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憎しみよりも敬いを

どうも、「福」住職の村上定運です。
Twitterの更新の助けになると思って始めた「質問箱」ですが、なんと質問箱内にもメッセージ機能があることが判明し、焦っております。

投稿材料としてご質問をお受けする専用のフォームではなく、あくまでもメールのようにやり取りを行うこの機能にメッセージを頂戴しておりました。

チェックをしていないうちにずいぶん日が経ってしまっていたのですが、そちらにお返事をいたしましたのでそれをnoteにも転載しておきます。

もしもご質問者様があくまでも個人的にメッセージをしてくださっていたのだとすれば、とんださらし者になってしまう訳ですが、まぁ匿名ですし内容から人物が特定できるような部分も少ないので書かせていただきます。

質問箱でのメッセージ(一部修正あり)

Twitterいつも楽しく拝見しております。ご相談です。
息子の嫁が妊娠出産以来、なかなか実家から帰ってこようとしません。週一でこどもを連れてくるだけのようです。

それでも気長に待つ息子や、嫁や嫁の両親に腹立たしい思いでいっぱいでしたが、最近はそういう思いが湧き上がるたびに、このエネルギーが無駄だと思い、ともかく彼ら一家のこれからの幸せを祈ることにしようと思いました。

この方法は合ってますでしょうか?何か、気持ちを切り替えられるキーワードになるようなお題目?を授けていただけると大変嬉しいです。

福住職の回答

お便りありがとうございます。

ご質問の件についてですが、ご家族という単位のとらえ方は人それぞれで、お嫁さんにとってみると結婚をしたとしても実家とは家族であることに変わりがないと考えているのかも知れません。

ご家庭での関係性の問題なのか、はたまたコロナの影響によるものなのか詳しい事情が分かりませんので細かいコメントは控えますが、息子さん一家の今後のお幸せを祈るという姿勢は素晴らしいと思います。なかなかできるものではありません。

とはいえ、人間ですから腹も立つと思います。そのような時にはお釈迦様からのメッセージが有効です。

『法句経』というお経の言葉を要約すると
「怒りや憎しみに対してこれを怒りや憎しみで返せば、ついにこれ(憎しみの連鎖)が終わることはない」
と説かれています。

不用意な争いは傷を増やすだけですし、息子さん一家に起きた出来事は息子さん一家の問題です。息子さん自身がそもそもどのように望んでいるかを確かめた上で、落ち着いて堂々と話し合いが出来るように精神面でサポートして差し上げることが必要だと思います。


辛いときに味方がいてくれることはこの上ない幸せですが、思っているだけでは伝わりません。息子さんにも見守っている旨を、そして更にはお嫁さんのご家族にも幸せを祈っている旨をお伝えになるというのはいかがでしょうか。

私は結婚しておらず妻も子供もおりませんので残念ながら息子さんのお気持ちを正しく察することは出来ませんが、親からこのように言葉をかけてもらえたら嬉しいなぁとは強く思います。

ご参考になれば幸いです。お盆の時節、どうぞご先祖様を思いながら心穏やかにお過ごしくださいませ。
合掌

以上のようなやり取りをさせていただきました。割と勢いでお返事をするため見直すとちょっと反省すべき点が幾らかありますが。。。

苦しみの順番

以前に「不安→恐怖→怒り→憎しみ」という苦しみの順番を書きましたが、今回の回答はまさにこれですね。

息子の嫁が実家からなかなか来ない=嫁に対する不安、恐怖
嫁や嫁の実家に対して腹が立つ=そのものズバリ怒り
という風になっていて、このまま放置すると憎しみへと熟成されてしまいます。

それを避けるために、相手を尊重するように促す回答をさせていただきました。
「理解→喜び→感謝→敬い」という幸せの順番の中で、最高の状態である「敬い(相手を尊重すること)」を示すことで争いを無くすというやり方です。

理由も分からず傷つけられたり、不当な扱いを受ければ腹も立ちますが、同じことを相手にすればその繰り返しは目に見えています。

皆さんもこれを参考に心を穏やかにして、相手を尊重できるよりよい一日を過ごしてくださいませ。

ではでは合掌
福住職 定運

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