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中小企業診断士試験 2次試験 ドキュメント 口述試験 その2

50代半ばのサラリーマン(メーカー勤務)。令和4年1月に思い立って中小企業診断士試験の勉強を開始。同年一次試験通過も、二次筆記試験で不合格。令和5年度 2度目の二次試験を通過し、無事合格となりました。

この記事は二次試験最後の関門である、口述試験受験について書いたものです。(その2)



口述試験の為の勉強

基本は、①与件文を詳細に読み込み理解すること②SWOTや、時系列の理解③一次知識(経営理論・マーケティング理論等)の当てはめ といったことになり、まさに筆記試験の取り組みそのものでした。
逆にこのぐらい丁寧に与件文を読み込んでおけば、より高いレベルの回答が書けるのではないかと思わされました。

試験当日まで毎朝早朝に起き、寝室の隣で想定問答集を片手にぶつぶつつぶやきき、家族から文句を言われたりもしました。
「この口述試験を落としてまた1次試験7科目や、辛かった2次筆記試験を繰り返したくない」の想いもあり、これまで以上の必死さで取り組みました。

口述試験当日(1月21日(日))

試験会場は大阪経済大学の大隅キャンパスでした。同大学は、中小企業診断士の登録要請機関も設定されており、中小企業診断士協会と縁のある大学のようです。同キャンパスは実は当方の自宅のすぐ近くで助かりました。
先日買ったばかりの着慣れぬスーツを着て、会場に向かいます。

日曜の朝でしたが、キャンパスには留学生の方が何人かおられ、その中に混じって背広姿の人たちもちらほら。試験受付時間になって受付をすませ、待機室替わりの講堂に案内されました。

一次や二次筆記試験会場では当方と同年代かその上の人たちが目立ったのですが、口述試験会場では明らかに30-40代中心と、一気に年齢層が若返っています。

試験時間近くになると、対象者は会場端の席に集められます。その後、各受験生に試験官の方が一人づつ同伴し、面接を行う部屋に向かいます。(まるでドナドナの子牛のような気分でした)
ただ企業等の就職面接と違い、他受験生と試験官の世間話も聞こえてきます。私はたしか「診断士の方ですか?日曜なのにお疲れ様です」等、いらぬお世話を会話した記憶があります。

口述試験

時間になり部屋をノックして入室し、荷物を隣の椅子に置き着席をします。面談員は親切そうな女性と男性の診断士の方でした。(この記事冒頭の画像のイメージです。お茶は出ませんが)。
「これから口述試験を始めます。各事例に基づいて質問をします。質問と合わせて約2分間を目途にご回答ください」といった趣旨の口上の後、下記の質疑が行われました。

1)A社は1980年代までは売上高が1億円に達していたにもかかわらず2000年代には5千万円まで低下しました。売上が低下した理由について答えてください
回答)A社は腰の強い蕎麦が売り物出会ったにもかかわず、総花的なメニューに走り、ドメインも定まらず、経営資源も分散させる中、競合となるチェーン店等との価格競争に陥った為(差別化・集中戦略のつもりで回答)

2)A社はX社と経営統合をしようとしていますが、統合先の組織とのどのような違いに留意すべきでしょうか
回答)A社は社長・接客リーダを中心に従業員とコミュニケーションを図り共通目的を明確化、貢献意欲を向上させた。X社は社長の決めたオペレーションの遂行のみであり、従業員間の連携も取れずモチベーションも低い。そのような違いに留意すべき(組織の3要件のつもりで回答)

なお質疑中、面談員は特にメモを取っているようには見えず、あまり回答内容は意識されていないのかな、、と思いました。(他の受験生の話だと、質疑の冒頭でチェックをつけていた、、とのことです。)

3)B社が既存顧客との接触頻度を高める為どのような事をすべきでしょうか
回答)店舗に来られたお客様へ積極的な声掛け、体格や技術に応じた提案を行う事。また自社の持つHPやSNSを通じて顧客への情報提供や意見収集を行う等、双方向の交流を図り、品揃えの充実を図ることで、接触頻度を高めるべき(リアル・バーチャルのプロモーション戦略のつもりで回答)。

4)B社は女子野球チームより「ウチのホームページのコンテンツを考えてほしい」と依頼されました。どのような事をアドバイスしますか
でた女子野球!。ただ「ウチの」の意味が当初わからず、「ウチの、、とはB社のお客様の野球チームの事でしょうか?」と質問しました。それに対し面談員の方は少し戸惑われ「再度質問を繰り返します、、、」と機械的な対応。少し印象悪かったかな、、と反省。

回答)女子野球の魅力を発信することを心掛けます。B社の強みはブランド品を含めた野球用品の品ぞろえにありますが、調達先メーカがスポンサーを行う女子野球選手やチームの情報提供や、豊富な女子向け野球用品の紹介を行い、女子野球の魅力を発信すべきと考えます。
(与件文読んでいるんだぞ、、というアピール&ポエム回答。ただB社自身がホームページを作る回答ととられなかったか、、)

4問の質疑後、少し時間が余ったようでしたが、面談員同士で顔を見合わせ「他は?」「いやもういいです」とのやり取りのあと「お疲れさまでした」と言われ退出しました(同日初めての面接で試験官も少し緊張していた感じでした)。

口述試験後

X(Twitter)で同大学で口述試験を受ける受験生の間でグループができており、試験後に近隣のシェアスペースに集まろうという企画があり合流しました(こういう企画を自ら立て、招集・場所の手配まで行う人が診断士グループのリーダになるのでしょうね。)。
そのシェアスペースは、古民家を活用した和の風情がある場所。田舎の法事で集まる場所のような雰囲気がありました。オーナーは近隣でテニススクールも併設しており、我々に貸すのが初めてとのこと。翌年の事例2に出てきそうなサービスでした。 
部屋に入るなり、幹事役の人たちが「終わったぁ~」と寝転がります。座敷席でめいめい座布団をひいて、持ち寄ったお菓子など食べながら歓談。例によってどんな質問が出たか、何答えたか、の会話が飛び交いました。
その中で診断士協会と既にコンタクトのある受験生の方が言うには「口述試験は診断士協会の人が「この受験生を仲間にして良いか」を見極める面接試験」との事。少し腹落ちしました。

だんだんと打ち解けてきた中で各自のプロフィールや診断士になった後の豊富など意見交換しました。コンサルをされている方、ダブルライセンスでの活躍を目指されている方、既に独立して事業をされている方、などの話も楽しく聞かせていただき、会社の外に幅広い年齢や背景を持った知人ができる事をうれしく感じました。

これまでずっとサラリーマンしかしてこなかった自分がビジョン・夢を持ち迫力ある皆さんの中で入っていけるのか少し不安になりましたが、それ以上にこの仲間達の中でこれからも切磋琢磨していきたいと考えさせられた一日でした。

発表は1月31日にあり、無事合格(大阪地区で受験された方は全員合格されたようです)。晴れて「中小企業診断士(登録予定)」の称号を手に入れたのでした。



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