【あたおか】月は「コンピューターで一杯の機械」ではありません。

月はコンピューターで一杯の機械なのでしょうか?いいえ、そんなことはありません。何十年もの間、月と宇宙を研究してきたNASAによりますと、月は金属の核を持つ岩石なのです。アメリカは月に人を着陸させたことがありますし、宇宙船やロボット装置を月に送った国も世界中にあります: そのどれもが、月がコンピューターで一杯の機械であることを確認したことは一度もありません。この主張をしている人物は、地球外活動に関する陰謀論で知られています。

この主張は、2024年3月3日にInstagramに投稿された動画(⇦削除済。アーカイブはこちら)に登場しました。冒頭、ある人物が次のように語っています:

月はコンピューターで一杯の機械だと聞いたことがある。月を監視し、観察し、情報をダウンロードし、宇宙の何処かに居る誰かにアップロードする。月は何百万年もの間、人類以外によって監視・操作ステーションとして使われてきた。政府の情報機関で働いていた人達、つまり、CIAやNSAのような人達と話したことがあるが、全くその通りだと言っていた。

👁️💚🌘👾👹🌚⏰ . . . #Responsibility#Globalcrisis#survive… | Instagram (archive.md)

記事執筆時、Instagramでは以下のような動画が公開されていました:

(出典:2024/03/05 火曜日16:57:08 UTCに取得されたInstagramのスクリーンショット)

動画で話しているのはLinda Moulton Howeです。彼女のウェブサイト(アーカイブはこちら)によりますと、彼女はスタンフォード大学で教育を受けたジャーナリストで、最初は環境問題に焦点を当てたが、その後UFOに転向したとのことです。現在80代の彼女は、YouTubeで地球外生命体に関する理論を喧伝し続けています(アーカイブはこちら)。LeadStories は以前、人工知能を搭載した4体のロボットが日本で29人の科学者を殺害したという彼女の主張をファクトチェックしたことがあります。

アメリカ航空宇宙局(NASA)は、そのウェブサイトにおいて、月の組成について報告しています(アーカイブはこちら):

(出典:2024/03/05 火曜日 17:02:28 UTCに取得されたNASAウェブサイトのスクリーンショット)

NASAからの報告にあります通り(アーカイブはこちら)、「宇宙飛行士が残した機器の破片、アメリカ国旗、そしてカメラが残されています」が、これは月を構成するものではありません。ウェブサイトでは月の構造についても説明されていますが、コンピュータで埋め尽くされているわけではありません:

地球の月にはコア、マントル、地殻があります。
月の核は他の地球型天体の核に比べ、比較的小さいです。鉄分を多く含む固体の内核は半径149マイル(240キロ)。その周囲を厚さ56マイル(90キロメートル)の液体鉄の殻が取り囲んでいます。部分的に溶けた厚さ93マイル(150キロ)の層が鉄心を取り囲んでいます。
マントルは部分的に溶けた層の上部から地殻の底まで広がっています。マグネシウム、鉄、ケイ素、酸素原子からなるカンラン石や輝石のような鉱物で出来ている可能性が高いと考えられています。
地殻の厚さは、月の表側半球で約43マイル(70km)、裏側半球で約93マイル(150km)です。地殻は酸素、ケイ素、マグネシウム、鉄、カルシウム、アルミニウムで構成され、少量のチタン、ウラン、トリウム、カリウム、水素が含まれています。
大昔、月には活火山が存在していましたが、現在は全て休火山となっており、数百万年もの間噴火していません。

Moon Facts - NASA Science

Space.com(アーカイブはこちら)では、月は岩であると説明しています:

子供のおとぎ話では、月はチーズから出来ていると言われていますが、太陽系の他の天体と同様に、岩の方がより現実的な成分です。月の表面は、死火山、衝突クレーター、溶岩流で覆われており、その一部は星を眺める人の目にも確認することが出来ます。初期の科学者達は、月の暗い部分は海かもしれないと考え、そのような特徴をラテン語で「海」を意味するマーレ(複数ある場合はマリア)と 名付けました。これらは一種の海ですが、水ではなく、固まった溶岩の溜まりから出来ています。月の歴史の初期には、内部は火山を発生させるほど溶けていましたが、すぐに冷えて固まりました。また、十分な大きさの小惑星が地表を突き破った際にも、地殻から溶岩が噴出しました。

What is the Moon Made Of? | Space

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