の質問が続く。
男の人が嫌いになっちゃったんじゃなかったの?

私が一緒にスイーツビュッフェに行ってくれる女性の友だちを探していること、男性とはマッチングしてないのでわからないことを伝えると、
「私も女の子の友だち探してみるね!」
とのメッセージを最後に全く返信がなくなる。

何なんこれ?
多分、この人ひとつも本当のこと書いてないというのが文字だけでもわかる上滑り感。
ガチガチに出会い目的だよね、情報ほしくて私に「いいね」してくれたんだよね、恋庭で素敵な出会いを見つける攻略方法は私にはわからないけど、女性同士なんだからさ、本音で話してよ。

…あぁそうか、私も本音を話さないから友だちができないのか。
チキさんに対して思ったことは、そのまま自分に返ってきた。

私は数年前から窮屈な田舎で暮らしている。
どこに行っても「〇〇先生の奥さん」として見られ、自分の不用意な言動が夫の仕事に影響してしまう環境で、愛想笑いばかりして、自分から本音を言う人間関係なんて作らないようにしている。

なるほど、そりゃあ新しい友だちもできないはずだ。
この窮屈な土地で今の人間関係を破壊できるようなコミュニケーション能力を私は持っていない。リアルな人間関係の代わりに、このまま恋庭を続ければ、しがらみのない空間でいつか友だちができるのかもしれない。

でも、それを待つより本音で話せる友だちに会いに行こう。新幹線でも飛行機でも乗ればいいじゃない。遠くの土地で、誰に気兼ねすることなくケーキを頬張って、バカな話をすればいい。

そう思ったら、何だか妙にスッキリした。
せっかくフレンドになってくれたLさんには申し訳なかったが、友だちができなかったので恋庭を退会する旨を伝えて、さっさと退会手続きを済ませた。

と言うわけで「おばさんが恋庭で友だちを作る話」は、「おばさんが恋庭で友だちを作れなかった話」になりました。

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