狂気の文字起こし No.4 将棋の神様は斜め上45度のあたりにいるらしい(第30期竜王戦 挑戦者決定三番勝負 第1局 羽生善治三冠―松尾歩八段戦 感想戦)

https://drive.google.com/file/d/0B7iaujq_4HlrZnN4c0ZfaGRMVFk/view?usp=sharing

(文字起こし全文は上URLから)

どうも、野口です。ワイヤレスマウスの電池の蓋がどっか行きまして難渋してます。

さて、今回はいよいよ挑戦者決定戦が始まりました竜王戦から感想戦を起こしてみました。今期の竜王戦挑決は永世竜王を目指す羽生善治三冠と初のタイトル挑戦を目指す松尾歩八段の顔合わせとなりました。両対局者は1組ランキング戦の決勝でも顔を合わせております。(松尾勝ち)

羽生三冠はもう色々すごい人なので細かい説明は割愛(乱暴な表現)ただ、初タイトルが竜王であったのにも関わらず、永世称号の定まった七大タイトルで唯一永世称号を持っていないのが竜王です。不思議。

そして松尾八段。ダンディさで近年人気急上昇中です。タイトル戦登場がないのが不思議な実力者であることは間違いありません。序盤研究の第一人者として「松尾流」の名の付く形を複数生み出していますが、その構想力は中終盤の強さも支えていると言えましょう。

対局は横歩取りの出だしから後手松尾八段が8五飛戦法を採用、これも1組決勝と同じでした。対する羽生三冠は中住まいに構えて角交換から7筋に位を張る、少し前に見られた対応を見せました。(ちなみに1組決勝では居玉で攻撃態勢の構築を急ぐ新山崎流でした)

中盤で羽生三冠がいきなり角を切り飛ばしたあたりから形勢が先手に傾きましたが、中盤の終わりから形勢不明の激戦に突入、長い長い難解な終盤となりした。最終盤、松尾八段が勝負勝負と迫る中、羽生三冠が詰みを逃すという波乱もありましたが、最後は攻防手で押さえの金を外した羽生三冠が逃げ切り竜王戦挑戦者に一歩近づきました。本局で敗れはしたものの、松尾八段は次局で先手番であり、長い形勢不明の激戦を繰り広げただけに名勝負が期待されます。

さて、長々と書きましたが、本題の感想戦に参りましょう。形勢不明の終盤となった将棋の感想戦につきものなのは沈黙です。今回も時折無言の時間が挟まっております(ぷつっと止まったところには1行空白を入れました)時には盤をじーっと見つめ、時には虚空をぼんやり見つめ、時には腕を組んで目をつぶり。棋士によって様々です。今回の中では、羽生三冠が左斜め上45度のあたりを見つめながら考えているシーンがあります。そのタイミングで読売新聞観戦記解説担当の近藤誠也五段が対局室に入室したため、てっきりそれを見ているのかと思いましたがどうやら違った様子。同じような姿勢で考える棋士といえば三浦弘行九段が有名でしょうか。さる人が「将棋の神様はあの視線の先にいるのだろう」ということを言ってたような記憶があります。

そして、これは羽生三冠によく見られる現象と言いますか、頭の回転に言語が追い付いていないところが時々見られます。最終盤の検討をしているシーンで「あ」「え」が連続するところがありますのでそちらも注目です。楽しそうです。羽生三冠がNHK杯の解説に登場する時によく言われることですが「羽生三冠が楽しそうにしているところを見るのが目的(言ってることが難しくて分からない)」ということがあります。今回もその類でしょう。終盤は私レベルではさっぱり分かりません。でも、楽しそうです。

今回は約10,000字と、まあまだ常識的な分量で収まったと思います。お時間のある方はどうぞ。

では、また。

Ryohei Noguchi

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