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プロローグ

好子と書き、
よしこと読む。
なにごとの不思議なけれど。

横書きにすると「女子子  ジョシコ」やん、と数年前に思ったのは何のきっかけだったか。
加えて会社同期の名字から想像して、「子安好子」とかならどんだけ女と子供の人口密度高いねん、と脳内でつっこんだのが約1年前。

両親に名前の由来を尋ねるも、
「お義母さんが占いでつけた。
   私は別の名前がよかった。
   四方八方が完璧な名前をつけたはずが、役所に届けた後に
  一方向がダメだったことが分かり、変更しようとしたけど遅かった。」
という母の言葉に、一体何の方向がダメだったのか、寂寥感が体を駆け抜けた。

そういうわけで、辻本好子とは何か一方向が欠けているらしい人物である。
実際は一方向どころか、いろんなものが欠けていることだろう。
でも、人よりも持っているものも、溢れているものもあるはずだ。
役立つ、役立たないに関わらず。


「週刊ジョシコ」は、辻本好子が徒然なるままに、平家やらバレエやらワインやら寺社仏閣やら、心を動かすこの世の事象について、情熱の僕となりて書き記す散文集です。

責任感に満ちた社会的人格の「ツージー」でもなく、誰かの心友としての「よしこ」でもない、もの書き想うことで生を実感する存在として。

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