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中小企業診断士試験 2次筆記試験 ドキュメント 事例3

50代半ばのサラリーマン(メーカー勤務)。令和4年1月に思い立って中小企業診断士試験の勉強を開始。同年一次試験通過も、二次筆記試験で不合格。令和5年度 2度目の二次試験を通過し、無事合格となりました。

この記事は2度目の二次試験の当日について書いたものです。(お恥ずかしながら当方の再現答案も記載します)

事例2の後の休憩時間

事例2終了後、約1時間の休憩時間を挟みます。昼食を取って、トイレを済ませた後、気分転換に外を見たり軽くストレッチしましたが、それでも疲れで頭が重くなってきました。
後ろの席の方(60代ぐらい?)が休憩時間のたびに小型酸素簿ボンベを吸引されており、最初はおかしかったのですが、もし来年も受験するなら私も用意しようと思いました。
また斜め後ろぐらいに自称70代の受験生の方がおられ、少し若い方(それでも5ー60代ぐらいの方)へ「若いうちに合格しておかないとね・・」としみじみ話ししていたのが沼のようなシュールな光景でした。
当日朝コンビニで買ったラムネをかみ砕き、事例3に臨みます。

事例3

事例3の問題文はC2JI2023.pdf (j-smeca.jp) を参照の事

事例3の与件文は予想外のホテル・旅館向け食品製造でした。平成28年のカット野菜製造業者の再来かなぁ。。と。ただ衛生面ではそこまで大きな問題はなさそうだ、と考えながら読んでいました。

第一問は「生産面の強み」2つ答える問題。過去の事例3問題同様、このC社も問題点や弱みの部分が多く、特に「生産面」の強みの抽出が難しかったのですが、社長や工場長の調理人経験と、高品質食品の多品種少量生産に絞って記載しました。
再現答案)
①経営者・工場管理者の料理人としての知見②高品質な食品を多品種少量生産可能な事。

第二問は受注量増加への対応の記載を問う問題でした。与件文に「高齢のパート社員も退職し」とあるので若手従業員の育成かなぁ、、と。そのため①標準化・文章化②調理設備の導入(C社は基本手加工)、自動化③レシピの製造指示書化 という観点で記載しました。若手育成は余計でしたが、まあそんなに大きく外れていないのではと思いました。
再現答案)
若手従業員を育成し生産能力を向上させる。具体的には①作業の標準化・文書化を図りOJTで技能を平準化する②汎用調理設備を導入し惣菜工程の自動化を図る③レシピを製造指図書で指示する等で若手従業員を育成する。

第三問は材料価格の高騰、収益性低下に対する対応策を解答する問題。典型的な生産管理の問題に思えたため。まず結論として生産効率改善・コスト低減を記載し、具体策として①生産計画短サイクル化・需要精度向上や工程負荷平準化②調達も生産管理課で一元管理③在庫の適正化④生産統制の徹底で生産LTを削減と記載。あれ、だんだん収益性低下への対抗策からはずれているかも・・と心配になりだしましたがこのまま進めました。
・今考えると②③はもっと具体的な策(どうやって調達コスト低下や在庫適正化を図るのか)を書くべきでしたし、生産統制は書かなくてよいので、コスト低減と収益性向上を図る、、ぐらい書いておくべきでした
再現答案)
生産効率を改善しコスト低減を図る。具体的には①生産計画を短サイクルで立案し需要予測精度向上、各工程の負荷を平準化②食料・調味料も生産管理課で計画一元化③在庫入出庫量を生産管理課に共有、在庫量を適正化し④生産統制を実施し生産LTを削減する。

第四問 自社企画製品に関し、どのように企画開発を進めるべきかの問題。与件文に中堅食品製造業出身の外部人材の記述もあるため①販売先やX社経由でのニーズ収集②外部人材を中心とした開発プロジェクト発足③経営者・工場管理者のノウハウのDB化、一元管理、全社共有、、と最後はDRINKな回答に持っていきました。
ここについて、提案を検討している季節性・高級感に関する企画を盛り込むべきでしたし、もっと外部人材の持つ外部ノウハウ・経験を生かす具体策を入れるべきだったかと思います。
再現答案)
①販売先料理長やX社経由で消費者のニーズを収集し、レシピ開発に反映する②採用した外部人材を中心に社内で製品開発プロジェクトを発足する③現経営者・工場管理者の経験を標準データ化し、DBで一元管理・全社で共有する等で、製品開発を進めていく。

第五問 試験終了後、予備校や受験生の間で議論を巻き起こす、いわば「妥当性」を問う問題でした。
工場増設による専用生産設備の導入、新規採用者による生産体制の構築の構想について「妥当性と理由、留意点」を記載するものでした。

当方は「専用生産設備」に引っ掛かりを覚えました。季節感・高級感のある総菜なので「多品種」は変わらず専用生産設備は過剰投資かと。
またいきなり新規採用者が生産体制の中心になるのも難しいと考えました。

ただここで失敗したのは「妥当か妥当でないか」を明言せず「工場管理者を中心に汎用生産設備を導入した工場で生産体制を構築すべき」という書き出しにしたことです。聞かれた事に答えていない、、と言われそうです。
ただ実際、当方がアドバイスする際に社長に向かって「妥当性がない」とは言えないだろうな、、という意識がそうさせたのかもしれません(し、単純に意識が飛んでいただけかもしれません)。
解答は①現工場のホテル・旅館の食品生産ノウハウが季節感・高級な総菜生産に不可欠であり②生産能力向上・若手育成で現工場でも対応可能 と記載、留意点はX社以外の顧客も開拓して、依存度低下・経営リスク分散、、と「ふぞろいキーワード」を詰め込む解答にしました。
再現答案)
C社は工場管理者を中心に汎用生産設備を導入し現工場で生産体制を構築すべきである。理由は①季節性・高級感のある高付加価値な食品生産には既存のノウハウ活用が不可欠で②生産能力の向上や若手従業員の育成で対応可能と考える。留意点はX社以外の顧客開拓で依存度を低下、経営リスク分散を図る事。

よく読めば、新工場設立ではなく現工場の敷地内の増築なので、現工場のノウハウは共有されるはずだし、留意点についてもスーパーの食材なので多品種少量から多品種大量生産に向かう方向性や納期遅延防止などを盛り込むべきでしたが、お昼後の試験の中、頭も重く、とても客観的に自分の解答を見直し修正する気力も時間も残っていませんでした。
なにはともあれ、最初の「妥当性の有無」を明言しなかったことから受験後、大コケと不合格を確信しました。

・結果、事例3は65点(A判定)でした。第5問はおそらくロジックが通っていれば妥当性の是非は問わなかったかもしれません。全体的に与件文や設問で問われる内容から大きくズレなかったことがまさかのA評価をもらえたのかもしれません。

(続く)

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