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冷たい

小学校の頃から、近寄りがたいと言われた。

その頃の私が何を考えていたのかわからないが、色々な思いに囚われていたのだろう。母は妹の方が可愛いに違いないとか、夫婦喧嘩は嫌だなとか、愚痴を聞かされたくないなとか。

かと言って、毎日たくさんの友達が家に遊びに来るし、夕方からの塾は友達と一緒の楽しい日課だったから、はた目には最も元気で活発な小学生に見えたろうし、自分も本当に楽しかった。

でも心の底にそんな思いを抱えていたから、気分に任せて動いているだけで、私が人に関心がなかったのは確かだ。

悲しみや苦悩はあっても、それをどうしたらいいかわからなかった。

すさまじい孤独に襲われたのもその頃だし、友達の教科書を黙って家に持ってきてしまったこともあった。なぜそんなことをしたのかわからないが、そうやって鬱憤を晴らしていたのかもしれない。

本当は満たされない心で、人の気持ちなど考えられない私は、心は完全に人と分断していた。その意味で本当に孤独だった。

遊び以外の時の私は、だから冷たい印象を与えたと思うのだ。






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