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NCAAトーナメント2024観戦ガイド~出場全68校も紹介します

「NCAAトーナメント」「マーチマッドネス

これは、もっと広く、日本で知られてもよいスポーツイベントです。

プロ野球日本シリーズ、MLBワールドシリーズ、NFLスーパーボウル、サッカーワールドカップ、そしてオリンピック・・・

スポーツが大好きな私は、たくさんのイベントを見てきました。

そんな私がおよそ40年間、毎年欠かさず見続けてきたスポーツイベントこそが、NCAA大学バスケットボールのクライマックス、NCAAトーナメントです。

※この投稿におきましては、男子NCAAトーナメントについてのみ書きます。

   

NCAAトーナメント、”マーチマッドネス”とは何なのか

では、このNCAAトーナメントとは何なのか。

これを日本人に説明しようとする場合、わかりやすいのが高校野球との比較です。

イベントをそれぞれ運営する、NCAA(National Collegiate Athletic Association、全米大学体育協会)と高野連、それぞれがお互いを意識したはずもないのですが、両者には不思議なほど共通点があるからです。

一発勝負のトーナメント方式

まずはこれでしょう。

シーズンのクライマックスイベントを、例えば4戦先勝などという方法でなく、一発勝負のトーナメントでやってしまう。決勝も含めて。

負けたらそこで終わり。シーズン終了。この潔さ(?)と残酷さ(?)。

番狂わせ

高校野球でもしょっちゅう起こりますよね。

私は「アップセット」(Upset)という言葉を、NCAAトーナメントによって知りました。

それほど、NCAAバスケットボールでは下剋上が起こる。

しかもシーズン最後のイベント、NCAAトーナメントで必ず、そう、"必ず"起こる。

興奮しないわけがありません。

ブザービーター

野球で例えるならば、「サヨナラ勝ち」でしょうか。

ゲーム終了のブザーとともに決まるシュートを、ブザービーターと呼びます。

これも起こる。

興奮しないわけがありません。

一国全体が熱狂

例えば、病院の待合室。
例えば、よく行くラーメン屋。
例えば、親戚の家のリビング。
例えば・・・

テレビで高校野球中継が流れていませんでしょうか。

3月にアメリカを旅すると、、、

例えば、空港のロビー。
例えば、街中のカフェ。
例えば、ホテルのバー。
例えば・・・

必ず、NCAAトーナメント中継が流れています。
   
国民が能動的、そして受動的に、「見てしまう」イベントなのです。

※3月(March、マーチ)に行われる、熱狂的スポーツイベント。
これをもって、”マーチマッドネス”という言葉が生まれました。

風物詩

※投稿の最後に、NCAAトーナメントの「用語集」を載せました。ぜひご覧下さい。

   

NCAAバスケットボールにおける日本人選手

この、”世界的”スポーツイベントにまで成長して久しい、NCAAトーナメントが日本であまり知られていない理由の1つは、日本人選手が非常に少ないこと。

やはり、日本人選手が不在だと報道されませんよね。。。

NCAAトーナメントに出場できる、ディビジョン1(ワン)と呼ばれるカテゴリーは非常にレベルが高く、多くのNBA選手を輩出してきました。

2023年の、バスケットボールワールドカップで一躍世に知れ渡った日本代表ですが、世界標準から見れば、また野球やサッカーという他スポーツと比べると、日本のバスケットボールレベルはそれほど高くない。

言語、そして学業などの問題もありますが、NBAに最も近い道とされるNCAAディビジョン1所属の大学に進むことは、日本人選手にとっては大変困難だったのです。

ところが。
近年、このNCAAディビジョン1に進む(リクルートされる)日本人選手が増えてきています。


とはいえ、計362校(2024年3月現在)のNCAAディビジョン1所属大学すべてがNCAAトーナメントに出場できるわけではなく、その資格が与えられるのは68校のみ。

高校野球における甲子園同様に、NCAAトーナメントという舞台は、出場そのものが大変な栄誉とされるのです。

過去84回を数える(2020年は新型コロナウィルスの影響により中止)、このNCAAトーナメントに出場した日本人はただ1人、八村塁のみ。

いまやNBAスターとなった彼、八村塁に続き、NCAAトーナメントに出場する日本人選手は現れるのか。

   
2024年。

日本人選手2人目となるNCAAトーナメント出場を果たすのが、先のワールドカップ2023でも日本代表として大活躍した富永啓生。

所属のネブラスカ大学を、10年ぶり7回目の出場に導いた富永啓生。

いつもの年以上に、2024年NCAAトーナメントを見ないわけにはいかないのです。

もう1人、菅野ブルース選手が所属するステットソン大学も見事に初出場を決めましたが、菅野選手は怪我のためプレイはしない模様です。

   

NCAAトーナメント2024(第85回)概要

日程

  • 3月17日(日本では3月18日):セレクションサンデー(後述)にて出場校決定

  • 3月19-20日(〃3月20-21日):ファーストフォー(8校による開幕4ゲーム。後述)

  • 3月21-22日(〃3月22-23日):ファーストラウンド(1回戦、64校による)

  • 3月23-24日(〃3月24-25日):セカンドラウンド(2回戦、32校による)

  • 3月28-29日(〃3月29-30日):スウィートシックスティーン(Sweet16、16校による)

  • 3月30-31日(〃3月31-4月1日):エリートエイト(Elite8、準々決勝)

  • 4月6日(〃4月7日):ファイナルフォー(Final4、準決勝)

  • 4月8日(〃4月9日):ナショナルチャンピオンシップゲーム(Final、決勝)

会場

※高校野球と異なる点。「甲子園」のように固定されません。毎年変わります。大きな経済効果がもたらされるため、誘致合戦となります。もちろん、オリンピックほどではありませんが。なお、ファーストフォーだけは毎年UD(デイトン大学)アリーナで行われます。

全米各地に分散
ファイナルフォーは特別なイベント

出場校

※夏春、両方の”甲子園”を合わせたような形で出場校が決まります。

オートマティック(32校):夏の甲子園と同様に、32あるカンファレンス(リーグ)のトーナメント(NCAAトーナメントの直前に開催)で優勝した学校は、自動的に出場が決まります。

アットラージ(36校):春の選抜甲子園と同様に、”セレクションサンデー”において、選考委員会がレギュラーシーズンの戦績などを考慮して選びます。

”甲子園”とは違い、各校主将が集まっての抽選会などは無し。
”セレクションサンデー”では出場校決定と同時に組み合わせが決まっていくため、それ自体がショーのようになっています。

↓ネブラスカが入ったサウスリージョン(地区)の様子。1分ほどでネブラスカが紹介されます。

   

”センバツ”と同じく、「選考」については毎年揉めます(汗)

※NCAAトーナメント出場校選考においては、学業は考慮されません。不祥事により参加資格を失うことはありますが。

※選考についての詳細はこちら↓

   

さて。それでは、2024年NCAAバスケットボールトーナメントに出場する、栄えある68校を紹介しましょう!

ブラケット(組み合わせ)はこちら

   

NCAAトーナメント2024<出場全68校紹介>

※計32ある、カンファレンス(リーグ)ごとに紹介します。
※カンファレンスによって優劣が決まっており、複数の学校が選出される(マルチビッド)カンファレンスもあれば、1校だけしか出場できない(1ビッド)カンファレンスもあります。そして、大半(約2/3)が後者です。
※基本的には地域によって学校が集まっておりますが、近年はその概念が崩れつつあります。(距離的に離れた学校同士が同じリーグに所属)

※残り文字数が少なく感じられるかもしれませんが、これはチームカラー(スクールカラー)を表現すべく、文字を含めて画像貼付の形を取ったためです。

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