見出し画像

「女性の定義を守る会」設立声明文

「女性の定義を守る会」設立声明文

●設立の経緯

 私たち「女性の定義を守る会」は、現在、女性の定義が性自認、身体的特徴、戸籍上といった言葉で曖昧にされている中で、女性の座標を生物学的分類に基づく原点に戻すことがすべての女性差別解消を実現する上での必須条件であり、基本的人権の尊重を憲法に掲げる国家の責務であると考えます。

 2003年7月10日に成立した「性同一性障害者の性別の取扱いの特例に関する法律(以下「特例法」)」によって現在、要件を満たした場合に戸籍上の性別記載を変更することが可能です。特例法を経た者は「他の性別に変わったものとみなす」と定められています。
 これにより、生物学的男性も女性に、生物学的女性も男性に、法的定義として含まれ、異性としての取扱いを強いる強制力をもつことになりました。

 2023年時点で、女性専用スペースの運用以外にも、進学や就労、スポーツの世界で生物学的男女の不均衡が議論になっていることは、過去から今まで続く女性差別の問題と直結しています。現在表面化しているこれらの問題について、法律制定に携わった関係者のどれだけが予測していたでしょうか。

 私たち「女性の定義を守る会」は、性別の定義を生物学的分類から動かすことにより、すべての人に生じる重大な影響、特に女性が過去現在において寛容と忍耐を強いられ、権利や安全や尊厳を求める声を常に蔑ろにされてきた問題を鑑み、それらを是正するために必須である「女性の定義」の危機へ焦点を当て提議する団体が必要との考えから発足しました。

●性同一性障害特例法の廃止を求める理由

 生物学的性差に基づくデータは【医療】、【防犯】、【犯罪更生】、【差別是正】、【社会づくり】、【政策の指針】等において、すべての人にとって重要です。
 このデータを取得不可能にするないし異性のデータを混在させることは、導かれる結果の正確性も失わせ、必要な対策が取られなくなる危険があります。

 特に女性が風呂・トイレ・更衣室等において、生物学的男性との望まぬ共有を強いられることで羞恥・恐怖を感じるのは至極当然であり、女性の最低限の尊厳を毀損するものです。

 加えて、性暴力やDV等のシェルターにおいて、男性身体者と接触することは女性にさらなる精神的ダメージを与えることになりかねません。近年では、災害時の避難所での女性の性被害報告も大きな問題となっています。女性の心身を保護する重要な役割を担ってきた女性専用スペースに生物学的男性が入ることにより、性被害者女性を筆頭として外出や就学就労など社会生活が阻害され、人生と生命に著しい影響を与えると考えます。

 また生物学的な異性を同性として法的に定義し同性としての取扱いを強いられることは、同性愛者の定義、安全、尊厳を毀損するものであり性的指向への侵害であると考えます。
 とりわけ女性の同性愛者は上記すべての女性への権利侵害に加え、更なる困難を強いられることとなります。

 特例法は成立より20年が経つにも関わらず周知が十分であるとは言えず、女性の尊厳に深く関わる事柄でありながら女性の多くが知る権利・選択する権利を奪われていると考えます。
 特例法を経て戸籍上の性別を変更した者にとっても実在する生物学的性差に基づかない医療等はリスクを伴い、かつ「男性・女性らしさ」から逸脱する者への差別是正を阻み、更に戸籍上の性別を変更していない者との分断が起きるなど決して望ましいものでないと考えます。

 以上から特例法は、

1.生物学的男性も女性に、生物学的女性も男性に、法的定義として含まれ、異性としての取扱いを強いる強制力をもつ。

2.医療、防犯、犯罪更生、差別是正、社会づくり、政策の指針等においてすべての人にとって重要な、生物学的性差にもとづくデータを毀損するものである。これは特例法を経た者にとっても同様である。

3.特に身体的・社会的に不利な女性にとって生物学的性別によるデータおよび区分施設の侵害は、生命ないし最低限の尊厳を侵害するものである。

4.同性愛者の定義、安全、尊厳を毀損するものであり性的指向への侵害である。とりわけ身体的・社会的に不利な女性の同性愛者にとっては3.に重ねての重大な侵害となる。

5.成立以前から以降、現在に至るまで国民に対する内容の周知徹底が不足しており、特に女性の尊厳侵害であるにも関わらず女性の知る権利・選択する権利を侵害しているものである。

と考えます。

 特例法にこうした大きな問題がありながら、現在2023年国会において更に女性の侵害範囲を広げるLGBT法案が審議されようとしていることは言語道断であり、性別の定義を生物学的分類から動かすことの是非こそ最優先事項として議論すべきであると考えます。
 まずは特例法によって戸籍変更を行なった者の実態ならびに現実に起きている問題の調査を提案します。

●総括


 
 私たち「女性の定義を守る会」は、特例法の内容を国民に十分に周知し、生物学的性別の定義無視は特に女性の人権を侵害するものであるとの認識を広め、「性別の定義は生物学的な分類のみである」として事実のみにもとづく正確な定義への是正、特例法の廃止と、生物学的性差が実在するに限り未来に渡って事実と異なる性別記載変更が禁止されることをここに求めます。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?