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Mo’xtra Archive『912・3R/3C・ス』

本日、『リバース,リバース,リバース!』(20時回)を観劇。大好きな須貝英さんの脚本・演出。

ストーリーと登場人物の名前の由来を考えて調べてみた。※あくまで個人的な見解です

主人公である、寺田華佳さん(野和 悠役):悠(ゆう)の言葉の意味は、「水で身を清め、みそぎを終えた後の、ゆったりと清くすがすがしい心情を表す。」

①小口ふみかさん(南 佳子役):佳子/かこ(過去)②橘花梨さん(金原/土井 逸香役):逸香/いつか(未来・希望)③橋爪未萠里さん(金原 匡子役):匡子/きょうこ(今日・現在)④浅野千鶴さん(土井 飛鳥役):飛鳥/あすか(これからの世界)

それぞれの個性が立ちすぎないように、個性の輪郭の境目を(敢えて)曖昧にしているように感じた。短い時間の作品が故に、最初の方向性は示しつつも…見る側(受け取り側の)が、幼少期時代の経験や想いを重ねる心情などを汲み取る事を想定して、観ている側からの振り幅を加味しているように感じた。

舞台を観終わってから…考えていた。そもそもこの舞台で表現されていたのは、寺田さん役の現実の世界線なのか。それとも脳内(苦しみや葛藤・非現実)を表したものか。現世で救う事が出来なかった罪悪感や葛藤が礎となった世界線なのか。幾重にも受け取り方があって…とても面白い作品だった。

小口ふみかさんは、分かりやすい感情表現をしながらも滲み出る繊細な表情が、とても印象的な俳優さんでした。橘花梨さんは、あの振り幅のある感情の起伏を表現しながら、終盤に見せた狂気すら感じさせる演技は鳥肌でした。橋爪未萠里さんは、どこかしら二面性を漂わせてながら、本性を見せない演技は魅力的でした。浅野千鶴さんの静と動の感情表現の切り替えには痺れました。声の高低/トーンも素敵でした。

最後に主人公の野和 悠役の寺田華佳さん、自身の葛藤と向き合おうとしながらもなかなか踏み出せないでいる。心の中で秘めていた事により、堰き止めていた罪悪感の昇華へ向き合うながら成長していく。感情表現の描写が丁寧で素敵な俳優さんでした。

素敵な時間をありがとうございました。

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