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中小企業診断士試験 2次筆記試験 ドキュメント 事例4

50代半ばのサラリーマン(メーカー勤務)。令和4年1月に思い立って中小企業診断士試験の勉強を開始。同年一次試験通過も、二次筆記試験で不合格。令和5年度 2度目の二次試験を通過し、無事合格となりました。

この記事は2度目の二次試験の当日について書いたものです。(恥ずかしながら当方の再現答案も記載します)

1事例80分の試験を4事例、1日で解答する二次筆記試験は知力以上に気力・体力を使う試験だと思います。
一日4事例の解答も、直前に練習してきたので慣れているはずですが、それでも本番の雰囲気・初見の問題の難しさに呑まれ。事例4を開始する際にはすでにくたくたになっておりました。


再現答案)
第一問
設問1)
①売上高営業利益率 11.59%
②有形固定資産回転率 71.90回
③当座比率 311.97%
設問2)
実店舗やネット上での同業他社との競争激化により販売が低迷する中、将来の成長を見込み人件費を削減せず販菅費が高い為、売上高営業利益率が悪化し、収益性が低下した。

第二問
設問1

1)63.31% / 2) 1,141,635千円 / 3)3,111,385千円 / 4)14.73%
令和3年度 損益分岐点比率 53.69%
令和4年度 損益分岐点比率 68.41%
14.73%上昇した

設問2
    (1)ない    Xは貢献利益が正で共通費を分担している為
   (2) (空白)
計算過程 Xの限界利益 15,000→12,000へ削減 個別固定費合計 23,500円
     共通費 19,000  (時間切れ)
設問3
 妥当ではない。費用構造か限界利益率でX30%, Y20%, Z40%と最大2倍異なる中、売上高のみで共通費を配分すると適正な収益性評価ができない恐れがある為である

第三問
設問1)1,738万円 
計算過程) 
 設備投資の減価償却費 11,000x0.9/5=1,980/年(5年) 
 営業利益 10,000万円x(1-0.4)-2,200-1,980 =1,820
   初年度−4年度までのCF 1,820 x 0.7+ 1,980 =3,254  / 5年度CF 3,254+800= 4,054  3,254 x 3.312 + 4,054 x 0.681 - (11,000+800) =1,738.022=1,738万円(1)△6,520万円(2)△739万円 / ない

設問2)(1) 37万円
計算過程)
減価償却費 11,000x0.9 / 4 = 2,475万円/年(4年)
10,000 x 0.6-2,200-2,475 = 1,325   1,325x0.7+2,475=3402,5(2-4年目)4,202.5(5年目) ((3,402.5 x 2.577 + 4,202.5 x 0.735 ) - 11,800)x0.926x0.7=36.999,,
(2) 正味現在価値が初年度投資時は負だが、2年目の投資時は37万円と正である。投資は2年度に実行すべきである

第四問
設問1)最終消費者向け販路開拓や広告宣伝の為の人件費を抑制でき、販管費を抑制し収益性を維持できる。
設問2)新製品を新市場に投入する多角化で売上高向上、リスクを分散、研究投資も活用でき収益性・効率性が改善。

結果 60点(かろうじてA判定)


事例4
事例4の問題文はD2JI2023.pdf (j-smeca.jp)をご参照の事

第一問 設問1・2: いわずと知れた経営分析。おや、昨年開始直後に多くの受験生(当方含む)に絶望感をもたらした「生産性」に関する指定がない。なので通常通り、安全性・収益性・効率性で改善点・悪化点を拾う。
特に改善点では、現金・売掛金・受取手形の総額が増加し、流動負債が減少する、珍しい状態のため、当座比率を選択しました。

第二問 設問1 損益分岐点計算問題でした。
昨年の問題同様、連立方程式で解答できると踏んで計算するも、割り切れない変数(小数点3位四捨五入)の計算のため、令和3年度・令和4年度の計算式に当てはめると答えが合わず、長引きそうだといったん、後半の文章題へ撤退。
結果的には第4問の後に、戻って解きなおし。計算がどうしても合わないので、令和3年度の数式に入れて変動費・固定費を計算(大失敗。令和4年度の損益分岐点の問題だから素直に令和4年度の数式で計算しておけばよかったです。)
設問2は、事例4の最後に解きました。 
(1)の販売中止検討は過去問にも合ったパターンのため、難なく解答。(2)はわからず、さらに最後に後回し。結果この問題は時間切れで空欄となりました。
設問3は、文章題。会計処理の妥当性、、ときたら「費用構造が大きく異なるので妥当でない。適切な収益評価できない」というパターンで解答。

第三問 さあ、お待ちかねの正味現在価値に関する問題です。
ただこの時点で頭に霞がかかっており、気力は残るも正常な判断力が保てない状況でした。そのため、誤ってはならない減価償却の計算を見事に間違えてしまいました。
具体的には「処分価格は取得簿価の10%である」を勘違いし、「残存価値10%の定額法」と読み違えた計算をしてしまいました。(ちゃんと設問に「残存価値をゼロとする定額法」と記載されているのですが、後悔先に立たずでした・・)
そんな重大な誤解にも気づかず、部分点を狙うため、必死に計算欄や解答欄を埋めていきました。

第四問 文章題。昨年、事例4は空欄が多かったにもかかわらず74点もポイントできたのは、文章題で正解を取れたからと推測していました。
それを考えると、この設問1・2は絶対落とせない問題でしたが、ここでも設問1の問題文を読み違え、まったく逆の結論を書くという大ポカをしてしまいました。
(事例のD社はOEMの委託者。よって「他社にOEMを委託する会社」の財務的利点を書くところを「OEM生産の受託者(生産者)」の利点を書いてしまいました)

このように、大きなミスを2つもしているにもかかわらず、結果は60点とぎりぎりA判定でした。おそらくですが第一問の経営分析が当たったこと、そして執念で計算式を埋め、空欄も一つだけにとどめたことでなんとか努力点をいただけたのではと考えています。

(つづく)



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