「心臓突然死に対する注意喚起書」の書式は、学生の死亡事故を受けて2019年に制定された法律に基づいて作成されました。

【主張】

  • ジョージア州高校協議会では、COVID-19ワクチンをきっかけに「心臓突然死に対する注意喚起書」の発行を開始しました。

【お時間の無い方の為のキーポイント説明】

  • この書式は新しいものではなく、2019年にジョージア州の学生アスリート2名が死亡した後の心臓突然死に対する認識を高めるための法律から生まれたものです。

  • この書式はCOVID-19のパンデミックより前のものであり、COVID-19ワクチンとは無関係です。

【レビュー】

高校で配布された書類が、生徒のバックパックの底からソーシャルメディアに流れ、保護者の署名ではなく、COVID-19ワクチンに関する怒りと誤った主張を引き起こしています。

「学校で心臓突然死の用紙を配るのは普通だろう?」 と、「ジョージア州高校協会 生徒/保護者心臓突然死注意喚起用紙」の写真の上に書かれた説明文があります。Instagramでそれを共有したある人は、「何故、我々の子供達に突然こんなことが起こるんだ?何が新しいのか?#StopTheShots #clotshot #CardiacArrest 」とコメントしています。

この投稿は、Facebookのニュースフィードにおける偽ニュースや誤報に対抗する取り組みの一環として、フラグが立てられました。(FacebookとInstagramを所有するMeta社とのパートナーシップについて、詳しくはこちらをご覧下さい)

この主張の変種は、Twitter等の他のプラットフォームにも現れており、あるツイートでは、「保護者は心臓突然死の注意喚起書に署名しなければならなくなった。けれど、この注射は赤ちゃんに渡せるほど安全だということを覚えておいて欲しい。」

この書き込みについて、ジョージア州高校協会に問い合わせましたが、返事はありませんでした。この書式は同協会のウェブサイトに掲載されており、心臓突然死に対する初期警告のサインや、心臓突然死が発生した場合の効果的なCPRの展開方法について詳しく説明されています。

協会のウェブサイトに掲載されている書式の バージョンでは、2021年3月に改訂されたものとなっています。書式のタイトルを検索したところ、同じ情報と古い改訂日を持つ他のバージョンの書式が見つかり、最初のCOVID-19症例が確認される数ヶ月前、COVID-19ワクチンが広く入手される1年以上前の2019年5月まで遡りました。ジョージア州高校協会の広報担当者であるSteve Figueroa氏は、1月28日のAP通信の記事で、この書式は2019年の州法に対応して2019-20学年度から使用されていることを明かしました。

上院法案60「ジェレミー・ネルソン君及びニック・ブレイクリー君が遭遇した心臓突然死予防に関する法律」は、2019年7月1日に施行されました。この法律により、学校はスポーツ選手とその保護者に、突然の心停止の早期警告サインや見分け方、実技による心肺蘇生の方法などを記載した情報シートを配布することが義務付けられました。スポーツ選手と保護者はこの用紙に署名しなければならず、その用紙は各学校で保管されます。

この法律は、2013年にバスケットボールコートで倒れて死亡したジョージア州の中学生ネルソンと、2017年にフロリダ州のステットソン大学でのフットボール練習後に心臓突然死したジョージア州の元高校フットボール選手ブレイクリーの名前に由来しているとアトランタのWXIA-TVは報じています

COVID-19ワクチンで「突然死」する人がいるという誤解を招くような考え方は、PolitiFactや他のニュースルームで何ヶ月も前からファクトチェックが行なわれています。

現在ソーシャルメディアに出回っている書式は新しいものではなく、COVID-19のパンデミックよりも前のものです。COVID-19ワクチンに対応して使用されているという主張は誤りであると評価します。

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