コロナウイルス感染症2019(COVID-19)二価ワクチンの効果について

【概要】

《背景》

本研究の目的は,2価のCOVID-19ワクチンがCOVID-19を予防するかどうかを評価することにあります。

《方法》

  • Cleveland Clinic の従業員で、二価の COVID-19 ワクチンが初めて従業員に提供された日に勤務していた者を対象としました。

  • COVID-19の累積発生率は,その後数週間にわたって調査を実施しました。

  • ワクチン接種によってもたらされる防御(時間依存の共変量として分析)は,Cox 比例ハザード回帰を用いて評価を実施しました。

  • 解析は、前回のCOVID-19の発症時のパンデミック期、及び前回のワクチン接種回数で調整しました。

《結果》

  • 51011人の従業員のうち、20689人(41%)が過去にCOVID-19の発症を記録されており、42064人(83%)がCOVID-19ワクチンを少なくとも2回接種していることが判明しました。

  • COVID-19は試験期間中に2452人(5%)に発生しました。

  • COVID-19のリスクは,直近のCOVID-19の既往からの時間,及び以前に受けたワクチンの投与回数とともに増加しました。

  • 多変量解析では,2価ワクチン接種の有無が独立してCOVID-19のリスク低下と関連しており(HR,0.70;95%CI,0.61-0.80),推定ワクチン効果(VE)は30%(95%CI,20-39%)となっていました。

  • 90日以内のSARS-CoV-2への最終曝露と比較して、6-9カ月前の最終曝露はCOVID-19のリスクの2倍、9-12カ月前の最終曝露はリスクの3.5倍と相関していることが示されました。

《まとめ》

  • 労働年齢に達した成人に接種された2価のCOVID-19ワクチンは,全体としてCOVID-19に対する適度な防御効果を示し,地域社会で優勢なウイルス株は,このワクチンに含まれるものであることが示唆されました。

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