診断士(二次筆記)試験と実務
おはようございます。中小企業診断士の さた です。(※)
実務補習・従事やわずかに補助金申請のお手伝い行っただけで、すっかり一人前の診断士になったかのようにドヤ顔かましている今日この頃です。
その数限られた診断・助言業務や事業計画作成業務の中で感じたのが、診断士二次筆記試験と実務はリンクしているなということでした。。
この記事を書いている週末に、中小企業診断士試験一次試験があります。この後、更に難易度の高い二次筆記試験を迎えるわけですが、なかなか点数が伸び悩んでいる方にとっては「こんな事に時間を使って何になるんだろう」とうんざりされている方もおられるかもしれません。
でも実際の診断・助言業務や、補助金申請のお手伝いをする中、やはり二次筆記試験の勉強は有効だったという事について以下記載したいと思います。
まずはSWOT、特に「強み」探し
診断・助言業務の際には、まるで二次筆記の与件文自体を作るような作業と感じました。情報収集(ヒアリングや、Webサイトの確認、業界情報の収集など)から始め、診断先の「強み」を洗い出しますが。、大企業や先端企業でなければそう簡単に「強み」なんぞはないのが中小企業です。
それでも社長の経歴や実績、そして発信されているビジョン、会社の実績や周囲の評判など、「これ自慢できるのでは」というものを何か見つけ出し、時にはかなり「お飾り」もして、「強み」として整理するところから始めています。
(ちなみに「弱み」「脅威」ですが、中小企業はある意味「弱み」の塊みたいなもの、あって当たり前、あげたらキリがないのが現実だと思います。)
対策は多面的に
対策については診断先の企業にとって現実的な(多額の投資や社員の追加等)案であれば、できるだけ多面的に出した上で優先順位をつけて提示する形になります。
ここに明確な「正解」も「誤り」もないと考えます。
二次筆記試験筆記の回答でも対策案は字数制限の中でできる限り多面的な回答が求められますし、逆にここの対策案そのものに〇とか×とかはないと感じました。
問われた事に忠実に解答する
診断士二次筆記試験は「問われた事に素直・簡潔に答える事」が必須であると考えています。
実際の診断・助言業務でも診断先の会社や社長さんの困りごと、悩みごとをその会社の実態に沿って課題・対策を提示していきますが、その社長さんにとって課題と思われていない事や、関心のない事を提案しても無視されるか怒られるかのいずれかになります(たいていの社長さんは表情に出さずにやり過ごされると思いますが)。
また、補助金申請でも同様です。例を出すと下記のようなものです。
この場合、「いかにこの事業が優れているか、日本経済に貢献するか」なんて書くと ✖ であり、
①ポストコロナ時代の経済社会の変化に合致した内容
(ソーシャルディスタンス・感染症対策など)
②生産性の向上が見込まれる分野であること
(純利益増や人件費・減価償却(=設備投資)への投資が増加する分野)
③大胆な事業再構築であること(事業を転換させること)
④日本経済の構造転換を促すこと(国内市場に事業転換が波及すること)
ことにつき、全ては無理でも可能な限り充足し、国として補助すべき分野であることをアピールする必要があります。
二次筆記試験同様、「求められている事=聞かれている事」に素直に答えることが必要と考えます。
財務は大事
診断士二次筆記試験事例Ⅳでは財務諸表の分析から始まり、損益分岐点計算や正味現在価値など設備投資の経済性判断、そして財務的利点や妥当性を問う記述問題など、覚える事も多く、試験期間中はこんなの実務で本当に使うのか疑問でした。
でも、実務補習でまず使ったのがこの財務の知識でした。
どんなに素晴らしい事業でも収益性が低かったり、また資金が続かなければ会社の存続が危ぶまれます。
貸借対照表や損益計算書などは当然、時には法人税申告書や月次推移表などの数字も確認し、過去のお金の流れから今後の予測を立てていく事も求められます。また1年分だけでなく3年分の数字の流れを追う事で、銀行からの借入金の借換や、役員報酬を増減したことなども推測・把握する必要があります。
余談ですが、診断先の社長さんとかで「私は数字や財務に疎くて」と謙遜される方をお見かけします。あれは「疎い」のではなく「部外者に触れられたくない」というのが本音ではないかと思います。
事実、質問すると数字すらすら出てきますし・・・
このあたりの話題は尽きないのですがこの辺にしておきます(了)
(※)2024年8月1日をもって無事 中小企業診断士として登録されました。
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